写真:吉川 なお
地図を見る海底の火山噴出で誕生した緑島は、面積わずか約16平方キロメートルの小さな島。周囲をサンゴ礁に囲まれ、黒いサンゴ礁の岩が焼け焦げた残骸のように見えたことから、かつて「火焼島」と呼ばれていましたが、1949年に緑島と改称されました。
東北部には断崖や奇岩、西海岸には数多くの熱帯魚が泳ぐサンゴ礁の海岸が連なり、手つかずの自然が残された美しい景観は「東部海岸国家風景特定区」に指定されています。
写真:吉川 なお
地図を見る緑島へのアクセスゲートとなるのは台湾の東南に位置する台東。台北の松山空港から台東空港は約50分、台北駅から台東駅までは鉄道で約3時間半の距離にあり、緑島にはそこから飛行機またはフェリーで上陸します。
飛行機は台東空港から1日3便飛んでいますが、19人乗りの小型機なので4月〜9月のオンシーズンの予約は至難の技。最も経済的でポピュラーなフェリーは、台東駅からバスで約20分の富岡漁港から「凱旋噴射客輪」や「天王星噴射客輪」など数社が約1時間で緑島南寮漁港をつないでいます。
島内の移動はバイクをレンタルするのがお勧め。島には全長約20kmの周遊道路があり、約1時間で一周できます。南寮漁港から時計回りに一周する路線バスもありますが、本数が少ないので自在に動けるバイクはとても重宝します。
漁港付近に数軒あるレンタルバイクショップでパスポートと国際免許証を提示すると旅行者でもレンタルできますが、民宿がバイク、シュノーケリング込みのパッケージツアーを組んでいることが多いので、そちらを利用すると便利です。免許がない人にはレンタサイクルが用意されています。
写真:吉川 なお
地図を見るフェリーが着いた南寮漁港から時計の逆方向に約20分走ると、お目当ての「朝日温泉」が見えてきます。日本統治時代は「旭温泉」と呼ばれ、戦後、日の出方向に向いていることから朝日温泉と命名されたこの温泉は、サンゴ礁の海底から温泉が湧き出る世界でも珍しい海底温泉です。
朝日温泉は約7ヘクタールもの敷地に3つの露天風呂、打たせ湯やジャグジー機能がついた5つの棚田式景観温泉、スパ施設を完備した室内温泉を持つ本格的な温泉リゾート施設で、水着、水泳帽着用の混浴スタイルとなっています。温泉はSPA水療温泉区と天然海底温泉区の2つのエリアがあり、いろいろな種類の温泉が楽しめます。
写真:吉川 なお
地図を見る満潮時は海面下に没し、干潮時に姿を現すのも海底温泉ならでは。サンゴ礁に囲まれた3つの円形の露天風呂はわずかに標高差があるので、お湯の温度が少しずつ異なります。満潮になるにつれ海水が浴槽に流れ込むため、時間帯によってもお湯の温度が変わります。
源泉はサンゴ礁の潮間帯の中にあり、海水や地下水が地底に染み込んで火山のマグマの熱で温められ、硫黄泉となって湧き出ています。温度は約50℃で湧出口は90℃にも達し、無色透明でかなり塩辛いものの硫黄独特の匂いはなく、皮膚病、婦人病、ぜんそく、神経痛、動脈硬化、リューマチなどに効能があると言われています。地熱で温められた湯は短時間でも芯からあったまり、入浴後は肌がすべすべになります。
写真:吉川 なお
地図を見るこの露天風呂の奥、さらに海寄りのところにもいい浴槽があります。まさに天然の岩場という感じで、底は舗装されていないのでサンダルを履いて入浴すると安全。より海が近くなって、太平洋の大海原を独り占めしたような気分になります。
昼の光景もいいのですが、お勧めは夜と明け方。満天の星空を眺めながら、日の出を見ながらの入浴はきっと思い出に残るでしょう。
朝日温泉の営業時間は5〜10月は5:00〜深夜2:00、11〜4月は6:00〜24:00で、肌寒い時は室内風呂であったまりましょう。
写真:吉川 なお
地図を見る緑島のお楽しみは温泉だけではありません。海には200種あまりのサンゴや色鮮やかな熱帯魚が泳いでいて、柴口、石朗、大白沙の3大スポットでダイビングやシュノーケルが楽しめます。
一般的なシュノーケルは、民宿の予約の際にセットで申し込むのがお勧め。ウェットスーツの貸出もあり、往復の送迎とその時期に適したスポットに連れて行ってもらえます。
写真:吉川 なお
地図を見る緑島周辺の海域は潮流が速いので、個々に潜ることはできず、インストラクターが持つロープに掴まって一列になって海中を覗くのが緑島式。希望者には浮き輪も貸与されるので、初めてでも安心して楽しむことができます。
言葉は中国語となりますが、不得手だとわかるとインストラクターがすぐそばについてくれます。何より前後には必ず人がいるので、団体競技をしているかのような面白味も味わえ、台湾人とも知らず知らずにコミュニケーションもとれます。
海の中は、あなたの期待を裏切らない魚の楽園♪台湾でシュノーケルも一興ですよ。
かつて監獄が置かれた緑島は、白色テロと呼ばれた国民党の恐怖政治を象徴する場所でもあります。この時犠牲になった人々を追悼する人権記念碑が建つ人権記念公園一帯は「緑島人権文化園区」となって、台湾の苦難の現代史を今に伝えています。
このような史跡の他にも、緑島沖で座礁したアメリカの客船の乗客を救助したお礼で建てられた緑島灯台や島の守護神として崇められている観音洞、ミニ万里の長城といわれる小長城歩道など絶景が望めるスポットもあります。
1年中シーズンの緑島はショートトリップにもってこい!本島と違った魅力がぎゅっと詰まっている緑島、オススメです。
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(2024/5/11更新)
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