紅葉もおすすめ!京都のパワースポット、三千院の見どころは?

紅葉もおすすめ!京都のパワースポット、三千院の見どころは?

更新日:2021/09/06 14:46

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
恋に疲れた一人旅の女性。訪ねたのは「京都・大原・三千院」。『女ひとり』の歌でも知られる三千院は、心安らぐ聖地として古くから都人(みやこびと)たちに愛されてきました。旅人の胸に深く沁み入る美しい庭園や伽藍、悟りの世界が感じられる穏やかな表情の仏像。秋の紅葉も美しく、桜やアジサイ、雪景色など、四季それぞれに日本らしい風情が感じられます。三千院門跡とも呼ばれる京都・三千院。その見どころをご紹介します。

京都大原・三千院へのアクセスは?

京都大原・三千院へのアクセスは?

提供元:京都フリー写真素材

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京都の隠れ里で知られる大原。のどかな山里は日本の原風景が広がり、都会の喧騒から離れて、心静かなひとときを過ごすことができます。

三千院へのアクセスは、JR京都駅や地下鉄国際会館駅、京阪出町柳駅、阪急四条駅などから京都バスを利用すると便利。大原バス停を降り、お土産店が並ぶ坂道を10分ほど登ると、三千院の玄関口となる御殿門(ごてんもん)が見えてきます。城廓や城門を思わせる美しい風格。

※三千院には専用駐車場はなく、紅葉時期など行楽シーズンはたいへん混雑するので、公共交通機関(電車+バス)のご利用をおすすめします。

京都大原・三千院へのアクセスは?

写真:沢木 慎太郎

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三千院は、皇子・皇族が住職を勤めてきた天台宗の門跡寺院。「三千院門跡(さんぜんいんもんぜき)」と呼ばれるのはこのためで、「天台宗・五ケ室門跡寺院」のうちのひとつ。

拝観受け付けを済ますと、客殿へ。三千院の見どころは、2つの美しい庭園。その一つが客殿の前に広がる「聚碧園(しゅうへきえん)」。混雑している時は、ご覧の回廊からも眺めてみましょう。写真の左隅に写っているのが客殿です。

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こちらは客殿から眺めた「聚碧園」。江戸時代の茶人、金森宗和(かなもりそうわ)による修築と伝えられています。

せせらぎの心地よい響き。庭の隅にある老木「涙の桜」も風情があります。紅葉や雪景色など、四季折々に独自の味わいを見せる名庭は、心が洗われる風景。客殿の縁側に座り、いつまでも眺めていたくなります。

五感に響く日本の美しさ

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写真:沢木 慎太郎

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続いては、宸殿(しんでん)へ。2つ目の名園「有清園(ゆうせいえん)」が目の前に広がります。山桜やシャクナゲ、新緑、紅葉、雪景色など、春夏秋冬それぞれの季節の美しさが五感に響きます。

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有清園にたたずむ「往生極楽院(おうじょうごくらくいん)」は、最大の見どころの一つ。飾ることのない、素直な心を映したような簡素で美しい建物は、重要文化財に指定。お堂内には、慈悲深い阿弥陀三尊像の美しいお姿があり、国宝に指定されています。

三千院のご本尊さまは、伝教大師(最澄)作と伝わる「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」さま(秘仏)。薬師如来さまは、病気平癒のご利益があり、現世に生きる人々を導き、苦しみから救ってくれる仏様として信仰されています。

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宸殿では、往生極楽院を正面から拝観することができます。天に向かって、まっすぐ立ち並ぶ杉木立。緑のさざ波のように広がる苔庭は、木漏れ日に照らされて色合いを深め、時が過ぎるも忘れて見入ってしまいます。透き通るような秋のきらめきも美しい。

わらべ地蔵さまに癒される!

わらべ地蔵さまに癒される!

写真:沢木 慎太郎

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宸殿から有清園へと降り、往生極楽院のまわりを散策していると、山の斜面や自然の地形など、ありのままの姿を上手に庭園に取り入れていることがわかります。
「細波の滝」の流れが池泉にそそぎ、心地よい水音は有清園の生命の源となって、杉木立の合間に響きます。瑞々しい自然のなかに、往生極楽院を中心に伽藍が点在。その美しい姿は、緑の苔の大海原を行く船団のよう。

わらべ地蔵さまに癒される!

