鳥取県の奥座敷三朝温泉では、毎年5月のゴールデンウィークに「花湯まつり」が開催されています。「花湯まつり」の由来は諸説ありますが、お釈迦様の誕生を祝い、その年の豊作と商売繁盛を願うお祭りとされています。
以前は、4月8日のお釈迦様の誕生日の一ヶ月後の、5月8日に開催されるのが習わしでした。現在は、休日の関係があり毎年5月3日と4日に開催され、大綱引きは5月4日の夜に開催されます。
「花湯まつり」では三朝神社では温泉の恵みに感謝する祭典や、お薬師供養祭が行われ、子どもたちの成長を感謝し、健やかな成長を願う稚児行列が三朝温泉街を練り歩きます。
なんと言っても一番の見どころは大綱引き「陣所」と呼ばれる行事です。これは五穀豊穣、商売繁盛を願う綱引きです。その年、東が勝てば豊作、西が勝てば商売繁盛!すると言われています。
陣所の醍醐味は、まずこの綱引きの綱です。長さは80メートル、胴回りは約1.5メートルあり、これを2本作ります。地元ではそれぞれを雄と雌の綱と呼んでいます。この2本の綱の重量をあわせると4トンにもなります。
これを、毎年住民の手作業で作っているというからすごいですね。国の重要無形民俗文化財に指定される所以はここにあるのですね。(「三朝のジンショ」は平成20年3月11日国の重要無形民俗文化財に指定 )
「陣所の館」では実際に使用される綱が展示されています。実際は4トンほどあるのですが、綱1本1本は実際に使われているものと、太さや固さなどまったく同じです。これだけでも大きいのに祭りの綱はどんなものだろうと想像が膨らみます。
「花湯まつり」の陣所はどんなものかというと、まずは綱を設置することからはじまります。この綱引きは、三朝温泉のメインストリート「三朝温泉本通り」で行われます。地域の住民が東西に分かれ、東側と西側から綱を引き入れます。この綱、1本2トンもあるわけですから、なかなか引き入れられるものではありません。
「オイサー、オイサー」のかけ声とともに、法被姿の勇姿たちが綱を引き入れます。なにしろ綱は重いですから、引き上げてはまた地面につき、という繰り返しで少しずつ動かしていきます。途中で観光客が手伝うことも多々あります。
そう、この綱引き、地域住民だけではなく、観光客も綱引きに参加できるのです。綱引きのおおよそ1時間前ぐらいに場所を陣取っておくと、いい場所で綱を引くことができます。観るときも早めに場所をキープしないと、「温泉本通り」は狭く人がいっぱいで綱引きを観ることができなくなってしまうからです。
綱が設置されたら、次は雄雌の綱をあわせることが始まります。この綱が、なかなか合体しない。毎年のことですが、これが何度か繰り返されて合体した!と思ったらすぐに綱引きが始まります。その瞬間は一瞬ですが照明が消えそれが引き合いの合図です。
綱引きが終わると縁起がいいと言われて、この綱を持ち帰ることができます。(祭り後に裁断してもらえます)
写真は綱と綱を合わせるくさびに使用されている「かせ木」。
そんな勇壮な祭りを再現したのがミニチュアです。とてもかわいらしく、愛らしいのですが、ひとひとつに表情があり、祭りの醍醐味と楽しさを表現した逸品です。時間をかけて一体ごと観ていくと、まるで自分もその中にいる気分になってしまいますよ。
今にも動き出しそうなぐらいリアルです。
酒樽が使われた階段を上がると、そこはまんがと本の宝庫です。
「まんが王国とっとり」のひとつの事業として、まんがや本が置いてあり、自由に読むことができます。さすが、まんが王国!
ここでは鳥取に由来するまんがの本や、鳥取にまつわるまんがの一コマなどが展示されています。こんなところに、鳥取の風景が使われていたの!と驚くこともありますよ。
ちなみに、まんが「テルマエ・ロマエ」にも、三朝温泉が登場していると思われる場面があります。
落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと読書をお楽しみください。
「陣所の館」はラジウム含有量日本一として知られるラジウム温泉である、三朝温泉の入り口に館があります。三朝の顔と言ってもいいでしょう。
三朝温泉はこのように、温泉以外にも見所がたくさんある温泉地です。温泉も良質ですが、街の中をゆっくり時間をかけて巡ると、さらに癒されて温泉効果が二倍、三倍となる街です。
もちろん、5月4日の大綱引きに来て、綱引きに参加されるのもお勧めです。
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(2024/4/25更新)
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