写真:SHIZUKO
地図を見るこんなことってある! 15頭くらいの鹿の群れがあっちの山肌を走り抜けたと思えば、逆方向から別の群れが現れ、ゆっくりと山肌の草を食む。遠くに目を転じれば別の群れが斜面に遊ぶ。まるでアフリカなどの大自然映画を見ている気分。野生のシカの群れがこんなにも多く行き交うここが日本だとは思えない光景です。
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地図を見るでも、ここは、滋賀県と岐阜県の境をなす霊仙山。山の雪が消えるころ、可憐な花が咲き乱れる花の百名山の一座。
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地図を見る霊仙山の山頂部分は、テーブルランドと呼ばれる、ゆったりとした広大な地形。標高は1094メートル。登ってしまえば、アップダウンの少ない穏やかな風景が楽しめます。石灰岩で構成される山は樹木が生育しにくい地質。なので、森林限界を超えた、木々がない3000メートル級の山かと誤解する景色が広がっています。
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地図を見る小学生の頃、あるいは中学でだったかカレンフェルトという言葉を習った記憶のある方もいるのでは? その実物が霊仙山で見られます。霊仙山の山頂に近づくと、溝の入った大小の岩がボコボコと地面から突き出し、とても歩きにくい道となります。この地形がカレンフェルト。石灰岩が雨で浸食されてできた地形です。底の薄い靴では足裏が痛くなります。この登山道こそが霊仙山の特徴なので、楽しんで登りましょう。
日本のカレンフェルトの代表は、山口県の秋吉台。墓石地形と呼ばれるのも納得の風景です。
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地図を見る霊仙山にはいくつかの登山道がありますが、通行禁止の登山道もありますから、行かれる際は米原市のホームページなどでチェックしてください。今回ご紹介するのは、問題のない今畑コース。現在は廃村となっている今畑の村落後から登り始めます。かなり荒れている登山道を進んでいくと、30分ほどで標高1003メートルの近江展望台と呼ばれるピークが見えてきます。
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地図を見る笹峠に到着したら、しっかり水分補給して、これからの急登に備えましょう。
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地図を見るいよいよとっても歩きにくいカレンフェルト地形を進みます。笹峠からの稜線はかなりの斜度。丁寧に足を置いて、ゆっくりと登りましょう。やがて絶景ポイント・近江展望台へと道は続きます。近江展望台は、その名の通り、琵琶湖が見下ろせる素晴らしい場所。
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地図を見る景色は素晴らしいのだけれど、とても歩きにくくて立ち止まっているのも厄介な場所に可憐なミスミソウが咲いています。わざわざこんな場所を選んで咲くミスミソウ。こんな場所だから生き残っていられるのかもしれません。
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地図を見るミスミソウは雪割草の一種。雪を割って花を咲かせる春一番の花。雪割草には大きく2種あって、サクラソウ科とキンポウゲ科。ミスミソはキンポウゲ科の花です。花弁のように見えるのはがくで、真ん中の小さな白いものが花です。とっても可憐ですよね。
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地図を見る近江展望台を越えると急登は終了。歩きにくいカレンフェルトの稜線に出ます。稜線を登っていったん下ったあたり、山頂はもうひと登りというところまで来て、稜線を離れて少し下ると、なんと!そこは!福寿草の群生地。可憐な黄色の花が地面を埋め尽くし、大きく花開いていました。
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地図を見る石灰岩地質特有のドリネーと呼ばれる池の周りに、咲き誇る福寿草。斜面のあちこちが黄色くなっています。この光景に出会えば、歩きにくい道も、上がった息も一気に落ち着き、すべては楽しい思い出になってくれることでしょう。
ここから山頂はすぐ。
山頂に行けば、またまた驚きの鹿の群れとの遭遇。ワクワクが止まらない早春の霊仙山。ぜひ、一度、足をお運びくださいませ。
春の訪れは、風や空気などで感じることが出来ますが、山々に咲く早春の花を見れば、より一層春を実感できます。霊仙山は急登が少なく、比較的登りやすい山です。展望のすばらしさ、花の美しさこの二つがあれば、出掛けないという選択肢はないでしょう。
鹿の群れと早春の花をめでる旅に、ぜひ、お出掛けください。
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(2024/3/19更新)
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