『海賊とよばれた男』のモデル・出光佐三ゆかりの地「門司港レトロ」

『海賊とよばれた男』のモデル・出光佐三ゆかりの地「門司港レトロ」

更新日:2017/03/18 17:21

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
北九州市門司区は、“海賊とよばれた男”のモデルとして有名な「出光佐三」がのちの出光興産となる出光商会の営業を開始した土地です。門司港には明治から大正時代にかけて繁栄していた当時の建物が残り、「門司港レトロ」の街並みとして観光名所になっています。門司港が繁栄していた当時、出光佐三が贔屓にしていた料亭や佐三が挙式した神社など、出光佐三のゆかりの場所を紹介します。

出光佐三を知る「出光創業史料室」

出光佐三を知る「出光創業史料室」

写真:肥後 球磨門

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JR門司港駅から徒歩10分で出光美術に到着します。レンガ調の外観が門司港レトロに調和する「出光美術館(門司)」は、出光興産創業者で海賊と呼ばれた男のモデルになった「出光佐三」が収集した美術コレクションを展示する美術館です。

出光佐三を知る「出光創業史料室」

写真:肥後 球磨門

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この美術館に隣接しているのが出光佐三の生涯を紹介する「出光創業史料室」です。のちに出光興産となる出光商会が誕生し、その後発展していく歴史や出光佐三の経営者としての主義や思想を知ることができます。

特におススメは出光佐三の物語を映像にしたものです。10分程度の映像が3本あり、すべてを見れば海賊と呼ばれた男を知ることができます。
史料室だけでもじっくり見学すれば1時間くらい必要なので、時間に余裕持って訪問することをおススメします。

大陸に向かう船の待合室があった旧大阪商船門司支店

大陸に向かう船の待合室があった旧大阪商船門司支店

写真:肥後 球磨門

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門司港駅から徒歩数分にあるのが旧大阪商船門司支店の建物です。大正6年(1917年)に建てられたオレンジ色の外壁と白い帯のコントラストが目を引く重厚な建築物で、特徴のある八角形の塔が印象的です。
出光商会が営業を開始した時代、門司港は繁栄を極め、港からは毎月多くの客船が中国やヨーロッパに向けて出港していました。この建物の一階は海外へ渡航する客の待合室で、売り込むための商品を沢山抱えた出光佐三も、胸を躍らせながらここで大陸へ向かう船の出港時間を待っていたのではないでしょうか。

待合室だった一階は、現在は北九州で高校時代まですごした漫画家でイラストレーターの「わたせせいぞう」のギャラリーになっています。関門海峡を背景にした作品も多く展示されていて、彼の明るい画風は大正浪漫漂う門司港レトロの風景とは少し違った雰囲気で、別の視点からレトロの街並を表現しているように感じます。

出光佐三が結婚式を挙げた甲宗八幡神社

出光佐三が結婚式を挙げた甲宗八幡神社

写真:肥後 球磨門

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出光美術館から徒歩10分ほどで甲宗八幡神社に到着します。ここは出光佐三が大正15年6月に結婚式を挙げた神社で、佐三が沢山の寄進をした神社としても知られています。神社の鳥居は彼が奉納したもので、「甲宗八幡宮」という文字は佐三の直筆です。

この神社では小倉織のお守りも手に入れることができます。昔、武士の間で“槍をも通さぬ小倉織”として小倉織の袴が災難除けになるとして重宝されたそうで、その生地を使ったお守りはまさに「災難避け」。
出光佐三ゆかりの神社で災難避けのお守りを手にとってはいかがでしょうか。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

写真:肥後 球磨門

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出光佐三が贔屓にしていた高級料亭の「三宜楼(さんぎろう)」が門司港駅から徒歩10分ほどのところの高台に建っています。現存する木造三階建ての建物としては九州最大級のものです。昭和6年に建てられた建物は老朽化が進んでいましたが、北九州市に寄贈され保存工事が行なわれたあと一般公開がされるようになりました。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

写真:肥後 球磨門

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館内は1階が「三宜楼」を紹介した展示室、2階の「百畳間」と呼ばれる大広間には大舞台や当時の芸妓さんが着ていた衣装が展示されています。出光佐三は 芸妓たちの芸のために「風師会」という組織を主催し、芸妓たちは月に1度、大広間で三味や踊りを競っていました。3階には高浜虚子が俳句を詠んだと伝わる「俳句の間」があります。

さらに館内の見所は、各部屋でそれぞれ違った意匠を凝らした欄間と下地窓。写真は二階へ向かう階段で、左手に花と山、右手に雲、そして階段上に月が配されていて、高級料亭の風流で粋な計らいを感じます。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

写真:肥後 球磨門

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3階の見学は1階の展示室に待機しているガイドが同行すれば可能で、2階の大広間は貸し出し中は見学ができません。事前に確認をして訪問することをおススメします。

館内では下関の老舗ふぐ料理店「春帆楼」がプロデュースした三宜楼茶寮が営業しています。出光佐三が贔屓にしていた料亭で、美味しい料理を頂きながら海賊と呼ばれた男に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

出光佐三の足跡に触れてみませんか?

出光佐三が起業し、その後の繁栄の拠点となった門司港。ここから海外へと出帆し「海賊」と呼ばれるようになったのです。
そんな男の破天荒な生涯を出光創業史料室で学び、佐三ゆかりの地を歩いてみてはいかがでしょうか。
門司港には関門海峡が一望で知るビール工房があります。ゆかりの地を訪れた後に、美味しいビールを飲みながら関門海峡を眺め、海賊と呼ばれた男に思いを馳せてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/28 訪問

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