”歳寒三友” 冬の京都で「松竹梅」をめぐろう!

”歳寒三友” 冬の京都で「松竹梅」をめぐろう!

更新日:2015/02/05 17:46

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
めでたさの代名詞、「松竹梅」は古くから日本人に親しまれてきました。松と竹は寒中にも色褪せず、梅は寒中に花が開く。これらのことから松竹梅は”歳寒三友(さいかんのさんゆう)”と呼ばれています。そこで今回は、冬の京都のモデルコースを「松竹梅」をテーマにしてご紹介します。冬でしか楽しめない京都の一面も盛り込みつつ、観光オフシーズンの京都を楽しんでみましょう!

「松」〜善峯寺・遊龍の松

「松」〜善峯寺・遊龍の松

写真:bow

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まずは一番手の「松」は洛西・善峯寺の「遊龍の松」です。善峯寺と言えば、紅葉や桜、紫陽花などで有名な花の寺。しかし、松でも有名な寺だったのです。

その「遊龍の松」は横長に伸びる五葉松。高さ自体は2〜3mなのですが、全長は40mもありとにかく長い!樹齢はなんと約600年と言われています。この遊龍の松、実は平成6年に松食い虫の被害の為、15m程切られてしまったのが現在の姿。もともとは全長54mを誇ったとされています。しかし、現在でもその雄大な姿を楽しむことができます。

その松の伸びる姿はまさに龍が遊ぶかのごとき姿!「日本一の松」と呼ばれており、「遊龍」の名称は安政4年(1857年)花山院前右大臣家厚公により付けられたものが今に伝わっています。

国の天然記念物に指定されていて、また「新日本名木100選」にも選ばれています。京都を代表する銘木の1本、それが「遊龍の松」です。

「竹」〜嵯峨野の竹林

「竹」〜嵯峨野の竹林

写真:bow

京都で「竹」と言えば、やはり嵯峨野の竹林です。この竹林ですが、実はちゃんとした名称がないようです。「嵯峨野の竹林」「竹林の道」「竹の小径」など、何通りの呼び方があるのかわかりませんが、とにかく「嵯峨野の竹林」です。

一年中、嵯峨野の竹林の緑は色褪せず、多くの観光客を出迎えます。数々のCMやドラマなどで登場しているので、訪れた人は「おお、見たことある!」などと感動の声を上げ、そして記念撮影へ、という一連の流れに乗る事でしょう。

年中観光客が絶えない竹林は、なかなか人が写りこんでいない写真を撮るのは難しいスポットです。しかし、オフシーズンにあたる冬ならチャンスは倍増!ぜひ、かっこいいショットを撮ってくださいね!

撮影におすすめのエリアは野宮神社から大河内山荘に至る間の道です。起伏にも富み、左右にうねる竹林の間を抜ける区間の道が絶好の撮影スポットです!

冬の京都・名物湯豆腐を味わおう!「ゆどうふ竹仙」

冬の京都・名物湯豆腐を味わおう!「ゆどうふ竹仙」

写真:bow

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さて、ここらでちょっと寄り道。「松」で善峯寺、「竹」で嵯峨野の竹林へと辿り着いたらぼちぼちお昼頃。お腹がすいてきた貴方には冬の京都ならではのお食事を楽しんでもらいましょう。

「竹」での寄り道なので、お店も「竹」にちなんだ名前で「ゆどうふ竹仙」をご案内します。嵯峨野清凉寺の中に店を構えている「ゆどうふ竹仙」は清涼寺門前にある、豆腐店「森嘉」の嵯峨豆腐を使った湯豆腐が食べられる、知る人ぞ知る名店なのです。「森嘉」の豆腐は京都でも最高峰の豆腐と言われ、芸能人にもよく訪れる超有名店!そのなめらかなのどごし、そして豆腐本来の味わいを存分に味わって下さい!

また、「ゆどうふ竹仙」は湯豆腐だけでなく、その脇を添える京料理も絶品。季節に応じ、目でも舌でも楽しませてくれる正統派の京料理です。中でも自家製の胡麻豆腐はファンが多い絶品!お持ち帰り用もあり、あまりの美味しさについつい買って帰る人が多いんですよ!

落ち着いた店内は時間の流れも実にゆったりしています。そんな中で絶品湯豆腐を楽しむ。ちょっぴり贅沢なお昼のひとときをゆどうふ竹仙で過ごしてみましょう。「ああ、今自分は京都にいるんだ!」と実感させてくれるような、そんな素敵なお店です!

スムーズに食べたいならご予約を!ゆどうふ竹仙へは嵯峨野の竹林から徒歩約10分程です。

■ゆどうふ竹仙 
TEL 075−882−3074
定休日 木曜日(ハイシーズン中は無休)
昼  ”ゆどうふおきまり” 3675円より

「梅」〜北野天満宮の梅

「梅」〜北野天満宮の梅

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寒い冬に敢えて花を開く「梅」。京都で「梅」の名所と言えば、やはり北野天満宮でしょう。

「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」

菅原道真公がそう詠んだ北野天満宮の梅は、約2万坪の境内に50種類1500本という規模を誇っています。早咲きの梅は1月からちらほらと咲きはじめ、例年2月初旬頃からは広大な敷地に梅を楽しめる梅苑が公開されます。一番の見ごろは2月下旬から3月中旬頃ですので、この時期を狙って訪れて下さい!

梅苑は入場600円でお茶菓子付き。北野天満宮の梅苑の梅を使った香煎茶と、「官公梅」と言う名の京都らしい麩焼せんべいを頂けます。お茶とお茶菓子は京都でも有名な老舗和菓子店「老松」のもの。どうりで美味しいはず!お土産用に梅苑内の売店でも購入可能です。

香り高いお茶を飲みながら眺める梅もまた格別!北野の梅を存分に楽しみましょう。

冬だからこそ、”歳寒三友”を楽しみましょう。

寒さに耐えながら、緑を絶やさない松。同じく竹も寒さに負けず、まっすぐすくすくと伸びます。そして梅は全ての花の先駆けとして花を開き、春が待ち遠しくなる香りを届けます。これら松竹梅は「清廉潔白・節操」、その象徴として中国の文人の理想を表現したものとして描かれていたそうです。いつしか、それは日本に伝わり、やがてめでたさの象徴として広く日本人に定着したのです。

冬の京都は”底冷え”と呼ばれる独特の寒さにみまわれる時期です。しかし、そんな中にもある確かな生命の息吹を感じつつ、”歳寒三友”すなわち冬に友とすべきもの「松竹梅」のテーマでめぐってみてはいかがでしょうか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 −2014/01/15 訪問

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