山本亭は大正15年から昭和5年の間に増改築を重ねて造られた書院造の建物と純和風の庭園が見事な邸宅です。地元でカメラ部品の工場構えていた山本家の邸宅でしたが、葛飾区が取得し平成3年より一般公開されております。実はここの庭園はアメリカの庭園誌が選ぶ2016年度日本庭園の第三位に選ばれるほどの実力!
2015年秋からの改修を終え、2016年12月から再オープンしていますので、柴又まで来たら絶対に訪れねばなりませんね!
そしてこの山本亭が素晴らしいのは、この庭園を臨みながらゆっくりできるスペースが開放されているところ。しかも和風カフェスペースも兼ねており、入口でオーダーすれば、お茶や和菓子を持ってきてくれます。
それだけではなく、茶道などで部屋を借りたいという場合も有料で普通に貸してくれます。要はコミュニティスペースのような使い方ができるんですね。
アクセスですが、柴又の駅から帝釈天を抜けてくる方が多いことを考慮し、帝釈天の裏手にある写真の勝手口から山本亭には入りましょう。見学順路もこちらから入るよう設計されていますので。なお勝手口から入り、正門から出るとすぐに「寅さん記念館」です。
寅さん記念館の何がスゴイと言うと映画「男はつらいよ」を知らない世代でも楽しめるように工夫された数々のギミックです!
まずは模型が動く紙芝居のようなスタイルで寅さんの生い立ちを振り返ります。ご年配の方や小さいお子さんも楽しめるよう、低めの目線で設計されているのも素敵な配慮ですね。
帝釈天の参道にある草団子屋、が寅さんの実家という設定で映画「男はつらいよ」は撮影されていきます。その実家「くるまや」のセットをそのまま体感できるようになっているのもこの記念館の面白いところです。
その撮影の臨場感を出すために撮影スタッフ(音声スタッフや照明スタッフ)まで造りこまれているという凝りようです。どうやって映画の撮影を進めていくのかが分かるようになっているため、寅さんを知らない世代でも興味をそそること間違いなししょう。
模型で再現された昭和の街並みも非常に凝った造りでビックリします。サイズが1/4くらいなので、屈めばそれぞれの店内の中を覗けます。当時のテレビCMが小さなテレビで流されていたりします。
さらにこのコーナーの奥には「男はつらいよ」でお馴染みの各地の風景の映像が電車の車窓から流れるスタイルで見ることができるなど、凝りに凝った演出で飽きさせません。
「寅さん記念館」の2Fは、演歌で有名な「矢切の渡し」を望む公園になっています。江戸川沿いの気持ちの良い丘ですが、ここから直接デッキで「山田洋次ミュージアム」に接続されています。寅さん記念館を訪れたら、絶対にこちらも訪れよ!というメッセージでしょうか。とにかく隣接しているのでアクセスは便利ですね。
こちらも2016年11月にリニューアルされ、山田洋次監督の近作である「小さいおうち」及び「母と暮せば」の資料も加わりました。作品を見た!という人にはうれしい展示でしょう。
山田洋次ミュージアムはフィルムの世界です。山田洋次監督と言えば、「男はつらいよ」だけでなく、「幸福の黄色いハンカチ」や「学校」シリーズ、最近では「武士の一分」などで有名な映画監督ですが、モノクロ映画の時代から活躍していたんですね!
