オリンピック発祥の地「オリンピア」遺跡と博物館で古代へタイムスリップ

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オリンピック発祥の地「オリンピア」遺跡と博物館で古代へタイムスリップ

オリンピック発祥の地「オリンピア」遺跡と博物館で古代へタイムスリップ

更新日:2017/03/20 18:37

Hiroko Ojiのプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター Hiroko Oji

4年毎に開催されるスポーツの祭典オリンピック、その発祥の地とされるのが、ギリシャ・ペロポネソス半島の西部に位置するオリンピアです。周りを小高い山に囲まれ、もの静かな落ち着いた家並みが続く、小さな田舎町で、その南の町外れに古代遺跡が残されています。この中には、今でもオリンピックの聖火が採火されるヘラ神殿が、様々な遺跡と共に田園風景の中に残っています。また博物館には貴重な発掘品が展示されています。

こぢんまりした田舎町「オリンピア」

写真:Hiroko Oji

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古代オリンピックが開催されたオリンピア遺跡がある町「オリンピア」は、ピルゴスからの列車が到着する、行き止まりの鉄道駅がある小さな田舎町です。ギリシャらしい神殿風の駅舎が出迎えてくれる町は、メインストリートを端から端まで歩いても300メートルほど。観光客を迎えるには、少々肩透かしをくったような印象の落ち着いた町です。民家の間には、花々に交じりオレンジやレモンの木がたくさんの実をつけており、それだけでもなぜか豊かな気持ちにさせてくれる雰囲気が漂います。

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石畳みのメインストリートが町の真ん中をまっすぐに貫き、美味しい家庭的なギリシャ料理を出してくれるレストランや落ち着いた滞在のできるホテル、人の良いおじさんやおばさんが店番をしているお土産物屋さんが並んでおり、古代オリンピア遺跡の門前町と言った趣です。遺跡や博物館以外には、見所らしいものはないのですが、物静かな居心地よい空気が流れています。

古代オリンピック発祥の「オリンピア遺跡」

写真:Hiroko Oji

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メインストリートのプラクシテルス・コンディリ通りから南に向かい、クラデオス川を渡った10分ほどの所にあるのがオリンピア遺跡です。

ゼウスに捧げるための祭典から始まった古代オリンピックを伝える地として知られ、山間の聖地であり、松やオリーブの緑豊かで穏やかな長閑な田園風景に包まれた古代遺跡です。1989年にギリシャの世界遺産に登録されています。

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今でも4年毎に行われるオリンピックの聖火を採火する儀式が行われるのが、写真のヘラ神殿です。ゼウスの妃「ヘラ」を祀った神殿跡で、紀元前7世紀のもの。ギリシア最古のものと言われています。また、博物館に納められている「赤子のディオニソスをあやすヘルメス像」が発掘されたのも、このヘラ神殿です。

すぐ近くには、紀元前4世紀、マケドニア王が戦争勝利を記念して建てた奉納モニュメント「フィリペイオン」や、紀元前338年、全ギリシアを統一したのを記念して建てた「プリタニオン」、古代の大彫刻家フェイディアスの傑作・ゼウス像が制作されたフェイディアスの仕事場、さらには、大きな石がゴロゴロしているだけにしか見えない、アテネのパルテノン神殿に匹敵する壮大な神殿だったと言われる「ゼウス神殿」など、見応えたっぷりの遺跡内です。また、イオニア式の柱の土台がズラリと並ぶ柱廊など、遺跡内を散策していると、物陰から古代人がひょこっと現れるような錯覚も。タイムスリップが存分に楽しめます。

写真:Hiroko Oji

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遺跡内の東端にある広い空間はスタジアム。ここで古代オリンピック競技が行われていたのです。

石を組み合わせてできたアーケードの一部が残る通路を抜けると、私たちもスタジアムに立つことができます。紀元前4世紀中ごろに造られたもので、トラックの幅は30メートル、長さが192メートル、白い石で埋め込まれたスタートラインがしっかり残っています。

