サン・ペドロ要塞とは、フィリピン中部にあるセブ島のセブシティに建設された、スペイン統治時代の要塞です。元々は1565年からスペイン人のレガスピが建造した木製の要塞でしたが、1738年までにイスラム勢力からの攻撃に耐えうるよう現在の石造りの要塞になりました。同要塞は三角形の形をしており、2面が海に面し、1面が陸に面した形をしており、14つの大砲が備え付けられ、今も当時の姿を留めています。
現在のサン・ペドロ要塞は、埋め立てにより海岸線から遠い位置になっています。またサン・ペドロ要塞の内部は歴史の語り部としてだけではなく、近年では緑豊かなデートスポットとして脚光を浴びています。また埋め立てられた要塞周辺は公園となり、多くの市民の憩いの場となっています。
セブ島では、キリスト教のカトリック信者が多く、特にママ・メリー（聖母マリア）はセブっ子が大好きな聖母様です。砦への入場料を支払って右に曲がって少し歩くと、小さな横道がありますが、そこに優しい笑顔を湛えつつ静かに佇んでおられます。つい見落としてしまいそうになりますが、探してみて下さいね。
コインを投げ込むと、願いを叶えてくれるという魔法の井戸「Wishing Well」。先ほどのママ・メリーの隣にありますので、お願いごとがある方はママ・メリーへの祈りと共に、この井戸にコインを投げ込んでみましょう！願いの成就率がアップするかもしれませんよ。
先ほどのママ・メリーの小道から戻ると、小さな白い建物があります。その中は小さな資料館になっており、スペイン人・マゼランとセブの英雄・ラプラプの戦いの様子、マゼランが王女に贈った「サントニーニョ（幼いキリスト）像」からキリスト教が広まった様子などが絵となって展示されています。英語での無料ガイドサービスもありますので、セブ島の歴史やキリスト教伝来の様子を学ぶことも出来ます。
また、戦いの際に着用した古い服や旗なども、写真左のガラスケースに展示されています。歴史ファンは必見ですね！
先ほどの展示室から緩やかに登るスロープを抜けると、いよいよ砲台のある階（屋上）に辿り着きます。現存する砲台はきちんと保存されており、往時の姿を彷彿とさせてくれます。砦の中は緑豊かな中庭となっており、砲台のある砦部分は、砦をぐるりと１周出来る設計になっています。
砦の隅毎にこのような見張台があります。当時は武器を置く場所として、また見張り役の詰所となっていたようです。内部も以外と広く、畳２畳分ほどはありそうでした。ここで兵士達が交代して詰め、敵からの攻撃に備えていたのでしょうね。ちなみに現在は格子がはめられて、内部に立ち入ることが出来なくなっています。
敵を寄せ付けない堅牢な要塞は、今もなおスペイン風の石畳の道と共に、静かにフィリピンの攻防の歴史を語り掛けてきます。この要塞の風景を見ていると、甲冑を着たスペイン兵が今にも出てきそうな錯覚を覚えます。
勇ましい歴史を持つサン・ペドロ要塞ですが、今では緑豊かなデートスポットとして生まれ変わっています。異国情緒漂うスペインの石畳や石造りの砦、綺麗に整備された花と緑の中庭や屋上は、やはりデートスポットにはピッタリです。
写真は屋上の砲台がある遊歩道です。道幅も広く、木陰やベンチも多いので、カップルが多い理由も分かります。また夜になると砦のあちこちに設置された街燈に灯が灯り、更にロマンチックな雰囲気になるそうです。有料の施設ですから、危ない人も入ってこないので安心ですね。
これは１階の中庭に面した休憩所エリアです。このベンチに座ると、夜には街燈だけではなく、ライトアップされた木々や、写真右上にも帆船のイルミネーションがあるように様々なイルミネーションを見ることが出来ます。素敵ですね！
如何でしたでしょうか？ セブ島には海だけではない、歴史や文化に彩られた様々な魅力があります。日本から成田や羽田、関空からも直行便が出ていますし、LCCも多く飛んでいます。安い時期ならば２万円ほどで行ける近場のリゾート地・セブ島。ちょっと変わった遺跡デートで、愛する人と素敵な時間を過ごしてみては如何でしょう？
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(2024/4/27更新)
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