緑の中、厳粛な空気に包まれる 宮崎市「宮崎神宮」

緑の中、厳粛な空気に包まれる 宮崎市「宮崎神宮」

更新日:2017/04/03 17:36

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
宮崎県宮崎市にある宮崎神宮は、初代天皇である神武天皇が祀られた宮崎を代表する神社です。創建時期は定かではありませんが、社殿を造営したという記録が1000年近く前の古い文献にあるため、それ以上の歴史がある神社といえます。緑あふれる清々しい参道の先に見えてくるのは端正な神明造りの社殿で、周囲は厳粛な空気に包まれています。広大な敷地内に歴史的建造物も残る宮崎神宮を紹介します。

参道とその先の拝所が印象的な宮崎神宮

参道とその先の拝所が印象的な宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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宮崎神宮は、JR宮崎神宮駅から徒歩10分、JR宮崎駅から車でおよそ10分、東九州自動車道 宮崎西ICからおよそ15分でアクセスできます。
神社駐車場からの参拝では、三の鳥居近くの参道に出てくるようになりますが、少し遠回りをして二の鳥居をくぐるところから参拝することをおススメします。
二の鳥居から三の鳥居までのおよそ300メートル、照葉樹林が覆う参道の玉砂利を踏む音を聞きながら歩いていると、清々しくそして幻想的な空気に包まれていくような感じがして身の引き締まる厳粛な気持ちになってきます。

参道とその先の拝所が印象的な宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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神門をくぐると真っ直ぐな石畳みが拝所まで延び、突き当たりにあるのが、屋根に千木と鰹木が乗った神明造りの拝所です。
広々とした空間に建ち内部の四方が開放された拝所は、どの方向からも神風が吹いてきそうで心が静まっていくのを感じます。

参道とその先の拝所が印象的な宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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拝所の上部を見上げると立派な額が見えます。そこに書かれているのは宮崎神宮の主祭神「神武天皇」です。そして神武天皇の御父君「鵜葦草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)」と御母君「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」もお祭されていることが分かります。
拝所にこのような立派な神宮額が掲げられているところは、少ないのではないでしょうか。参拝の折にはお見逃しなく。

厳かに佇む幣殿

厳かに佇む幣殿

写真:肥後 球磨門

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一般の参拝者は拝所からの参拝となりますが、お祓いなどの神事で参詣者が幣帛(へいはく)をささげるのが拝所と本殿の間にある幣殿です。
端正な社殿形式の建物で周囲は玉砂利に囲まれています。厳かなたたずまいが見るものを厳粛な雰囲気に導いていきます。

厳かに佇む幣殿

写真:肥後 球磨門

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宮崎神宮で新しい人生の門出を誓い合う二人も。
新郎新婦は祓所(はらえど)で祓い清められたあと、緑で囲まれた参道を幣殿へと向かいます。
宮崎神宮では年間300を超える結婚式が行われているといいます。日本の伝統美に包まれ厳粛な雰囲気の中で執り行われる結婚式を見ることができるかもしれません。
お日柄の良い日に宮崎神宮を参拝して、幸せのお福分けにあずかるのも嬉しいハプニングです。

神社なのに洋館や謎の仁王像がある宮崎神宮

神社なのに洋館や謎の仁王像がある宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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祓所の裏にある神苑に仁王像が立っています。いつ、誰が製作したのか由緒が分からない石造りの仁王像です。神仏習合が行われていた時代、神社を管理するために置かれた寺である「別当寺(べっとうじ)」がここに建っていたのか?宮崎神宮に別当寺があったという記録はないようなので不思議です。
胴長短足の安定感のある立ち姿の像。大きな目の仁王像と睨めっこしながら何故ここに仁王像が?とあれこれ想像力を働かせてみると謎が解けるかもしれませんね。

神社なのに洋館や謎の仁王像がある宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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仁王像の背後に建っているのは、外壁全体が「なまこ壁」という珍しい洋館です。宮崎神宮の社殿群が神明造りなのに、この洋館は?
建物は明治42年に建築された木造二階建ての宮崎神宮徴古館です。宮崎神宮の宝物や書籍を陳列する目的で建てられたもので、国の登録有形文化財になっています。
木立の中にあるモダンな洋館は、仁王像同様「ここは神社のはずでは?」と不思議な世界に誘い込まれそうな存在です。
なお、ここに納められていた宮崎神宮の宝物や書籍は宮崎県総合博物館へ移されています。

見所はまだまだある宮崎神宮

見所はまだまだある宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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宮崎神宮の北端には県総合博物館や埋蔵文化財センターに隣接して、宮崎県内の古民家を移築保存している民家園があり無料で見学できます。民家園には五ヶ瀬町の「旧藤田家住宅」、椎葉村の「椎葉の民家」、西米良村の「米良の民家」、そして高原町の「旧黒木家住宅」が移設され、「旧藤田家住宅」と「旧黒木家住宅」は国の重要文化財に指定されています。

写真は「旧藤田家住宅」で、150年から200年前の古い形式で作られた九州山地中央部に多く見られた民家の一つと伝えられています。
電気もガスも水道もなかった時代の生活ぶりを想像して、今の生活のありがたさを改めて感じてはいかがでしょうか。

見所はまだまだある宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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宮崎神宮西側にあるのが「流鏑馬(やぶさめ)馬場」です。鎌倉武士の装束をまとい馬に乗った武者が、馬を走らせながら弓で的を射る神事が行われる場所です。神事が行なわれるのは4月ですが、およそ220mの馬場に立って的に矢を射る鎌倉武士を想像してみるのも楽しいので、ちょっと時間を取ってこの場所に立ってはいかがでしょうか。

見所はまだまだある宮崎神宮

写真:肥後 球磨門

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二の鳥居の東側に五所稲荷神社があり、連なる赤い鳥居がトンネルを作っています。五所とあるように五つの神社を合祀した神社で農業、商売繁昌、諸業繁栄などのご利益があるので宮崎神宮参拝の折にあわせてお参りしてはいかがでしょうか。

「神武さま」と地元では親しまれる宮崎神宮

宮崎神宮では毎年10月「宮崎神宮御神幸祭」が行なわれます。宮崎神宮から市街地を歴史絵巻のような神幸行列が練り歩く宮崎を代表するお祭で、地元の人から「神武さま」と親しまれている催しです。また飾り付けた馬に花嫁を乗せた「しゃんしゃん馬」も行列の名物となっています。「神武さま」の時期に宮崎神宮を参拝するのもおススメです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/05 訪問

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