桜草の鑑賞とお琴の演奏会!静岡県沼津市「帯笑園」

桜草の鑑賞とお琴の演奏会!静岡県沼津市「帯笑園」

更新日:2017/03/30 13:51

静岡県沼津市「帯笑園」で「桜草の鑑賞とお琴の演奏会」が開催されます。会場となる「帯笑園」は、江戸時代に東海の名園と称賛され、国の登録記念物に指定されています。伊藤博文をはじめ、著名人や文人墨客に愛された名庭園が、4月29日限定で特別公開されます。園が収集していた桜草約100鉢が展示され、琴の演奏や野だてが行われます。琴の音色に酔いしれながら、見頃を迎えた桜草と一緒に宴を楽しんでみませんか?

国の登録記念物になっている!歴史ある庭園「帯笑園」で開催

国の登録記念物になっている!歴史ある庭園「帯笑園」で開催
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ご紹介する「桜草の鑑賞とお琴の演奏会」は、沼津市原にある植松家庭園「帯笑園」で毎年4月に行われます。ここは私有地なので、普段は立入禁止されていますが、イベントの日に限って一般に公開される知る人ぞ知る庭園です。

「帯笑園」は、16世紀後半に居を構えた豪農「植松家」の庭園。植松家代々の当主が園芸を好み、松や蘇鉄などの盆栽、桜草などの鉢物、菊や牡丹などの花壇など、園芸植物をコレクションした有名な庭園です。

江戸と京都を結ぶ東海道の宿場町「原宿」に位置することから、街道を行き来する人々が訪れ、たちまち一躍有名になり「東海の名園」と称賛されました。江戸時代に訪れたドイツ人博物学者シーボルトは、美しい景観や植物見本を「江戸参府紀行」に記したほどの美しい庭園で、参勤交代や伊勢参りの庶民、幕府の役人や将軍、明治時代には伊藤博文など多くの著名人も立ち寄ったとされています。

現在、庭園の面積は、以前に比べ半分ほどになってしまいましたが、石敷きの園路・石灯籠・藤や高野巻などが遺存し、当時の面影を今に伝えています。桜草は、庭園で数種が収集されており、特に有名な植物。それに因んで、イベントでは桜草の展示が行われています。

見比べも楽しめる!種類豊富な桜草の展示

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こちらは、会場で展示されている桜草の陳列棚です。地元の愛好家団体「ぬまづさくらそう会」が育てた桜草が展示されていて、その数は約100鉢。

桜草はサクラソウ科の多年草。山野に自生している高さ15cm〜30cmほどの植物です。葉の中に花茎をのばし散形状に5弁花を付けるのが特徴で、近年は園芸品種は種類も多く、色彩も色々。ピンク色や白色、紫色など、とても色鮮やかな桜草を鑑賞できます。

見比べも楽しめる!種類豊富な桜草の展示
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桜草と一口に言っても様々な種類があり、千代の桜・紅女王など女性を思わせるような優雅な名前から、流れ星など変わった名前の品種、そして花が垂れ下がった様子から名付けられた「無礼講」と言うユニークな桜草もありますよ。

花の名前を見ながら、その花の様子と照らし合わせると、更に鑑賞が楽しくなるポイントかもしれませんね。こちらは「寿紋」と言う名前の花で、花びらの縁取りがヒラヒラとした変わった花なので、訪れたら探してみて下さいね。

庭園では、桜草の他に藤やシャクヤクなどの花も咲き誇っています。時折、琴の演奏が聞こえ、音色に包まれながらお花見ができて、とっても風流。まるで、時間が経つのを忘れてしまうくらい優雅な時が過ごせますよ。

花の鑑賞に欠かせない!優雅な筝曲の演奏

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庭園にあるこちらの建物で、琴の演奏会が行われます。建物の片隅では、抹茶の野だてが行われる茶席が設けられています。抹茶は、有料ですが、立てたての抹茶を青空の下で飲むことができ、格別な美味しさ。筝曲を聞きながらの贅沢な茶会は如何でしょうか?

地元のパン屋や菓子店が出店するブースが設けられており、ちょっとしたお土産を買うこともできますよ。園内にある石碑に彫られた虎の絵をデザインしたTシャツなど、帯笑園ならではのオリジナルグッズの販売もしているので、興味を持たれた方は記念に買ってみても良いですね。

見逃せない見所は、まだまだ!

園内ではご紹介した以外に、大正天皇御下賜の大王松などの珍しい植物や、江戸時代に京都で活躍していた画家「岸駒」が描いた虎の石碑「蹲虎図」もあり必見です。岸駒は、虎を描かせたら当代一と言われていた腕の持ち主で、蹲虎図はここを訪れた数々の客人達が目にしたであろう歴史的な作品。虎は臨場感があって、気迫に満ち溢れた画風なので一見の価値あり。

「桜草の鑑賞とお琴の演奏会」は、平成29年4月29日(土曜日)に開催されます。開催の「帯笑園」は、江戸時代後期から代々伝わる名庭園。その昔、テレビやゲームなどがなかった時代、庭園の鑑賞は最高の娯楽で、人々の目を楽しませていたことでしょう。そんな思いを馳せながら観覧すると、また一味違った目線で楽しめますよ。

「桜草の鑑賞とお琴の演奏会」は、1日限定のイベント。国の登録記念物になっている庭園に無料で入園できるので、ぜひ立ち寄ってみては如何でしょうか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/29 訪問

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