毎年、3月上旬から5月中旬の数週間しか開園されないキューケンホフ公園。北海に面したリッセの郊外にあり、オランダが誇るこの一大イベントには、世界中から100万人もの見学者が訪れています。
緑豊かな自然の中で様々な種類の花が咲き誇る春は、オランダにとって最も美しく輝く季節。約32ヘクタール(東京ドーム8個分)の広大な面積を誇るキューケンホフ公園には、チューリップをはじめ、水仙やヒヤシンス、アイリス等、様々な種類の球根がなんと約700万個以上植えられています!
キューケンホフ公園の敷地内は、チューリップ畑といった感じではなく、気品に溢れた大庭園といった印象。隅々まで手入れの行き届いた園内には、大きな木々が生い茂り、縦横無尽に流れる大小の川には、美しい白鳥がゆったり佇んでいます。
時間が止まったような静寂さに包まれて、一日のんびり散歩するのに良い場所です。
キューケンホフとは、オランダ語で「キッチン・ガーデン(台所公園)」という意味。もともと15世紀頃は狩猟場だった場所ですが、その一画で栽培された野菜やハーブが伯爵婦人の居城に供され、料理に使われていたことに由来しています。
その後、富豪の商人、東インド会社の提督、貴族等に所有者が変わりますが、庭園はその間に徐々に整備されていきました。
現在のように一般開園されるようになったのは、1949年、当時のリッセ市長の提案によって、広くヨーロッパ全域の造園家を招いて屋外球根展示会が開かれたことがきかっけです。そのときプロの造園家による園芸種の球根のコンペが開催され、オランダの球根栽培を発展させました。
そんなキューケンホフ公園に贅沢に植えられたチューリップをはじめとする花々は、どれを見ても、目も眩むような輝きと色鮮やかな豪華さで溢れています!
オランダの球根栽培の歴史は400年前にも遡るそうですが、さすが生産高世界一を誇るだけあって、園内に植えられた花々の数には圧倒されるようなスケールの大きさを感じます。
園内はいくつかの区画に分かれていて、場所ごとに庭のデザインやスタイルが変わります。
日本庭園では、石でアレンジされた和風の水辺に、吉野桜と華やかなチューリップが植えられ、この斬新な組み合わせが上手く調和。和洋折衷でありながら、洗練された「わびの世界」を見事に表現しています。
また、小道を歩いていると、突然、可愛らしいミッフィーの家が現れたりして、絵本から飛び出したようなメルヘンの世界に出会えたりします。
園内は広いので、全部を歩いて見て回るのは大変ですが、色とりどりの花々の競演は園内のどこまでも続き、ずっと見飽きることはありません。
キューケンホフ公園は3月の下旬から開園していますが、花々が満開になる一番の見ごろは4月下旬から5月の上旬くらい。緯度の高いオランダでは、日照も長くなるので夕方の閉演時間まで十分楽しめます。
園内には、球根の花々だけでなく蘭や薔薇などが展示されたパビリオンやカフェ、チーズなどの特産品や花の種を売る店などが17店舗ほどあります。
でも、やはり土産物店で人気なのは、ミッフィーグッズ・ショップ。ミッフィーの描かれた可愛い小屋の中は、大人も子供も見るだけで楽しめます!
他にも、酪農大国としても有名なオランダの特産品の一つチーズの売店もあり、グルメな観光客のお土産に人気です。大きなチーズを丸ごと買うのは大変ですが、小さな片を何種類か買って、ワインのおつまみにいかがでしょうか?
また、オランダの名物と言えば、ノスタルジックな風車。公園の東の隅には、広大なチューリップ畑を背景に可愛らしい風車が建てられています。内部も見学できて、風車の上からは周囲の美しい田園風景も見渡せます。
北海に面したリッセ周辺は「砂丘と球根の地域」と呼ばれ、球根栽培に大変適しています。そのため、キューケンホフ公園の周囲にも広大なチューリップ畑が広がっていますが、球根を育てるための私有地なので、勝手に立ち入ることはできません。
そのかわり、風車のある裏手から田園の運河めぐるボートツアーが出ているので、田園に広がる美しいチューリップの絨毯を見渡したい方は乗船がお勧め。所要時間は45分です。
また、レンタル自転車でチューリップ畑の周囲をサイクリングもできるので、時間のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
キューケンホフ公園には、オランダの主要都市から日帰りが可能です。デン・ハーグやライデン、スキポール空港等からは直通のバスで行けるほか、アムステルダムやロッテルダムからも観光バスが多く出ているので、これを利用するのが便利です。
また開園期間中は、入場券売り場の混雑も予想されます。入場券はホームページから事前に購入するか、もしくは主要都市のバスチケット売り場や観光案内所等で、バス往復チケットと入場券がセットになった「キューケンホフ・コンビチケット」の購入が良いでしょう。
公園の横には広い一般駐車場もあるので、自動車で行くことも可能です。
2017年の開園期間は、3月23日から5月21日まで。
開園時間屋入場料は公式サイトや観光案内所などでご確認下さい。
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