写真:八岳木 流泉
地図を見る瀬見温泉は、十軒に満たない宿が点在する静かな温泉地です。国道47号線から、小国川を渡った場所にあり、喧噪からは乖離された別天地と言えます。また、古くから“新庄の奥座敷”と称され、その落ち着きには定評があります。
車でアクセスする際は、東北自動車道「古川」インターを利用し国道経由で向かうなどの方法があります。また、公共交通機関の場合は、山形新幹線「新庄」駅からJR陸羽東線に乗り、「瀬見温泉」駅下車。徒歩約7分で温泉郷へ到着します。
写真:八岳木 流泉
地図を見る瀬見温泉は、武蔵坊弁慶によって発見されたと伝承されています。
800年以上前、源義経一行が平泉を目指した際、義経の妻がこの地で産気づきます。弁慶は産湯を探しに川面へ下り、なぎなた「せみ王丸」で岩を一突き。するとそこから源泉が湧き出てきたとの逸話です。瀬見温泉の名前の由来も、弁慶のなぎなた、せみ王丸にちなんでいると言われています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る小国川を渡る立地上、温泉郷には複数の橋が架かっています。弁慶大橋や瀬見大橋などがありますが、目を見張るのは「義経大橋」でしょう。
橋の欄干には源義経像が建ち、横笛を吹いています。ここは有名なシャッターポイントですので、記念撮影を忘れずに。
写真:八岳木 流泉
地図を見る義経大橋の近くには、「弁慶の投げ松」があります。これは義経の子、亀若丸の誕生を祝い、弁慶が投げたとされるものです。立派に根付き、力強く生えており、パワースポットとしても知られています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る瀬見温泉は湯治場の風情を漂わせる温泉です。歓楽街などはほぼなく、純粋に温泉を楽しむ土壌ですね。外来入浴を受け付ける宿もありますが、ここで気軽な入浴とするならば共同浴場がおススメです。
瀬見温泉には、近年リニューアルした「せみの湯」があります。共同浴場と考えれば良いですが、日帰り施設としての立ち位置です。せみの湯には、「なごみの湯」という内湯と、「薬研湯」なる露天風呂がありますが、入るべきは「ふかし湯」です。
東北地方では散見されるふかし湯ですが、瀬見温泉のふかし湯もそれらと同じです。湯船などの浴槽はなく、板で張られた暖かい部屋が浴室。浴衣を着たり、バスタオルを巻いたりして入ります。
板の床には穴が開いており、そこから源泉蒸気が出る仕組み。穴に手拭いをかぶせ、腰や膝など、気になる患部にあてます。まさに究極の局所温泉療法と言えますね。
写真:八岳木 流泉
地図を見る温泉街には、「湯前(ゆのまえ)神社」があります。コンパクトな境内には、足湯と飲泉場が用意されており、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉の源泉を味わうことができます。
ここに湧いている源泉は、亀若丸の産湯に使われたものと同様と伝わっています。義経・弁慶の時代から繋がる温泉に触れる。まさに時空を越えたロマンの世界ですね。
瀬見温泉は、温泉街を通して実に静かな場所です。小国川のほとりに立ってもその様子は変わらず。せせらぎが強く響くばかり。ふかし湯を満喫しながら、義経一行の時代に溶け込んでみる。毎年9月1日には、義経を偲ぶ供養祭も執り行われるなど、今でも町の人は義経を大切に思うようですね。
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(2024/3/18更新)
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