創造成就祈願!「マンガ地蔵」の立つ東京都豊島区・金剛院

創造成就祈願!「マンガ地蔵」の立つ東京都豊島区・金剛院

更新日:2017/03/31 14:17

織笠 なゆきのプロフィール写真 織笠 なゆき トラベルライター、御朱印収集家、狛犬愛好家
クリエイティブな仕事や趣味をお持ちの方に参拝をおすすめしたい、「マンガ地蔵」。マンガ制作に限らず、“創造の力を授かりたい”という祈願をすることができるそうです。今回はこのお地蔵さまと、お地蔵さまがいらっしゃる東京都豊島区の「金剛院」というお寺、そしてお寺に併設するカフェについてご紹介します。

朱塗りの山門が許された寺、金剛院

朱塗りの山門が許された寺、金剛院

写真:織笠 なゆき

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池袋から西武池袋線で一駅という近さながら、昔ながらの商店街と閑静な住宅街が広がる、豊島区長崎の「椎名町駅」。その駅前に建つお寺が、真言宗豊山派の金剛院佛性寺(以下、金剛院)です。

はじめに目を引くのは、朱塗りの山門。江戸時代、朱塗りの門を作ることが許されていたのは、将軍の姫が嫁いだ藩邸などごく一部の建物だけでした。ですが天明の世(1781〜9年頃)、江戸市中の度重なる大火事から焼け出され避難してきた人々を保護した善行への褒賞として、金剛院は第10代将軍徳川家治から特別に朱塗りの門の建立が許可されたのです。現在では「赤門」という名で親しまれ、豊島区の有形文化財に登録されています。

弘法大師修行像と四国八十八ヶ所お砂踏み参拝所

弘法大師修行像と四国八十八ヶ所お砂踏み参拝所

写真:織笠 なゆき

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境内には、真言宗の開祖である弘法大師の、修行中のお姿の像があり、それを囲むように4本の石柱が立っています。

4本の石柱は、弘法大師が修行の場とした四国八十八ヶ所の霊場を4つに分けて表したものであり、それぞれ「阿波:発心の道場」「土佐:修行の道場」「伊予:菩提の道場」「讃岐:涅槃の道場」の意味を持っています。石柱の下にはそれぞれの霊場の砂が納められていて、「阿波」から順に時計回りに踏みながらお参りすることで、四国八十八ヶ所をお参りしたのと同じご利益があるのだとか。

金剛院は「御府内八十八ヶ所」の第76番目の札所でもあります。お遍路に興味はあるけれど四国までは行けないという方は、金剛院のお砂踏みだけでなく、東京版お遍路とも言える「御府内八十八ヶ所」の巡礼にも取り組んでみてはいかがでしょうか。

創造の縁を結ぶ「マンガ地蔵」

創造の縁を結ぶ「マンガ地蔵」

写真:織笠 なゆき

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前述の弘法大師修行像のかたわらに、平成27年3月、「マンガ地蔵」が建立されました。駅名にもなっている椎名町(現・豊島区南長崎)はかつて、手塚治虫氏、藤子不二雄A氏、藤子・F・不二雄氏、石ノ森章太郎氏、赤塚不二夫氏など、著名な漫画家たちが青春時代を過ごしたトキワ荘というアパートが建っていた町。「マンガ地蔵」は、そのトキワ荘があった方角を向いています。

光背はカブラペン、右手には錫杖の代わりにGペンを持ち、衣の柄はマンガのコマ。厳かな佇まいの中に、いくつものマンガのモチーフが詰め込まれている造形なんです。

大正後期からこのあたりの地域が、画家や詩人などが暮らすアトリエ村が点在する「池袋モンパルナス」と呼ばれていたことも踏まえ、マンガ制作だけでなく、クリエイティブな仕事や芸術文化の趣味全般に創造のご利益を授けてくださるお地蔵さまとして、人気を集めています。

金剛院の御朱印とマンガ地蔵の限定御朱印

金剛院の御朱印とマンガ地蔵の限定御朱印

写真:織笠 なゆき

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金剛院では、通常の御朱印(写真右)の他に、マンガ地蔵の御朱印(写真左)を平成29年3月より頒布しています。書置きのみで、縦20cm×横15cmと大きめのサイズなので、持ち歩き・保管にはご注意ください。限定500枚で、その後の継続は未定だそうです。興味のある方はお早めに。

そもそもこのマンガ地蔵の御朱印は、「漫画のまち」としての地域おこしの一助になればと頒布を始めたものなのだとか。拝受の際には「トキワ荘ゆかりの地 散策マップ」を一緒にいただけますので、参拝の後はあちこち巡って街の雰囲気を楽しみましょう。

金剛院の御朱印とマンガ地蔵の限定御朱印

写真:織笠 なゆき

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御朱印をお待ちしている間に、「一字写経」をさせていただけます。「般若心経」から好きな一文字を選んで書き、納経。たくさんの漢字の中からその時心に留まった字が何なのか…。自分を見つめ直すきっかけになるかもしれません。筆や筆ペンが苦手という方は、ボールペンも選べますのでご心配なく。

くつろげるお寺カフェ「赤門テラス なゆた」

くつろげるお寺カフェ「赤門テラス なゆた」

写真:織笠 なゆき

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金剛院には、境内の一角にカフェが併設されています。ガラス張りの明るい店内では、おいしいスイーツや、安全な食材を用いたヘルシーな料理を提供しています。

店名の「なゆた」は、とても大きな数を表す「那由他」から。身の回りのたくさんの「ありがとう」や「おかげさま」に気づくことは、仏様の教えでもあります。そんな優しい気持ちが行き交うような、幅広い世代の人々のご縁を結ぶ場に、との願いが込められているそうです。

くつろげるお寺カフェ「赤門テラス なゆた」

写真:織笠 なゆき

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天気が良ければ、テラスでいただくことも。四季の花々や境内のお地蔵さま、石碑などを眺めながら、ゆったりした時間を過ごすことができます。

カフェでは、ミニコンサートなどのイベントも行われていますので、スタッフブログでチェックしてみてくださいね。

マンガ地蔵の立つ金剛院は、開かれたお寺

金剛院ではお寺カフェだけでなく、寺ヨガや各種ワークショップなど、豊富なイベントが毎日のように行われています。お寺にはあまりなじみがないという方も多いと思いますが、お仕事帰りの時間帯に行けるものもありますので、もし興味のあるイベントがあれば、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

「マンガ地蔵」は創造の力を授けてくれるお地蔵さまですが、イベントに参加したり、新しい出会いがあったり、椎名町駅周辺の散策を楽しんだりすること自体にも、創造のきっかけが見つかることがあるかもしれません。ぜひご縁を探しにおでかけください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/04 訪問

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