京都観光の穴場!大原三千院から寂光院へ、紅葉散策ぶらり旅

京都観光の穴場!大原三千院から寂光院へ、紅葉散策ぶらり旅

更新日:2021/10/07 14:51

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
京都の隠れ里、大原。京都市内の観光地から離れた山里は、心静かな時を過ごしたい旅人におすすめ。「三千院」「寂光院」「勝林院」といった、古色ゆかしい天台宗の寺院が優しくひっそりたたずみ、四季それぞれの美しさを彩りながら、一抹の寂しさも感じられます。桜や新緑、アジサイ、雪景色など、一年を通して楽しめますが、紅葉時期の透き通る秋も美しい。大原でぜひ巡っていただきたい観光スポットと散策コースをご紹介します。

紅葉、桜の名所!京都・大原三千院

紅葉、桜の名所!京都・大原三千院

提供元:京都フリー写真素材

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京都、大原の里。古くから貴人や修行者の隠棲(いんせい)地として知られています。静かな山里は、微かな愁いを含み、たくさんの歌にも詠まれてきました。

大原へは、京都市内から「京都バス」に乗ってアクセスしましょう。「大原バス停」を降り、参道の“桜の馬場”を歩くと、高い石垣に囲まれた風格のある門が見えてきます。こちらが、「三千院」の玄関口となる御殿門(ごてんもん)。

紅葉、桜の名所!京都・大原三千院

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三千院は、「三千院門跡(さんぜんいんもんぜき)」と呼ばれ、最澄が比叡山に建てた庵が長い歴史の始まり。「天台宗・五ケ室門跡寺院」のうちの一つです。

見どころは、2つの美しい庭園。一つは、客殿の前に広がる「聚碧園(しゅうへきえん)」。もう一つは、写真の宸殿(しんでん)の奥に見える「有清園(ゆうせいえん)」。苔むす庭は、四季それぞれに柔らかで美しい表情を見せ、心静かな時を過ごすことができます。

紅葉、桜の名所!京都・大原三千院

写真:沢木 慎太郎

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有清園にたたずむ「往生極楽院(おうじょうごくらくいん)」は、最大の見どころの一つ。お堂内には、阿弥陀三尊像の美しいお姿があり、慈悲深い、清らかで優しいお顔に心が安らぎます。秋の紅葉時期は透き通るように美しいので、ぜひご拝観ください。

※三千院の見どころについて記事にまとめていますので、関連MEMOに張り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

<天台宗 京都大原 三千院門跡の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原来迎院町540
電話番号:075-744-2531
アクセス:京都バス「大原バス停」から徒歩10分
拝観時間:9:00〜17:00(変動あり)
拝観料金:大人700円

三千院から来迎院、勝林院、宝泉院

三千院から来迎院、勝林院、宝泉院

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大原は、のどかな自然のなかに名刹が点在。紅葉や雪景色、桜、アジサイ、彼岸花など、季節の花に誘われて、三千院界隈の散策も楽しみましょう。

おすすめは、「来迎院(らいごういん)」。平安時代に慈覚大師(円仁)が創建。天台声明(てんだいしょうみょう)の発祥地で知られます。

<来迎院の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原来迎院町537
電話番号:075-744-2161
アクセス:京都バス「大原バス停」から徒歩15分

三千院から来迎院、勝林院、宝泉院

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「勝林院(しょうりんいん)」もすぐ近く。平安時代に寂源が創建。こちらの寺院も、天台声明発祥の寺院で、来迎院よりも約100年前に建立されました。2つの寺院を中心に、大原東部の寺院群は、念仏修行の根本道場となり、「魚山(ぎょざん)大原寺」と総称されるようになります。

<勝林院の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原勝林院町187
電話番号:075-744-2537(実光院)
アクセス:京都バス「大原バス停」から徒歩15分

三千院から来迎院、勝林院、宝泉院

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「宝泉院(ほうせんいん)」は、勝林院の塔頭。「盤桓園(ばんかんえん)」は最大の見どころの一つ。額縁庭園の典型として名高い名庭園で、お抹茶と一緒に楽しむことができます。「立ち去りがたい」という意味を持つ、名庭園の「盤桓園」。ずっと、いつまでも眺めていたくなります。

<宝泉院 (ほうせんいん)の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原勝林院町187
電話番号:075-744-2409
アクセス:京都バス停「大原」から徒歩15分

実光院、京都土産巡りも楽しもう

実光院、京都土産巡りも楽しもう

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実光院(じっこういん)は、勝林院の子院。名庭園の「契心園(けいしんえん)」は見どころの一つ。秋の紅葉時期の11月と、春の4月に満開になる珍しい「不断桜(ふだんざくら)」は有名です。

<実光院(じっこういん)の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原勝林院町187
電話番号:075-744-2537
アクセス:京都バス停「大原」から徒歩12分

