陸前高田「気仙大工左官伝承館」で語り部と希望の灯りに会おう

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陸前高田「気仙大工左官伝承館」で語り部と希望の灯りに会おう

陸前高田「気仙大工左官伝承館」で語り部と希望の灯りに会おう

更新日:2017/06/23 19:24

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター

「気仙大工」は日本四大名工とされる優れた建築技術を誇る職人集団。その技術を後世に伝えるために建てられた「気仙大工左官伝承館」には気仙大工と震災を伝える語り部が。そして3.11を乗り越えたその敷地内には1.17を乗り越えた神戸から運ばれた「希望の灯り」が陸前高田の町を見守っています。

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日本四大名工の一つ「気仙大工」とは?

日本四大名工の一つ「気仙大工」とは?

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岩手県南部、気仙地方と呼ばれる陸前高田や大船渡周辺。この気仙地方は三陸のリアス式海岸が象徴するように、山からそのまま海に落ちるような地形が続きます。つまり気仙地方は田畑を作るのに適さず、そして冬は厳しい寒さもあり古来から飢饉と隣り合わせの生活を余儀なくされていました。

そんな中、気仙地方から出稼ぎを中心とした「気仙大工」と呼ばれる優れた技術を誇る匠たちの集団が生まれます。民家から神社仏閣の建築、さらには建具や彫刻までもこなすという多彩な技術力は全国的に見ても評価が高い職人集団だったのです。

日本四大名工の一つ「気仙大工」とは?

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江戸時代から「南行き」と呼ばれる出稼ぎをしていた気仙大工は、明治以降に開通した東北本線により関東や北海道などにその出稼ぎエリアが広がりました。その実績としては関東大震災後の復興や、銀座・歌舞伎座の建築、さらには大阪城天守閣の復元などが挙げられます。

そうした気仙大工の優れた建築技法・技術を後世へ伝えるため建設されましたのが「気仙大工左官伝承館」なのです。

日本四大名工の一つ「気仙大工」とは?

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「気仙大工左官伝承館」は気仙大工の発祥の地とされる陸前高田を見下ろす箱根山にあります。岩手県特産の気仙杉をふんだんに使用し、明治初期の民家をイメージした茅茸の母屋や蔵造りなどの建物が並んでいます。

「気仙大工左官伝承館」の語り部に会おう

「気仙大工左官伝承館」の語り部に会おう

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気仙大工の技術の粋を集めて建てられた、木造平屋建茅葺の母屋。その中に入ると温もりを感じる囲炉裏が訪れる人を待っています。実はこの母屋は、東日本大震災で被災した人たちを受け入れた非公式な避難所でもあったのです。この囲炉裏の火は被災者たちが寄り添って暖を取った場でもあったのです。

「気仙大工左官伝承館」の語り部に会おう

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この高台から陸前高田の町が津波に飲み込まれていく姿を目撃したのは、館長でもあり語り部でもある武蔵裕子さん。自身も震災当日からここで避難生活を送った一人で、その体験から今や震災の語り部として有名になってしまったほど。

そんな武蔵さんからは三陸地方に伝わる言葉、「津波てんでんこ」の重要性を改めて聞くことでしょう。てんでんことは各自、めいめいの意味。大きな地震がきたら、一刻も早くめいめいができるだけ高台へ逃げろ、という意味が込められています。東日本大震災では家族が心配になって家に戻り、津波にさらわれたという人が少なくありません。武蔵さんは言います「生きていれば必ず会えるから、生きることを考えて下さい」と。ぜひ、震災を乗り越えた語り部の味わい深い気仙弁にじっくり耳を傾けて下さい。

気仙大工の技術の高さを感じる母屋。

気仙大工の技術の高さを感じる母屋。

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東日本大震災の震源から近い陸前高田市では、本震で震度6弱の烈震に見舞われました。しかし、この「気仙大工左官伝承館」の母屋は全ての扉が普通に開閉でき、地震のダメージは殆どなく、その後も避難所として機能しました。気仙大工の技術力の高さが奇しくも地震によって改めて証明されたのです。

囲炉裏から見上げれば梁が三本も重なった「三段梁」など、気仙大工の技術の一端を垣間見ることができます。

気仙大工の技術の高さを感じる母屋。

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台所には巨大なカマド神の姿も。各地方によって「カマ神様」「カマ仏」「カマ男」「ひょっとこ」などと呼ばれる火除け、魔除けの神様とされ、気仙地方でも大事にされている神様です。

また、他にも雨戸や欄間細工など気仙大工の技術の高さはいたるところで見ることができます。じっくり見て回りましょう。

気仙大工の技術の高さを感じる母屋。

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1.17→3.11 神戸から託された希望の灯り

1.17→3.11 神戸から託された希望の灯り

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「気仙大工左官伝承館」の敷地内、ちょうど陸前高田の町が見下ろせる広場にあるのは「3.11希望の灯り」です。

ここに灯る火は、阪神淡路大震災で被災した人たちを励まそうと全国47都道府県から集められた種火で神戸市の東遊園地にともされた「1.17希望の灯り」を分灯したもの。

1.17→3.11 神戸から託された希望の灯り

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『震災が奪ったもの
命 仕事 団欒 街並み 思い出

震災が残してくれたもの
やさしさ 思いやり 絆 仲間』
−1.17希望の灯り 碑文より抜粋−

神戸にある「1.17希望の灯り」に託されたメッセージも、この「3.11希望の灯り」に託されています。時と場所は変われど、震災がもたらしたものは全く同じ。改めて地震から逃れることの出来ない日本で暮らす我々にとって、この場所に立てば今一度防災への備えを忘れるなという問いかけをされているかのように思えます。

「気仙大工左官伝承館」その他のみどころ

「気仙大工左官伝承館」その他のみどころ

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一通り伝承館を堪能したのならおすすめしたいのが「縁側セット(税込300円)」です。地元気仙茶の抹茶とゆべしがセットになっています。縁側で外を眺めつつほっこりしながらいただくと最高です。

「気仙大工左官伝承館」その他のみどころ

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また、売店コーナーも充実していますのでぜひチェックを!一通りのお土産が揃っていますが、特に気仙弁のメモが結構面白くて種類もかなり多いのでおすすめ。ユーモラスな絵が描かれておりバラマキお土産にはピッタリ!

「気仙大工左官伝承館」で知るのはその技術だけじゃない。

もともとは気仙大工の技術を後世に伝えるべく建てられたこの「気仙大工左官伝承館」は、今やその役割だけでなく、3.11からの復興をも見守り、防災への呼びかけも担っています。ここで何が起こっていたのか、それを伝える語り部に会いに「気仙大工左官伝承館」を訪ねてみてはいかがでしょうか。拝観料は無料、休館日は水曜日です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/12 訪問

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