枝垂れ桜が満開の白砂庭園に釘付け!?京都西陣「妙顕寺」

枝垂れ桜が満開の白砂庭園に釘付け!?京都西陣「妙顕寺」

更新日:2017/03/01 12:15

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
京都市上京区の西陣エリアでは比較的広々とした境内を持つ「妙顕寺」は、日蓮宗の大本山です。日蓮亡き後、日像は後醍醐天皇より寺領を賜り、妙顕寺を建立しました。広い境内には桜の木が所狭しと植えられているため、春先には境内あちこちがピンク一色に!また「勅使門」を境に素晴らしい庭園があり、白砂庭園の中に植えられた1本の枝垂れ桜はお見事としか言いようがなし!都会の喧騒を離れてゆっくりと訪問してみよう!

「妙顕寺」の山門といえば南面!

「妙顕寺」の山門といえば南面!

写真:木村 優光

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「妙顕寺」を訪問する場合は、寺之内通り沿いの南面からの入山をオススメします。京都の他のエリアと比較すると、観光名所が少ないため、まさかこんなところに、広々とした境内を持った、四季折々の美しい寺院があると誰が想像を付くことでしょうか。

なお、寺之内通りから山門越しに本堂を見ることができますが、ただ眺めているだけでは、境内の様子はほんのわずかしか伝わって来ません。したがって境内の様子を察知するには、山門をくぐり、数歩ほど境内に入ってみるとよいでしょう。それが寺院観光のオススメメソッドです。

「妙顕寺」の山門といえば南面!

写真:木村 優光

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なお、山門の横には見事な枝垂れ桜もあるため、素晴らしい境内庭園があるのでは、と予測することができます。写真はちょうど山門と小門の間に挟まれたエリアで、右端には日像が由井ヶ浜で感じ取ったとされる「浜ゆり題目」の石塔があります。

やはりそれでも外見だけでは寺院境内の様子までは想像がつかないもの!初めて入山する寺院さんは入り難い雰囲気があるかもしれませんが、ここは意を決して足を踏み入れてみましょう。すると外側からでは見ることができなかった新しい発見が絶対にあります。

参道を徐々に奥の方へアクセス!

参道を徐々に奥の方へアクセス!

写真:木村 優光

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南側の山門をくぐると真正面には本堂が見えます。晩秋は真っ赤に染まりあがる参道は、春先は新芽の息吹となり、新しい命が生まれるようでうれしい気持ちになります。まずは本堂にて参拝し、そのあとは右側にある慶中大菩薩へ向かってみましょう。

本堂を背にした場合は左手、尊神堂と三菩薩堂の間には回廊を渡す太鼓橋がありますが、その先には桜の木に囲まれた慶中大菩薩の鳥居があります。この慶中大菩薩は京都御所鎮護の守護神であり、願い事が必ず叶うと言われていますので、こちらでも頭を下げてお参りすると良いでしょう。

参道を徐々に奥の方へアクセス!

写真:木村 優光

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今度は本堂を正面にして左手には満開の桜に囲まれた鐘楼があります。ピンク一色のど真ん中に荘厳な鐘楼!これこそ日本文化を連想させるにはぴったりの役者ぞろいです!素晴らしい眺めに「妙顕寺」は本当に観光寺院ではないの?と疑ってしまうほど!

写真を撮る方であれば、鐘楼にピントを合わせて、桜の花をぼかしてみると面白い1枚になるでしょう。鐘楼のみならず太鼓橋やそのほかの被写体にピントを合わせて桜の木をぼかしてみるのも面白い1枚に仕上がります。

参道を徐々に奥の方へアクセス!

写真:木村 優光

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真上の満開の桜を眺めながら、そのまま本堂の横をさらに進むと、本堂と庫裏などを結ぶ渡り廊下が見えます。ここも辺り一面桜の木だらけで、ピンク一色の空間に渡り廊下は本当に息を呑むほどの美しさ!

