なんでそんな形なの!?島根「鬼の舌震」で自然が作り出した奇岩に驚愕

なんでそんな形なの!?島根「鬼の舌震」で自然が作り出した奇岩に驚愕

更新日:2017/03/20 17:21

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
中国山地のふもとに位置する島根県奥出雲町。出雲神話の伝統と豊かな自然に恵まれた地域のなかで、特に景勝地として名高いのが「鬼の舌震(おにのしたぶるい)」。
約2キロの渓谷には、川の急流で浸食された珍しい形の岩々が残されています。まさに自然の芸術作品ともいえる壮大な風景になっているので、ぜひチェックしてみてください!

数々の不思議な形の岩が集まるスポット

数々の不思議な形の岩が集まるスポット

写真:島塚 渓

地図を見る

「鬼の舌震」は黒雲母を多く含んだ花崗岩が、長年の川の浸食によって削られたり剥がれ落ちたりしたことによってできた景勝スポット。
その見どころは、何といっても珍しい形の岩々を鑑賞できる点です。

渓谷に沿って点在する岩のなかで、特に不思議なものには名前が付けられており、どうしてこんな形になったかを想像するだけでもワクワクしてきます。
例えば写真の表面が平らになっている「千畳敷」という岩。これは節理と呼ばれる割れ目に沿って、直線的に片方が削れた岩になります。「鬼の舌震」にある岩々は、すべて偶然によって作り出された自然の芸術品になるんです。

数々の不思議な形の岩が集まるスポット

写真:島塚 渓

地図を見る

そして、この「試刀岩」もなんとも不思議な形。巨石がきれいに割れて、まるで刃物で真っ2つに切ったようになっています。
その名の通り、ここで刀の試し切りが行われた想像すらできてしますような鋭い断面ですよね。

数々の不思議な形の岩が集まるスポット

写真:島塚 渓

地図を見る

数ある奇岩のなかでも、「鬼の舌震」の代表格とも言えるのが写真の「はんど岩」。“はんど”とは大型の甕のことで、形が似ていることからこの呼び名が付けられました。
驚くべきは、その形と位置。この岩があるのは川床から10メートルほど離れた岩のうえ。さらに逆三角形の形にもかかわらず、台座のような岩にバランスよく立っています。なぜこうも上手く屹立しているのか、考えるほど不思議な岩です。

ドキドキがとまらない「舌震の“恋”吊り橋」

ドキドキがとまらない「舌震の“恋”吊り橋」

写真:島塚 渓

地図を見る

「鬼の舌震」には上流と下流に無料の駐車場が設けられており、そのうち下流にある宇根駐車場のすぐ近くにあるのが「舌震の“恋”吊り橋」。
高さ45メートル、長さ160メートルの迫力満点の橋です。渓谷のうえに架かっていることから、かなりの高さがあることに加えて、両サイドや足元の板のあいだから下の景色が見えるようになっているので、高所恐怖症のかたはチョット大変かも。

ドキドキがとまらない「舌震の“恋”吊り橋」

写真:島塚 渓

地図を見る

実際に歩いてみると多少揺れるため、くれぐれも慎重にゆっくり歩いてくださいね。好きな人といっしょに歩くと、恋のドキドキなのか、それとも恐怖のドキドキなのか分からなくなるようなスポットです。

「鬼の舌震」の名前の由来とは?

「鬼の舌震」の名前の由来とは?

写真:島塚 渓

地図を見る

ここが「鬼の舌震」という少し変わった名前になったのは、こんなエピソードが残っているから。
昔、玉日女命(たまひめのみこと)という美しい女神に恋をしたワニ(いまのサメを指す)は、毎晩川をさかのぼって彼女に会おうとしてしました。ところが女神はこれを断固拒否して、岩で川をせき止めてしまいます。それでもワニの気持ちは変わることがなかったため、「ワニのしたふ」から、それが訛って「鬼の舌震」という名称になったそうです。

「鬼の舌震」の名前の由来とは?

写真:島塚 渓

地図を見る

玉日女命がワニの侵入を防ぐために置いたと伝わる岩々はそのまま残されていますが、今では観光がしやすいように周辺がきちんと整備されています。
特に2013年にバリアフリー遊歩道が完成したことで、車いすの人でも「鬼の舌震」を簡単に散策できるんです。誰もが自然に親しめるスポットになっているのが、なんとも有り難いですよね。

自然が作り出した景色を楽しめるスポット

「鬼の舌震」は自然の魅力を存分に体感できる景勝スポット。片道約2キロの道のりになっているので、ハイキング気分で訪れてみるのも良いかもしれません。
歩き終わった後には心地よい疲労感とともに、きっとあなたも豊かな自然に癒されること間違いなしです!

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/30 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -