メキシコ・サンクリストバルの日本人宿「カサカサ」〜ある革命家の残した遺産

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メキシコ・サンクリストバルの日本人宿「カサカサ」〜ある革命家の残した遺産

メキシコ・サンクリストバルの日本人宿「カサカサ」〜ある革命家の残した遺産

更新日:2017/03/10 09:24

中川 康雄のプロフィール写真 中川 康雄 トラベルライター

メキシコの南部にある、サンクリストバル・デ・ラスカサスという町に、ある日本人の革命家によって創設された宿があることを知っていますか?その宿の名前は「CASA KASA(カサ・カサ)」。創設者の死後も代々、旅人たちによって受け継がれている宿で、多くの日本人にとって、ひとつの観光地のような存在でもあります。ここでは、この宿の歴史や魅力などをご紹介しますね。

メキシコ・サンクリにある、日本人宿「CASA KASA」の歴史

写真:中川 康雄

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サンクリストバル・デ・ラスカサス(以下、サンクリ)にある宿「CASA KASA」は、革命家・笠置華一朗さんと片桐秀典さんによって創設された宿です。笠置さんは、かつて日本で学生運動が盛んだった時代に、そのカリスマ的な指導者だったという人物。キューバの英雄、チェ・ゲバラの影を追ってキューバに渡航しましたが、トラブルを起こして追放されました。その後、メキシコに拠点を移したあと、地域の人びとの暮らしを守るために蜂起したゲリラ集団「サパティスタ」に共感。その後、片桐さんとともに、サンクリで「CASA KASA」という宿を開始したのです。

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当時、この宿では基本的に政治の話しかできなかったため、毎日が討論番組のようだったのだとか。

その笠置さんは、2005年9月12日にサンクリで永眠。現在は、町の南にある共同墓地に埋葬されています。メキシコでは墓場でパーティをする風習があるそうなのですが、日本人は知人の墓でもない限り、そのようなことをすることはできません。けれども、この笠置さんの墓がこの町にあるため、そこでパーティが開かれているそうです。笠置さんは死してもなお、多くの人びとのつながりを作り続ける依り代になっているのです。それが彼の遺産のひとつなのかもしれませんね。

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片桐さんが拠点を和歌山に移して、笠置さんが亡くなられた後も、多くの旅人たちによって、この宿は受け継がれてきました。2014年からは新垣武志さんがオーナーとなっています。彼は宿を経営しながらも、訪れた旅人たちに、このあたりの名産物でもあるコーヒーの淹れ方を教えたり、ミュージシャンとしても活動しているそうです。

多くのアーティストの作品によって彩られた宿!

写真:中川 康雄

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そしてこの宿で特徴的なのが、壁などに描かれたさまざまなペイントの数々。この宿は絵描きやミュージシャンなどのアーティストが集まる場所でもあるため、その彼らが描いていったものなのだとか。メキシコらしいカラッとした明るさのある絵柄のものが多く、見ているこちらの気持ちまで明るくしてくれます。

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また、壁画などのアートだけでなく、歴史の蓄積した昔ながらの情報ノートもあります。もちろん、宿の人に聞けばサンクリの町のことなら色々なお店のことやお土産物についてなど、何でも質問に答えてくれますし、また、共有スペースなどで同じ宿泊者の間での情報交換することも可能です。

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この宿には、週2回ほど午前中に、日本人のパン屋さんがパンの訪問販売に来てくれます。とても美味しいパンなので、ぜひ食べてみてくださいね。サンクリに住んでいる様々な日本人たちのハブのような存在になっていることも、この宿の魅力のひとつです。サンクリでの生活事情などの生の声も聞けるかもしれません。

観光の拠点にぴったり!シェア飯もできる

写真:中川 康雄

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この宿は町の中心からは少し離れたローカルエリアにあますが、それでもツーリストエリアから徒歩圏の距離にあります。ツーリストエリアに宿を取るとローカルエリアに足を運ぶことが少なくなるかもしれませんが、この宿ならローカルエリアとツーリストエリアの往復を自然なかたちで楽しむことができます。

また、宿のオーナーに近くの村に連れて行ってもらえたりと、ツアーのようなものも体験することができたりもします。そのため、観光の拠点としてもぴったりといえるでしょう。

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一泊の宿泊費はドミトリーが150ペソ、個室が200ペソ(2人だと300ペソ※2017年3月時点)。建物自体は古いものですが、毎日手入れされていて清潔さが維持されています。また、共有スペースも広いので、ここでゆったりとした時間を過ごすこともできます。

写真:中川 康雄

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また、オーナー家族と一緒に夕食をシェアすることもできます。このシェア飯は、この地域の素材を活かしながらも日本人の舌にある味に仕上げられた、中南米の日本人宿の定番でもあります。そこでもさまざまな会話が交わされることでしょう。もちろん、奥さんの作る手料理は、とても美味しいですよ。

おわりに

いかがでしたか?メキシコ南部の町・サンクリにある日本人の革命家が創設した宿「CASA KASA」。その歴史的・文化的な意義はもちろんのこと、宿としての居心地もばっちりです。ぜひ、サンクリ観光の拠点にしてみてください。そのために必要なものは、すべてここに揃っていると言っても過言ではありません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/03−2017/03/05 訪問

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