こちらも様々なアングルで写真を撮ってみるのもよいでしょう。写真は手前の桜にピントを合わせて、渡り廊下やさらに奥側の背景をぼかした1枚です。時折、渡り廊下を歩く僧侶を入れてみると、京都らしい1枚に仕上がります。

時間がなくても絶対立ち寄りたい!拝観料300円の境内拝観コース!

時間がなくても絶対立ち寄りたい!拝観料300円の境内拝観コース!

写真:木村 優光

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上で見た渡り廊下を本堂の回廊から見たものが写真になりますが、実は庫裏の受付から拝観料を払うと本堂やその他の素晴らしいエリアに立ち入ることができます。拝観料は大人300円。

まずは庫裏から本堂側を拝観し、その後は庭園側へアクセスするルートが「妙顕寺」の順路になります。本堂側から見る渡り廊下とその背景に咲き乱れる桜の花は、和の文化を最大限に感じさせてくれます。

時間がなくても絶対立ち寄りたい!拝観料300円の境内拝観コース!

写真:木村 優光

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本堂から渡り廊下を通り、庫裏を横目に見ながら庭園方面へアクセスしてみましょう。素晴らしい白砂庭園に枝垂れ桜!これこそ拝観料を払って見るだけの価値が十分にある、綺麗な庭園が見えてきました。

渡り廊下から見る白砂庭園も素晴らしい眺めで、廊下の屋根を額縁などのフレームに見立ててみると、和の素晴らしさが引き立って見えます。普通に庭園を眺めるのも良いですが、周囲にある暗めのものをうまいこと利用して見ると、庭園の素晴らしさが際立ちます。

「妙顕寺」のクライマックス!「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」

「妙顕寺」のクライマックス!「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」

写真:木村 優光

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いよいよクライマックスの「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」を真正面から堪能してみましょう。京都市内において、白砂庭園と枝垂桜のコラボレーションで有名な寺院としては、東山区にある「高台寺」ですが、「妙顕寺」もシチュエーション的にはほぼ変わらず!では、何が違うか!?それはライトアップがあるかないか!

したがって昼間のみの枯山水庭園と枝垂桜を満喫したいのであれば、断然「妙顕寺」をオススメします。知名度がそれほど高くないことや、観光寺院ではないことが幸い、混雑度合は「高台寺」の1/10以下!しかも縁側に腰を下ろしてゆっくり観賞できるのですから、文句はありませんよね?

枝垂れ桜の横には「勅使門」もあり、一見堅苦しい雰囲気のように思われますが、堅苦しさを和やかにしてくれるのが京都という立地!力を抜いて、現実で起こった嫌なことを全て消し去ってくれるようで、何時間でも座っていられそうな気分になります。こんな素晴らしい庭園の中で辺りからメジロの鳴き声が聞こえてきたら、さらに最高の気分になります。

「妙顕寺」のクライマックス!「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」

写真:木村 優光

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「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」の素晴らしさに満足したら、「孟宗竹林の坪庭」を一目見て戻ることにしましょう。満開の桜を見た後にも関わらず、木の香りがとても気持ち良い場所ですので、さらに日常からフワフワと天国へ飛んでいってしまいそうな気分に!これも京都の寺院の素晴らしいところです。

やがて竹林が綺麗な「孟宗竹林の坪庭」にアクセスできます。桜の季節に訪問しているので、満開の桜が目に焼き付いていますが、目の前に広がる竹林は桜ばかり見た目の目休めのよう!これも京都で見ることができる庭園のマジックです。

穴場寺院とは思えない「妙顕寺」の素晴らしい境内

「妙顕寺」は京都市内の中でも穴場寺院の部類に入りますが、素晴らしい庭園には京都の他の有名な観光寺院と肩を並べるほどのレベルで、訪問して絶対に損はしないでしょう。

「妙顕寺」があるエリアは西陣と呼ばれるエリアで、その名から西陣織が有名です。西陣織の歴史をたどる上でも重要なエリアですが、洛東エリアに比べるとガイドブックには名所など大々的に載っていませんので、私的名所を探索してみるのも面白いですよ。

なお、「妙顕寺」の桜の見頃はその年の気候などにもよりますが、3月下旬〜4月上旬付近です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/02 訪問

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