写真:沢木 慎太郎

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庭園を散策するなら、小さなお地蔵さまたちにも癒されてください。こちらは、“わらべ地蔵”と名づけられたお地蔵さま。石彫刻家、杉村孝氏の作品です。往生極楽院を過ぎた、弁天池のほとりにひっそりたたずんでいます。幸せそうに微笑むお顔に、こちらまでほっこり。

わらべ地蔵さまに癒される!

写真:沢木 慎太郎

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わらべ地蔵さまには、仲良く二人で寄り添ったり、首をかしげていたり、足をバタつかせて駄々をこねているような可愛い仕草のお地蔵さまも。人間味あふれるお地蔵さまは優しさと可愛さにあふれ、この世でもう会えなくなった人への想いや、逢いたい人への愛など、見る人の心にさまざまな感情を呼び起こします。

紅葉の見ごろは11月中旬〜下旬

紅葉の見ごろは11月中旬〜下旬

写真:沢木 慎太郎

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こちらは、弁財天さま。往生極楽院を過ぎ、金色不動堂に向かう参道脇に、ひっそりと微笑んでいらっしゃいます。秋の美しさに、手にした琵琶がひとりでに鳴り出しそう。

紅葉の見ごろは11月中旬〜下旬

写真:沢木 慎太郎

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京都・大原は、実は仏教音楽「声明(しょうみょう)」発祥の地。声明の道場「魚山(ぎょざん)」が開かれ、天台声明が伝承されてきました。
魚山とは、中国にある山の名前。世界の創造主・宇宙の根源とされる古代インドの守護神、梵天(ぼんてん)の声を聴いて、「声明」を作ったとされる伝説の場所です。大原は、多くの歌にも詠まれてきた聖地。秋はひときわ美しい。

※紅葉の見ごろ・時期は例年11月中旬〜下旬ごろ

紅葉の見ごろは11月中旬〜下旬

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ところで、三千院の歴史は古く、創建は8世紀。最澄が比叡山延暦寺を開いた時に建てた円融房に起源を持ち、その後、比叡山のふもとの坂本などに移転。1871年(明治4年)に現在地に移り、悠久の歴史をつないでいます。

京都旅行の楽しい想い出に

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写真:沢木 慎太郎

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写真は、弁財天池(背後は往生極楽院)。静かな水面に雲が音もなく入り込むように、自分の自然な姿が映し出されそう。京都市内の観光地から離れた場所にある大原は、貴族や修行者の隠棲(いんせい)地としても知られ、自然の美しさと静けさが染みわたる場所。澄んだ山里の空気のなかに、清らかで静かな風景が広がります。日々の暮らしの中で、そっと心を休めたい時や、のんびりしたい時に訪れてはいかがでしょうか?

京都旅行の楽しい想い出に

写真:沢木 慎太郎

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三千院と、寂光院(じゃっこういん)を結ぶ参道には、たくさんのお土産店が並び、とてもにぎやか。古民家風の店で京野菜ランチや湯豆腐ランチを食べることができ、おしゃれなカフェや茶屋もたくさん。「大原女(おおはらめ)」の姿をした可愛い売り子さんにも出会うことも。三千院だけでなく、周辺の散策もぜひ楽しんでください。

京都旅行の楽しい想い出に

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美しい庭園や伽藍、国宝の仏像など、見どころが多い三千院。紅葉だけでなく、桜やシャクナゲ、新緑、アジサイ、雪景色も情緒が漂い、一年を通して何度も訪ねてみたくなります。
薬師如来や阿弥陀三尊、金色不動尊などの御朱印も人気。法話聴聞や写経体験もできるので、日本の美しい精神風土に触れ、京都旅行の楽しい想い出をつくってはいかがでしょうか?

なお、京都のおすすめのパワースポットや恋愛成就の神社、観光名所などもまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに張り付けたリンクからご覧ください。

天台宗 京都大原 三千院門跡の基本情報

住所:京都府京都市左京区大原来迎院町540
電話番号:075-744-2531
アクセス:
JR京都駅から京都バス17系統、阪急四条駅・地下鉄国際会館駅から京都バス19系統、京阪出町柳駅から京都バス19・17系統で大原バス停下車徒歩約10分
(※車の場合は、近隣の駐車場利用)
拝観時間:9:00〜17:00(11月 8:30〜17:00、12月〜2月 9:00〜16:30)
拝観料金:一般700円(団体30名以上600円)、中学生・高校生400円(団体30名以上300円)、小学生150円
休館日:無休

2021年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/24 訪問

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