尾道市の本土からしまなみ海道で最初の島、向島。その南側にある施設「立花自然活用村」の2階に「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」はあります。オープンは2014年11月。工場長が仲間2人に声を掛けて、3人で始めたチョコレート工場です。
そこは緑あふれる山の中にありながら、瀬戸内海を望むこともできるという自然豊かな絶景ポイント。その風光明媚な景色は平山郁夫画伯による「しまなみ街道五十三次」の6番目のスポットとして描かれるほどの美しさです。
「ウシオチョコラトル」という名前は工場長の愛娘の名前にちなんでつけられました。ウシオは漢字で書くと「潮」で海の水という意味があります。工場から見える瀬戸内の海から昇る太陽のように、日本からチョコレートを発信していきたいという思いもそこには込められています。
販売されているチョコレートは原材料からこだわった逸品ぞろいで、パプアニューギニア、メキシコ、グアテマラなど、カカオ豆の生産農家を直接たずねて、自分たちが納得した品質のものを直接買い付けるという形で仕入れを行っています。すべて手作りのため、1日の生産量は200枚ほど。そのため連日完売という状態が続いています。
おすすめはグアテマラのカカオ豆を使ったチョコレートです。お味はひと言でいうならプリミティブ!カカオ豆そのものをいただいているような濃厚な風味があり、まるでブランデーのような香り立つお酒を口に含んだかのような感覚に衝撃が走りますよ。
デザインセンスの光る包装紙のイラストはすべて自分たちの知り合いのアーティストに頼んで手掛けてもらったものばかり。産地によって風味も味わいもまったく違うので、どのチョコレートを選ぶか迷ったらとりあえず自身の気に入ったイラストでチョイスしてみるのも面白いかもしれませんね。
「ウシオチョコラトル」では、テイクアウトドリンクも提供しています。それは市街地から遠く離れたこの場所にわざわざ来てくれた人たちをおもてなししたいという思いから。スタンド形式の販売スペースの海側にはフリースペースがあり、そこで飲み物を楽しみむことができます。
ドリンク待ちの順番カードには番号でなく動物の絵がプリントされています。そういうちょっとした遊び心、いいですよね。アライグマでお待ちの方、エスプレッソ入りました!という呼びかけを聞いているだけでも、微笑みがこぼれてきます。
写真のホットカカオミルクは甘いながらもスパイスが利いていて、寒い季節にはおすすめの一杯です。
店舗脇のスペースでは今まで使われてきたチョコレートの包装紙が飾られていたり、地元アーティストの作品などが展示販売されています。
建物の1階には向島の歴史を伝える資料館が開設されており、いつでも無料で見ることができます。
さらにもうひとつ。尾道といえば、大林宣彦監督の映画のロケ地としても知られるところ。ウシオチョコラトルが入る立花自然活用村は、新・尾道三部作『ふたり』で、主人公の石田ひかりさん扮する北尾実加の母親が入院する病院として登場します。この場面では石田さんのほかに、富司純子さん、岸部一徳さん、竹中直人さんと豪華な出演陣が揃い、印象的な場面が撮影されました。
「ウシオチョコラトル」の近くには公共交通機関がありません。車の場合は、しまなみ海道(西瀬戸自動車道)向島ICから山道を10分ちょっと走ります。自転車だとJR山陽本線尾道駅からおよそ40分ほど。タクシーを利用すると同駅から料金が1,500円ほどかかります。
完売状態が続きなかなか手に入りにくいチョコレートですが、東京や大阪など、広島県外でも販売されています。詳しくはウシオチョコラトルのホームページをご確認ください。とはいえ、やはり瀬戸内の絶景を見ながら味わうのが一番なので、なるべく早い時間を狙って行ってみましょう!
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(2024/4/20更新)
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