メグスリノキのお茶をどうぞ!富山県・日石寺は賑わう名刹

メグスリノキのお茶をどうぞ!富山県・日石寺は賑わう名刹

更新日:2017/04/03 18:51

八岳木 流泉のプロフィール写真 八岳木 流泉 温泉ライター
富山県東部の中新川(なかにいかわ)郡は、有名な山岳地帯、立山などを擁する大きな町です。その地にあって、山あいの名刹「日石(にっせき)寺」は参拝客で絶えない名所。巨大な磨崖仏に三重塔に、無料でふるまわれる薬膳茶にと、その魅力は尽きません。

山深い地には人がたくさん

山深い地には人がたくさん

写真:八岳木 流泉

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真言密教の教えにならう、大岩山日石寺。中新川郡の上市町にあり、市街地から山へと数キロ入った場所に鎮座しています。その静かな環境からは、ある種の寂しさを感じますが、日石寺へ近づくにつれ、激しい賑わいに驚かされます。

大岩のお不動さん

大岩のお不動さん

写真:八岳木 流泉

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日石寺は神亀2(725)年、行基によって創建されたと伝わる由緒正しいお寺です。立山を仰ぐ立地が手伝い、古くから山岳信仰の対象として崇められてきました。

本尊は不動明王。特徴的なのは、仏像として存在しているのではなく、大岩を掘った磨崖仏(まがいぶつ)であるという点です。そのため、古く「大岩のお不動さん」として親しまれてきました。

日石寺へ車でアクセスする場合は、北陸自動車道「滑川」インター、あるいは「立山」インターで降りると良いでしょう。

公共交通機関の場合は、富山地方鉄道「上市」駅からバスが出ています。

大岩のお不動さん

写真:八岳木 流泉

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不動明王の磨崖仏が鎮座するのは本堂です。本堂の入り口には護摩祈祷の案内が立っていますので、迷うことはないでしょう。

本堂は、誰でも自由に拝観できます。ただし、内部は電灯を絞り気味にしていますので、足元に注意が必要です。

大岩を彫って造られた不動明王は、高さ3.13メートルもあります。不動明王のわきに阿弥陀如来等も彫ってあり、その迫力とスケールは息をのむほど。室町時代の兵火や近代の火災など、たびたび猛火に襲われた日石寺ですが、磨崖仏だけは無傷で過ごされました。

順路に沿って歩いてゆくと、磨崖仏の足元まで来ることができます。ロウソクの灯がユラユラと揺れ、見上げた不動明王の荘厳さ。心の中まですべて見透かされているようで、時が止まります。

なお、本堂内と不動明王は撮影厳禁。この迫力とパワーを知るには、実際に旅するほかありません!

未完の三重塔

未完の三重塔

写真:八岳木 流泉

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本堂の裏手にある高台には、町の有形文化財に指定された三重塔があります。江戸時代の弘化2(1845)年に創建された塔ですが、当時は財政面の余裕がなく、塔を囲む塀や柵を造れませんでした。それが現世まで続いており、塔はむき出しのまま。いわば未完の塔であるわけです。そんな歴史の背景を知ってから訪ねてみるのも楽しいですね。

もちろん御朱印も

もちろん御朱印も

写真:八岳木 流泉

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もちろん、社務所で御朱印もいただけます。土産物をはじめ、お札やお守りも多種類揃っていますので、一度立ち寄ってみると良さそうです。

目に由緒のある日石寺

目に由緒のある日石寺

写真:八岳木 流泉

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日石寺の境内には、「藤水」という湧水があります。この水はホウ酸を多く含んでおり、古くから眼病治癒の水として評判を得てきました。

そんな日石寺において、境内にはメグスリノキが生えています。祈祷日には、大鍋でメグスリノキを煎じたお茶を入れ、無料で飲ませてくれるのです。

目に由緒のある日石寺

写真:八岳木 流泉

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メグスリノキのお茶は、ほうじ茶のような色をしています。味にクセは全くなく、どこか爽やかな風味さえ感じます。

不動明王の足元で煩悩を祓い、メグスリノキのお茶で目にも効能!実際に旅をしなければ味わえない、日石寺の魅力です!

日石寺はいつでも明るく

全国的には決して有名でない日石寺。冬ともなれば雪深い地ですが、周年変わらず開かれています。とにかくスゴイのは不動明王の磨崖仏。こちらを参拝するだけで、富山の山あいまで行く価値があります。車の運転や長旅で疲れたのなら、メグスリノキのお茶。日石寺でのみ味わえる心身への効能を、試してみたいと思いませんか!?

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