写真:木村 優光
地図を見る「妙蓮寺」は西陣を東西に走る寺之内通りの北側に面した寺院です。寺之内通り自体、それほど大きな道路ではないため、たまたま通りがかった際に「妙蓮寺」の存在を知る人がほとんどの穴場寺院です。
「妙蓮寺」の山門は屋根の中心が棟の中央に位置せずに、若干前側にくることで知られた薬医門と呼ばれる造りのため、寺之内通り側から山門を見ると、前側の柱ががっちりしていてとても迫力ある山門です。
なお、「妙蓮寺」の山門は、1788年に起きた天命の大火により消失しましたが、1818年にすぐ東側の御所より譲り受けたもので、大門の両側に設けられた小門が特徴的で、非常に貴重で格式高い山門です。
写真:木村 優光
地図を見る山門から入ってすぐのところには鐘楼があり、横には桜が植えられている関係で、鐘楼とのコラボレーションはお見事!この桜ですが、10月中旬頃から咲き始めて翌年の4月中旬に満開になる、御会式桜と呼ばれる品種で、開花期間がなんと約半年間!そんな桜を見たことがありますか?!
なお、10月中旬と4月中旬を日蓮宗関係の歴史上でおさらいすると、日像が尊敬する日蓮大聖人のご入滅された日が10月13日で、お釈迦様の誕生月が4月8日とされているため、日蓮大聖人とお釈迦様を結びつける桜とされています。とてもミステリアスな言い伝えに、御会式桜がとても神聖なものであることがわかります。
なお、この鐘楼ですが、写真でもわかるように本格的な袴腰構造のもので、江戸時代にはよく見ることができた構造です。現在ではあまり見ることができない構造だけあって、こちらも非常に貴重な鐘楼です。
写真:木村 優光
地図を見る上で紹介した鐘楼から本堂の方へ境内を移動してみましょう。するとすぐ本堂の前には、日像上人の銅像が置かれています。春先はピンク一色の桜に守られているようで、見ているだけでも心が和みます。それだけ日像上人に対する「妙蓮寺」の位置づけが高かったことが伝わってきます。
写真:木村 優光
地図を見る本堂西側は塔頭と呼ばれる小院が門を構えて建ち並んでおり、本堂との間の境内スペースにはたくさんのソメイヨシノが植えられています。そのため、春先に上を眺めてみるとピンク一色の空のよう!
桜の木が植えられているだけの特に何もない広場ですが、訪問する人もほぼ皆無状態ですので、ゆっくりとお花見を楽しむことができます。ただし、お寺さんの境内ですので、敷物を引いて宴会をすることは厳禁です!
写真:木村 優光
地図を見る本堂の周囲を時計回りに回遊し、北側にある庫裏までやってくると、綺麗に白砂が敷かれた枯山水庭園が現れます。中央に濃いピンク色が特徴的な枝垂れ桜が植えられていて、その周囲には絶妙な配置で石塔などが置かれています。
芸術的に見ても素晴らしすぎる庭園ですので、初めて目にしたら、しばし見とれてしまうことでしょう。ここまで無料で拝観でき、しかも桜の季節でも訪問する人が非常に少ないため、静かにお花見を楽しみたい場合はオススメ!
なお、庫裏より北側は方丈側の庭園となっていて、500円の拝観料を払えば素晴らしい庭園を見ることができます。特に「十六羅漢の石庭」と呼ばれる枯山水庭園は一見の価値あり!
「妙蓮寺」は織物で有名な西陣に位置している関係上、周辺の観光名所としては西陣織の工場しかないのでは?と思われそうですが、これは間違いでもなく正解でもありません。
実は隠れた寺院がたくさんあり、そのほとんどが観光寺院ではないにしろ、見ごたえがある境内庭園を持った寺院が非常に多くあります。したがって、西陣織の工場見学とともに、貴方だけのお気に入り寺院を探してみるのもよいでしょう。
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(2024/4/27更新)
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