現在も精力的に映画作品をリリースしているので、最新作に注目が集まりがちですが、モノクロフィルム、カラーフィルムそして最近のデジタルと映画撮影機材の歴史を語れる生き証人でもあるんですね。
「男はつらいよ」もフィルム時代の代表作ということもあり、山田監督の作品説明板の真ん中には大量のフィルム及び映写機(動きます!)が置かれており、またフィルムの現物も(現物は本当に小さいコマなので虫眼鏡で見ます!)実際に見ることができます。
ミュージアムの外の通路も忘れずに見ていってください。山田監督作品のポスターがところせましと並んでいます。トイレの前までポスターが並んでいますので、用を足さなくてもトイレに行きましょう(笑)
ちなみにこの壁紙(エレベータの中までこの壁紙です。)は近くでみると山田監督の作品名がずらっと書いてあるんです!寅さん記念館に負けず劣らずの凝りようですね。
ちなみにミュージアムの1Fには関連グッズを販売するショップもあるので、忘れずに見ておきましょう。
これら「山本亭」「寅さん記念館」「山田洋次ミュージアム」は全て柴又帝釈天の裏手にあります。開館時間は17時までなので、どちらを先に見るかは時間帯次第ですが、柴又に来たら帝釈天も観光スポットとしては外せません。
というのも、帝釈天の帝釈堂及び本堂の裏には山本亭の庭園に引け取らない「邃渓園」という日本庭園があるのです。有料(400円)で、且つチケット売り場は16時までなので、注意が必要ですが必見です。
チケットは帝釈堂の裏手でひっそりと販売しています。靴を脱いだまま回廊を渡って、ぐるっと一周する形で戻ってきます。写真の向こう側の建物(大客殿)からずーっと日本庭園を囲むように回廊でつながっており、景色がどんどん変わります。昭和40年に造られた「邃渓園」は山本亭の書院造庭園とはまた違った魅力の池泉式公園です。池の中には錦鯉が泳いでおり、THE日本庭園といった感じで海外の方にも人気のようですね。
ちなみに上の写真の大客殿にはしれっと日本画家の大家である横山大観の作品が飾られていたりします。どうしても庭のほうに目が行ってしまうので、見落とすことのないようご注意ください。
邃渓園から帝釈堂に戻る際、帝釈堂の裏手がガラス張りになっているのに気付くでしょう。これは平成3年に帝釈堂に彫られた彫刻を近くで見てもらおうと設置された「彫刻ギャラリー」です。
これらの彫刻は法華経の説話に従って大正11年から昭和9年にかけて作成された一大絵巻(木工ですが)となっており、説明が付記されているので、その技巧と合わせて要チェックです。
写真は2階部分にあたります。通常なら下から遠くに見上げるしかない状態ですが、このギャラリー用の廊下があるおかげで写真の通り間近でその作品を見ることができます!ありがたい!
こちらの料金は邃渓園とセットですので追加料金は不要です。
帝釈天参道は縁日のでる庚申の日(下部MEMO内のサイトで確認できます)以外は意外と空いてます。名物の草だんごや川魚料理に舌鼓を打つのも良いですが、16時以降店じまいをするお店が目立ちます。柴又全体を楽しむためにも午前中から訪れておきたいですね。
なお柴又駅からすぐに柴又帝釈天の参道に続いていきますので迷うことはありません。
さて、もし柴又の駅からお帰りの際は、駅前の有名な寅さん像の視線の先を見てみましょう。なんと寅さんの妹「さくら」が旅に出る寅さんを見送っているではないですか!こちらのさくら像は2017年3月25日にできたばかり。
寅さんと一緒に皆さんもさくらに見送られながら帰路につく、というわけですね〜
今回紹介したスポットの料金はとってもリーズナブルです。「山本亭」「寅さん記念館」そして「山田洋次ミュージアム」は三館共通チケットなんと550円!帝釈天の「邃渓園」と「彫刻ギャラリー」のチケットが400円ですので、合計1,000円以下で柴又を丸一日楽しめてしまいます。下町ならではのリーズナブルな価格設定ですね。しかも山本亭や寅さん記念館までは柴又駅から参道と帝釈天を抜けて徒歩10分程度と全ての見どころが徒歩圏内に凝縮されているので、移動も楽々です。どんどん見どころがパワーアップする柴又は初めての人以外も楽しめそうですね。
では気を付けていってらっしゃいませ〜
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(2024/4/20更新)
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