実光院、京都土産巡りも楽しもう

写真:沢木 慎太郎

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三千院界隈だけでなく、寂光院までの散策もぜひ楽しみましょう。三千院から寂光院まで約1.7キロメートル(徒歩約30分)。
大原バス停から西へ。参道の「大原女(おおはらめ)の小径」には、たくさんのお土産店が並び、とてもにぎやか。古民家風のカフェやランチの店なども多く、休憩スポットがたくさん。

京土産でおすすめは、お漬物。「千枚漬(写真)」「すぐき漬」「しば漬」は、京都の三大漬物と呼ばれています。自然の甘みがあり、とてもおいしい。

実光院、京都土産巡りも楽しもう

写真:沢木 慎太郎

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女性に人気の可愛くておいしいスイーツに出会えるのも魅力。おすすめは「味噌庵」。自家製の味噌はコクがあり、京都・大原でしか出会えない味。「アイス最中」「あめ」「生キャラメル」「生チョコレート」といった、白みそを使ったスイーツも味わうことができます。

大原ではかつて、女性行商を「大原女(おはらめ)」と呼んでいました。今も「大原女まつり」や、大原女姿のかわいい売り子さんに出会うことができます。
ちなみに、寂光院に穏棲していた建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないし)が着ていた衣装が、「大原女装束」のモデルとされています。

<味噌庵(雲井茶屋)の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原草生町31
電話番号:075-744-2240
アクセス:京都バス停「大原」から徒歩約15分

三千院から寂光院へハイキング

三千院から寂光院へハイキング

写真:沢木 慎太郎

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大原の里に、ひと際優しく、ひっそりたたずむ寺院が「寂光院(じゃっこういん)」。聖徳太子が用明天皇(父親)の菩提を弔うために創建したと伝えられます。

寂光院へのアクセスは、京都バス停「大原」から徒歩約15分。途中の参道には駐車場がありますが、紅葉時期などの行楽シーズンはたいへん混雑します。

三千院から寂光院へハイキング

写真:沢木 慎太郎

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四季折々に美しい表情を見せる寂光院ですが、紅葉時期は格別の美しさ。参道や境内を赤く染める、色鮮やかな紅葉に心を奪われます。

三千院から寂光院へハイキング

提供元:京都フリー写真素材

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寂光院は、紅葉だけでなく、桜の隠れた名所。遅咲きの桜を楽しむことができます。後白河法皇が歌に詠んだ名木「みぎわの桜」は有名。桜の季節もぜひご参拝ください。

紅葉、庭園も美しい!大原・寂光院

紅葉、庭園も美しい!大原・寂光院

写真:沢木 慎太郎

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寂光院は、天台宗の尼寺。平清盛の娘で、安徳天皇の母、建礼門院(けんれいもんいん)が、隠棲(いんせい)した場所でも知られています。

建礼門院は、檀ノ浦の戦いで入水しますが、源氏に助けられ、その後、都に戻されて出家。寂光院に庵をむすび、滅亡した平家一門と、自身の子である安徳天皇の菩提を弔い、冥福を祈り続けました。

紅葉、庭園も美しい!大原・寂光院

写真:沢木 慎太郎

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寂光院は、庭園が美しいのでぜひご覧ください。“汀の池”と呼ばれる池泉庭園などがあり、京都らしい苔庭の風情を感じることができます。
寂光院は、『平家物語』に登場する聖地。静寂の中、隠棲する建礼門院のもとに、後白河法皇が訪ねる、大原御幸(おおはらごこう)の名シーンを思い出される方は多いのではないでしょうか?

紅葉、庭園も美しい!大原・寂光院

写真:沢木 慎太郎

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写真は、寂光院の本堂。最近まで、淀殿・豊臣秀頼の命で再興された本堂が残っていたのですが、たいへん悲しいことに放火による火災で焼失。ご本尊さまの地蔵菩薩立像(重要文化財)も損傷しましたが、今は修復され、春と秋の特別公開の時に旧ご本尊さまを拝観することができます。

<寂光院の基本情報>
住所:京都府京都市左京区大原草生町676
電話番号:075-744-3341
アクセス:京都バス停「大原」から徒歩15分
拝観時間:9:00〜17:00(変動あり)
拝観料金:大人600円

京都・大原で、のんびりハイキング&宿泊も

ご紹介した京都・大原の散策コースの所要時間については以下をご参考にしてください。
「京都バス大原」→(約10分)→「三千院」→(約3分)→「実光院」→(約3分)→「宝泉院」→(約3分)→「勝林院」→(約3分)→「来迎院」→(約40分)→「寂光院」→(20分)→「京都バス大原」

大原には、「芹生(せりょう)」といった料理旅館があり、京都市内の観光地から離れ、静かな山里に宿泊し、湯豆腐懐石や温泉でのんびり過ごすのもおすすめ。
なお、京都観光でおすすめの散策コースや紅葉スポットなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

2021年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/23 訪問

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