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地図を見る東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。その重要な観光資源であった名勝・高田松原は津波により消失、そして高田松原の背後にあった市街地も壊滅的な被害を受け、現在も復旧工事が続いています。
震災後、新たに「奇跡の一本松」という観光資源はできたものの、さすがにそれだけで継続的に観光客を呼びこむのはやや難が。そこで検討されたのは新しい「食」の名物。動き出したのは敏腕グルメプロデューサー、ヒロ中田氏が東北を中心に展開している「新OMOTENASHI・ご当地グルメ」の岩手県第1号となるプロジェクトでした。
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地図を見る構想から半年以上の時間をかけ、震災からの復興と地域活性化への想いが込められたメニューが完成!その名は「陸前高田ホタテとワカメの炙りしゃぶしゃぶ御膳」で、ちょっと長すぎる名前なので愛称として「ホタワカ御膳」と呼ばれるのが一般的です。
陸前高田の眼前に広がる海、広田湾は2つの半島に挟まれた穏やかな海。気仙川が運ぶミネラル分と、黒潮と親潮が合流する水域がもたらす豊富な栄養分で全国的にも知られる貝の漁場でもあり、ワカメの生息にも適した海でもあります。その海の幸を存分に楽しもうというのがこの「ホタワカ御膳」なのです。
見た目もなかなかの迫力があり、目を引くホタテの3段タワーと、炙り用の網としゃぶしゃぶのお鍋があるWファイヤー御膳なのです。
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地図を見る「ホタワカ御膳」でとりわけ目を引くのが地元産気仙杉を用いて作られたというホタテ3段タワー!最上段は活ホタテの刺身と昆布締め、中段は活ホタテの炙り、下段は活ホタテのかき揚げがそれぞれホタテ貝の皿に乗せられています。
ところでこのホタテ3段タワーを見て、何かに似ているとは思いませんか?実はこのタワーのモチーフはアフタヌーンティースタンドなのだそう!英国の紅茶文化というちょっとかけ離れた存在から生まれたホタテ3段タワー、いわれを聞くとなんだか楽しくなってしまいますね。
なお、「ホタワカ御膳」が乗っているお盆も気仙杉製。気仙杉は年輪幅が広く、軽くて軟らかいので加工しやすい特性があり、仮設住宅や復興工事で注目を浴びました。地元の職人の手による気仙杉の食器も要チェックです。
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地図を見るホタテ3段タワーは見かけ倒しではありません、味も存分に楽しんでいきましょう。身が甘く、貝柱も大きく育つという広田湾産の活ホタテ。生で味わうとそのプリップリの食感を存分に楽しむことができます。昆布締めも食感と共に風味が楽しめる逸品!
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地図を見るそして炙りにも挑戦しましょう。火を通すことにより甘みが増幅したホタテは地元の気仙味噌が使われた味噌だれで食するがオススメ。ちなみに味噌だれには陸前高田で取れた北限のハバネロを使用したという「タカネロ」が隠し味に!
さらに最下段のかき揚げもサクサクの揚げたてが提供されます。このホタテタワーだけで合計4枚の活ホタテが使われています。味の変化を楽しみながらたっぷりと食してみてください。
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地図を見るWメインのひとつである、ワカメのしゃぶしゃぶ。海から遠い場所に住む人にはワカメをしゃぶしゃぶで食べるということすらも知らない人もいるかもしれません。
当然、このワカメは広田湾で収穫されたもの。三陸は特に海藻類の名産地ですが、ここ陸前高田のワカメも有名。肉厚で弾力のあるワカメは、葉の部分と茎の部分両方をたっぷりと味わうことができます。
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地図を見るそしてこのワカメはただのワカメではなく「生ワカメ」ということがポイント!生のワカメは湯通しすると綺麗な緑色へと変わります。生ならではの舌触り、歯ごたえ、そしてかすかに感じる渋みも生ワカメだからこその風味。葉と茎の食感の違いも楽しみましょう。
ちなみに陸前高田でのワカメの収穫時期は3〜5月頃。生ワカメを楽しめるのはこの時期だけでしたが、地元企業が鮮度を保ったまま生ワカメを冷凍する技術を確立!通年でこの生ワカメのしゃぶしゃぶが楽しめるようになったのです。
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地図を見る「ホタワカ御膳」は細部まで陸前高田の恵みにこだわっています。ご飯も実は陸前高田産で、震災後に誕生した新しい品種である「たかたのゆめ」なのです。あらゆる具材と愛称のいい「たかたのゆめ」はワカメの佃煮と一緒に味わいましょう。
他にも高級な海藻であるマツモが入ったホタテ汁や地場野菜の香の物、そしてワカメを使ったデザートまでがワンセットとなっています。実はこの「ホタワカ御膳」、よく見ると和食のあらゆるエッセンスが盛り込まれた完成度が高い「和食」でもあるのです。
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地図を見る「ホタワカ御膳」が食べられるのは陸前高田市内にある「キャピタルホテル1000」「ホテル三陽」「陸丸」「カフェフードバーわいわい」の合計4軒。その中から今回お邪魔したのは「キャピタルホテル1000」。もともとは高田松原に隣接した地にあり、震災で大きな被害を受けてしまったため高台へ移転し、陸前高田の復興シンボルとして再オープンしました。
そして陸前高田の今後を背負うであろう新名物「ホタワカ御膳」は、新鮮な海の幸だけでなく、そこに込められた料理人たちの魂も確かに感じ取ることができる逸品。わざわざ出かけて食べに行きたくなる、そんな新名物なのです。
<キャピタルホテル1000の基本情報>
住所:岩手県陸前高田市高田町長砂60-1
電話番号:0192-55-3111
登場から1年でなんと4000食以上も出たという「ホタワカ御膳」。どのお店でも統一料金の1,350円(税込)、そして統一メニューで提供される「ホタワカ御膳」ですが、唯一デザートと香の物に関しては各店舗のオリジナルとなっています。よくよく考えれば活ホタテを4枚も使った料理が1,350円というのも実にリーズナブル!
NHKの連続ドラマ「あまちゃん」でびっくりした時に発する方言「じぇじぇじぇ」が有名となりましたが、陸前高田周辺の気仙地方では「じぇじぇじぇ」ではなく「ばばば」といいます。きっと食べれば「ばばば」と驚く「ホタワカ御膳」を食べに、陸前高田まで足を運んでみませんか?
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(2024/3/19更新)
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