海峡ドラマシップは、関門海峡の歴史を紐解く「海峡ドラマ館」として、2003年(平成15年)にオープンした屋内型の観光施設で、真横には関門海峡が広がっており、潮流の潮騒が聞こえてきます。
外見は少し複雑な形をしており、レトロチックな建物と近代的な建物がくっついた感じに見えます。有料の駐車場が隣接しており、また臨時の駐車場もたくさんありますので、車での来館が十分可能です。
レトロチックな建物の入り口から入ると、再現された古い街並みが広がっています。真っ直ぐ進む通りは「海峡レトロ通り」と呼ばれ、大正時代の門司港の街並みを再現したものです。
この建物の中は2階建てになっており、グッズショップ、土産屋、一銭食堂などがあります。
「海峡レトロ通り」の街並みは、表面上のものではありますが、一部の建物は隣の館に通じる通路になっており、また一部は実際に食堂として、別の一部は土産屋として使われています。
通りをドラマ的に作っているので、所々に人形が置かれ、当時を再現する会話などがスピーカーから流れています。特に入り口を入ってすぐ猫の鳴き声がするので、思わず猫の姿を探してしまいそうになります。他に期間限定の催事が、有料もしくは無料で行われています。
館内中央に展示されている路面電車は、九州電気軌道が1911年(明治44年)に開業した際に新造された1形と呼ばれる車両ですが、現存しているものは長崎電気軌道に譲渡され、現在も使用されている1両のみで、残念ながら北九州市には当時の保存車両はありません。
この車両は前部分の複製となっています。
路面電車内には自由に入ることができ、当時の客室内や運転台を見学できます。入るとすぐに運転台がありますが、出入り口の扉がない上に、運転台が非常に簡素にできていることから、当時のオープンさが現代と比較にならないものだと感じるでしょう。
2階に上ると何とも言えない細い路地になっています。当時の門司港栄町の復元で、「さかえ小路」と呼ばれています。床屋、レストラン、たばこ屋、居酒屋などが立ち並んでいます。居酒屋の中から会話が聞こえてくると、何か不思議な気持ちになります。
何とも言えないレトロなレストラン。今ではお目にかかることができない外観に、カタカナの店名が右から表記されているところがいいですね。
他の床屋や居酒屋と同様に、思わず取っ手に手をかけて、扉を開けようとする来館者がいらっしゃいますが、あくまで通りを再現しているので、残念ながら扉は開きません。しかし古い通りを歩いているだけで、時間がゆっくり流れている気分になれます。
レトロ館内は吹き抜け状態になっていますので、2階部分から「海峡レトロ通り」全体を眺めることができます。天井は空をイメージしており、1階、2階と巡っているうちに、最初は分かりませんが、しだいに館内の照明に変化が出てきます。
天井を見上げると、青かった空がやや黄色くなり、次第に赤く染まってき、やがて暗くなって小さな光がいくつも見えてきます。
この街並みは、館内全体の照明を変化させることによって、朝、昼、夕方、夜をゆっくり繰り返しているのです。
昼間を表現している館内は映画のセットのような感じに見えます。
大正時代の服装をして歩いている人がいれば、まさにここはレトロタウンです。
夜間を表現している館内は結構暗く、天井に映し出された夜空と星が何とも言えません。現代の繁華街の明るさと比較しても、当時の明かりの少なさを改めて実感できます。朝、昼、夜と変わっていくのには少し時間がかかります。
入館するタイミングにもよりますが、1階を見学し2階を回っている間に、館内の明るさが変わっていたりするので、ついつい明るくなるのを待ってみたり、暗くなるのを待ってみたりしてしまうでしょう。その明暗の変化していく様子を「海峡レトロ通り」で存分に楽しんでみましょう。
海峡側の建物に移ると、有料施設となっており、5階建ての建物中央が吹き抜けで、2階から4階までスロープで登っていくようになっています。吹き抜け中心部には円形状可動式スクリーンがあり、関門海峡の歴史をアニメで上映されています。また3階部分の「海峡歴史回廊」では、海峡の歴史を人形によって歴史絵巻のように仕上げられています。
3階までは撮影禁止ですが、4階の展示室は歴史からは外れ、海上保安庁の巡視船の説明や、関門海峡の船舶航行シュミレーター体験などができ子供にも大人気です。
最上階はレストランと屋外展望台になっており、屋外展望台からの眺望は、関門海峡を180度見渡すことができます。
関門海峡は1日に数百隻の船の往来がありますが、運が良ければ豪華客船が航行する姿が見れたり、さらに運が良ければ、海上自衛隊の潜水艦が浮上航行している姿が見れるかもしれません。
古い歴史を持つ関門海峡。現在まで数々の歴史を作ってきました。その歴史をロマンチックに紹介する場所が、この「海峡ドラマシップ」です。
ここで知り得た歴史を胸に、目の前に広がる関門海峡を見ながら、心の中でオリジナルの歴史ロマンを作ってみてはいかがでしょう。
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(2024/4/24更新)
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