田園風景が広がる紫波町は南部杜氏発祥の地。そこに佇む「廣田酒造店」(写真右下の青い屋根)創業は明治36年、「廣く多くの人々に喜ばれる酒」として『廣喜』(ひろき)という銘柄で紫波の地酒として親しまれてきました。
紫波町は米所であり、上質の酒米も生産されています。また、写真の背景に広がる吾妻峰山麓の伏流水がこの蔵の醸造に利用されています、いい水と良い酒米の好条件が「廣田酒造店」には備わっているのです。
広大な田園風景の中に廣田酒造店はあり、遠くからも望めるようにと屋敷の塀には手書きのサインが描かれています。文字通り紫波町の地酒店です。
現在ではこの銘柄は『廣喜』(ひろき)という文字を用いて全国に出荷されています。
「廣田酒造店」へは東北自動車道紫波ICを出て車で約5分、JR東北線紫波中央駅より車で約7分です。
立派な構えの旧家が廣田酒造店。風格のある入母屋造りの建物が、代々受け継がれてきた南部杜氏の蔵元であることを感じさせられ、受け継がれてきた伝統の重みを醸し出しております。
屋根の妻側には酒蔵お馴染みの杉玉が吊るされています。
写真左奥に続く建物が醸造設備となり、最深部には岩手県の内陸部では特徴的な蔵「石蔵」があり、数々の銘酒が貯蔵されているのです。
屋敷内に入り迫力のある「廣喜」の暖簾をくぐると、そこには叩き土間の広間がありそこで直販も行っていますが、ここが造り酒屋であるが故に専従の販売員はいません。
入口の柱に丁寧に説明された案内(写真)の通りにブザーを押すと、土間のさらに奥から職人さんが出てきて応対をしてくれます。
写真の女性は全国でも珍しい女性杜氏である「小野裕美」さん。
小野さんは、日本全国に30人ほどいる女性杜氏の一人。岩手の風土と南部杜氏伝統の技術を生かし醸造、仕込んでいます。女性杜氏らしいきめ細やかな仕込と味が「廣喜」の特徴なのです。
南部杜氏とは、越後杜氏、丹波杜氏と並び日本の三大杜氏の筆頭に数えられる洗練された酒造りの技を受け継ぐ職人を指します。この地域は「南部杜氏」発祥の地として酒造りが栄え、今もなお南部杜氏は日本各地の酒蔵で活躍しているのです。
南部杜氏がお勧めするのは、人気の酒米美山錦(精米歩合60%)を使用、山廃でじっくり仕込んだ「番外美山錦 山廃仕込 寛喜」山廃ならではの米のうま味を引き出した味で、温かい燗に向いたお酒です。
暖簾をくぐった中には僅かな店舗スペースがありますが、入ってすぐの柱には昭和のころに使っていたブリキの看板が展示されており、店の雰囲気にぴったりです。
この廣田酒造店が、様々な時代にわたり日本酒を醸造し続けてきた歴史を垣間見る事が出来、店内の随所に当時を彩った貴重な品々が飾られていおり、店内を見ているだけでも、気が付くと長居をしてしまいそうな雰囲気です。
ここでは、沢山の種類の日本酒が直売されていますので、お好みの1本を見つけるのも楽しいです。そして、この廣田酒造店が地域に根付いていることを伺うことができるのが、お客様の出入りです。国道に面しているのでもなく、田んぼのど真ん中に建つこの店には絶えずお客様が来店しています。それだけ地域に愛されている酒蔵ということです。
写真の酒粕(大:400円/1s 小:300円/400g 税込)は隠れた人気商品です。
※表示価格は2017年3月時点の情報です。
いかがでしたか。
廣田酒造店では蔵見学として酒造りの現場を見学することもできます。最新の機械設備をそろえる大手酒造メーカーとは違い、伝統の製法を守る廣田酒造店にはならではのこだわりが、酒蔵内の凛とした空気に表れており、ここから最高の日本酒が生まれてくるという臨場感があります。この地で頑張る女性杜氏、小野さんの酒造りの情熱に触れてみてはいかがでしょうか。
更に日本三大杜氏「南部杜氏」発祥の地ということで、少し車で移動すると南部杜氏伝承館があり、酒造りの歴史に触れることもできます。奥深い日本酒の旅を楽しんでください。
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(2024/4/20更新)
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