最初は北の丘の斜面に、後には南側に設けられた土手にも観客席が設けられ、2万人も収容できるほどになりましたが、観客となれるのは男性のみだったとのこと。

オリンピア博物館

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ギリシア内でも重要な博物館の一つとされるオリンピア博物館は、遺跡の北側、クラデオス川のそばに建っています。

オリンピア遺跡内で19〜20世紀にかけて発掘された数々の彫刻や陶器類が、10ほどの部屋毎に時代別に並べられており、こちらも見応えたっぷり!ミケーネ時代の猪の牙でできた兜や、翼の付いた「セイレーン像」「ヘラ神の頭像」「アテナ神の頭像」「ガニュメデスをさらうゼウス像」「赤子のディオニソスをあやすヘルメス像」「牡牛の像」など、必見の作品が展示されています。

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素晴らしい彫像の中でも、アルカイック期と古典期の部屋の奥に展示されている「勝利の女神ニケの像」は、スポットライトを浴びて、目を惹く一品。パイオニオス作のもので、女神のニケが地上に降り立つ瞬間をとらえているといわれ、今にも動き出しそうな躍動感が伝わってきます。

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博物館のハイライトとも言えるのが、ゼウス神殿の二つの破風と、神殿内部の壁に飾りとして設置されたメトープという浮き彫り彫刻のある第5室です。

ゼウス神殿は、紀元前470年から紀元前460年頃完成したもの。切り妻型屋根と柱の間にある三角の東西の破風に設置されている彫刻は、それぞれ「オイノマス王とペロプスの戦車競走出陣場面」「馬身の怪人ケンタウロス族とラピタイ族との激戦場面」で、古典期初期の傑作と言われています。破風の中央を飾るゼウスとアポロンだけでなく、どの人物や怪人も、豊かな表情で躍動感あふれる彫像です。これらはすべて、パロス島の大理石が使われています。

古代オリンピック競技博物館

写真:Hiroko Oji

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鉄道駅からメインストリートを真っすぐ南に向かうと、緑に囲まれた中に建つ古代オリンピック競技博物館に辿り着きます。

この博物館に入ってすぐのところには、遺跡の復元ミニチュア盤が置かれ、当時の神殿などの建物が再現されています。館内には、古代のスポーツ文化にまつわる出土品が展示されています。壺や絵皿に描かれているのは、レスリングやボクシング、走り幅跳び、円盤投げ、馬車レースなどの競技風景、さらには優勝者がその功績を称えられ手厚くもてなされる様子などなど。また彫像部門では修復された円盤投げの像やニケの女神像、胴体だけのヘラの彫像・・・。古代スポーツの場面を想像しながら展示を見ていると、ここでも当時にタイムスリップしてしまいそう。

写真:Hiroko Oji

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古代オリンピックは、自由都市の男子だけが参加でき、競技を見学するのも男子しか許されていませんでした。さらには、不正防止などを理由に、全員が裸で参加するのがルールとされていたのです。だから女子は見ることが禁止されていたわけです。その様子は、写真のようなモザイク画にも残されています。

オリンピアに残る日本人の足跡

写真:Hiroko Oji

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町からメインストリート沿いにオリンピア遺跡や古代オリンピック競技博物館に向かうと、途中にある小さな公園内に、日本人の胸像があります。

この像の方は、日本人で初めてオリンピア名誉市民として称号を受けた国分敬治教授で、古代ギリシャ思想研究者であり哲学者でもあった人です。こんな遠い異国の地で、日本人の足跡を感じられるとついつい嬉しくなってしまいます。

心和むオリンピアの町へ

オリンピアの町は、遺跡と博物館の他は見所と言ったものは特にない町ですが、のんびりした雰囲気の中、美味しいお料理を味わったり、広場や土産物店などで地元の方と触れ合うことで、とても心和む町です。

ギリシャのペロポネソス半島の西部位置するこの町へは、アテネから直通バスが出ており、また鉄道利用ならピルゴスで乗り換えて、どちらも約5時間半で、到着することができます。アテネから日帰りするには、時間的にも無理がありますので、1泊だけでも宿をとって、滞在を楽しんでくださいね。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2007/12/28−2007/12/29 訪問

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