写真:藤 華酉
地図を見るマウルブロン修道院は、12世紀に建てられたドイツ南部の世界遺産の一つです。修道院の敷地は城壁で囲まれており、内部には教会の他にも複数の建物が存在するため、これだけで一つの町のような造りになっています。
元々はシトー派の修道院として発生しましたが、その後は神学校になり、現在は博物館として活用されています。
ヘルマン・ヘッセは学生時代をマウルブロンの神学校で過ごしており、「車輪の下」「ナルチスとゴルトムント」などの作品の舞台となりました。
写真:藤 華酉
地図を見る美少年達の耽美な世界を期待して訪れた人々を、マウルブロン修道院は裏切りません。
修道院の見所は、なんと言ってもその美しい回廊にあります。修道院の回廊は、僧が歩きながら瞑想出来るよう造られており、規則正しい配列の柱、壁を飾る墓標、そして緑の中庭が心を慰め、静寂の世界へと誘います。一際美しいのが、写真の水盤(噴水)。中世から変わらず水を落とし続けています。
写真:藤 華酉
地図を見るここで、小説をお読みの方は思い出すに違いありません。いや、神学校の生活、そんなに明るく書かれてなかった。とんでもなく暗い描写だった。主人公、つらそうじゃなかった?と。
その通り、「車輪の下」の主人公は神学校から逃げ出していますし、ヘルマン・ヘッセ自身もマウルブロンの神学校に馴染めず中退しています。
石造りのマウルブロン修道院は、暗く重苦しい雰囲気も秘めています。世の喜びを捨てた修道士ならまだしも、遊びたい盛りの少年達には若干つらい環境だったかも知れません。しかし、こうした仄暗い雰囲気もまた、ヘルマン・ヘッセの小説の愛読者には愛すべき環境に違いありません…
写真:藤 華酉
地図を見る普段は静寂に包まれているマウルブロン修道院が華やかに活気付くのが、春のイースターマーケットとクリスマスマーケットの時期。2017年は、3月11日、12日の開催です。
イースターマーケットの時期は、色とりどりの卵や花、兎のモチーフの飾りが目を楽しませてくれるでしょう。こちらのマーケットは、「職人市」としての色合いが強く、陶器や絵画、オーナメントや木彫りなど、手作りの品々が並んでいます。この時期に広場を開放し、職人による市を立てるのは、中世の頃からの伝統でした。はるばるドイツ人も訪れる本格的なイースターマケットを覗いてみませんか。
写真:藤 華酉
地図を見るおおかたの質素なイメージを裏切り、美味しいものを食べたり呑んでいたりしたのが南ドイツの修道院のようです。
マウルブロン修道院の敷地内にあるレストランは美食で有名。中でも、南ドイツの日常食である「マウルタッシェ」の発祥の地として知られています。
マウルタッシェは洋風餃子。小麦粉の皮で、挽肉を包んだ料理です。焼いても煮ても美味しく、コンソメやトマトのソースで和えて食べます。
かつての断食の時期、丁度カーニバルからこのイースターまでの間、修道院では肉食は禁じられていました。しかし人はパンとワインのみで生きるにあらず、やっぱり肉も食べたい。そんな修道士達は、小麦粉の皮で包んで隠し、神様には見えない事にして、肉を食べました。これがマウルタッシェの製造秘話です。
写真:藤 華酉
地図を見るシュトゥットガルトから:
Karlsruhe(カールスルーエ)行きのRE列車に乗り、約30分。Muehlacker 駅でバスライン700に乗り換えて約15分。Birkenhof, Maulbronn 駅から徒歩5分です。
ハイデルベルクから:
Stuttgart行きのRE列車に乗り、約40分。Muehlacker 駅からバスライン700に乗り換えて約15分。Birkenhof, Maulbronn 駅から徒歩5分です。
2017年のイースターマーケットは3月11日、12日に開催されます。イースター当日はお休みである事にお気をつけ下さい!
世界遺産にも認定されている美しい建築、神聖な雰囲気、それに美味しいグルメまで楽しめるマウルブロン修道院。かつての美少年達の園だった小説の舞台を、ご堪能下さい。
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(2024/4/25更新)
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