写真:八岳木 流泉
地図を見る穂高温泉郷への入り口に鎮座しているのは、地域の総鎮守「穂高神社」です。
穂高神社の歴史は古く、古代の氏族である安曇氏が創建したと伝承されています。社は3か所あり、温泉郷入り口にある社が「里宮」。上高地に「奥宮」があり、遠く奥穂高岳の山頂に「嶺宮」があります。それら3か所を総じて「穂高神社」と呼ぶのです。毎年9月に開かれる例大祭は、県指定の無形民俗文化財であり、それは大いに盛り上がります。
穂高神社から、山へ数キロ進んでいくと、穂高温泉郷が見えてきます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る穂高温泉は県道25号線沿いに長く広がる温泉地です。昭和中期に温泉郷として開かれましたが、「穂高」の自家源泉は無く、少し離れた中房源泉や有明源泉から引湯しています。現在は、大小合わせて40余軒の宿泊施設が点在し、外来入浴を受け付ける宿も多いです。
なかでもおススメするのは和風旅館の「常念坊(じょうねんぼう)」。シックな館内と男女別の内湯と露天が、実に良い味わいを出しています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る常念坊の裏手から視線を真っ直ぐ山に移すと、北アルプスの一角であり、百名山にも数えられる「常念岳」があります。湯客の中には登山者も多く、温泉で憩うわけです。
穂高温泉及び常念坊へ車でアクセスする際は、長野自動車道「安曇野」インターから県道経由。電車の場合はJR大糸線「穂高」駅から徒歩やタクシーで向かいます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る常念坊には、男女別の内湯と露天風呂があります。泉質は有明温泉から引いたアルカリ性単純泉で、無色透明のサッパリした入り心地です。
内湯は石造りで2槽に分かれています。循環での利用ですが、源泉が注がれて、温まり方もナカナカのものです。少し暗めに思われますが、そこも常念坊の内湯の魅力ですね。
写真:八岳木 流泉
地図を見る露天風呂も石造りです。小さめの規模ですが、それが落ち着く雰囲気を醸成しています。眺めは決して利きませんが、中庭が見えて風は爽やか。まさに穂高の自然を独り占めしている感覚です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る露天からは中庭とともに、鬱蒼と茂る木々が見えています。夏には濃緑、冬には積雪。四季折々の風景を楽しめるのも、露天風呂の醍醐味ですね。
常念坊の外来入浴は、午前10時から午後8時まで。大人500円、子ども300円、幼児100円です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る宿の裏手からには、山へ向かって真っすぐ延びる道があります。針葉樹に囲まれながら、青い空が綺麗に澄んでいます。
この道の先には、常念岳がそびえていますが、常念岳の向こう側には、穂高神社の嶺宮を持つ奥穂高岳が峻嶮に待っています。参拝後、透明な良泉に入って、遠い嶺宮を拝んでみる。穂高では、そんな大人の旅路が良さそうです。
夏は登山、冬はスノースポーツと、安曇野は周年賑わっています。穂高温泉にも多くの湯客が訪れますが、意外や静かな湯の里なのです。そこで荘厳な神社に参り、露天でゆっくり温まる。シンと静かな針葉樹の並木道からは、今日も優しい山おろしが吹いてきます。
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(2024/3/29更新)
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