丸亀・本島の塩飽勤番所で見る秀吉の朱印状や咸臨丸の品々

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丸亀・本島の塩飽勤番所で見る秀吉の朱印状や咸臨丸の品々

丸亀・本島の塩飽勤番所で見る秀吉の朱印状や咸臨丸の品々

更新日:2017/04/10 09:20

大里 康正のプロフィール写真 大里 康正 旅ライター、写真家

香川県丸亀市に属する本島付近は、瀬戸内海の潮流が複雑に渦巻くことから「潮湧く」と言われ、それが塩飽の語源だと言われます。塩飽の歴史は古く、織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康らの朱印状を地元の有力者が交代で保管に努め、政務を取り仕切りました。

また、幕末に勝海舟や福沢諭吉がアメリカに渡った咸臨丸の水夫の多くが本島出身であり、その貴重な品々も残されています。ここは本島観光で必須の場所なのです。

長屋門の見事さ

写真:大里 康正

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本島で唯一の港「本島港」から歩いて10分程度。塩飽勤番所跡は、入母屋造で見事な本瓦葺の建物です。白壁は時代を感じさせる風情があり、この長屋門を見るだけでもこの場所がいかに重要であったかが感じられるはずです。

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国指定史跡でもある塩飽勤番所が公式に勤番所として建築されるのは、寛政十年(1798年)です。それまでは地元の年寄が時の権力者の朱印状を大切に保管し、取り仕切っていたのです。

勤番所とは、地元の年寄りが政務を勤めた場所。全国的にも珍しく、歴史的に価値ある場所に様々なものが大切に残されていると言えるでしょう。

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建物の中は美しく、控えの間、執務の間、奥座敷や台所まで作られており、その作りは見事なもの。ぜひ、隅々まで見学してみて下さい。

朱印状は市指定古文書

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こちらは豊臣秀吉の朱印状です。豊臣政権頃から人名(じんみょう)と呼ばされる様々な地域の船方がいました。その人たちの集まり、650人が共有する形となったのが塩飽諸島なのです。

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徳川体制となってからも朱印状は公布され、徳川家康のものも残されています。こうして公認された統治体制は長く続くこととなりました。

これらの資料が残され、しかも公開展示されているのですから、歴史ファンならずとも、教科書で習った人たちの資料を間近で見ることが出来るという意味でも価値のあることではないのでしょうか。

咸臨丸の水夫たちの遺品

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咸臨丸は軍艦奉行木村摂津守を筆頭に勝海舟、そして福沢諭吉や通約としてジョン万次郎も乗船し、太平洋を往復しています。安政二年(1855年)にオランダのキンデルダイクで作られ始め2年後に完成。長崎海軍伝習所の練習艦として日本に来ています。

咸臨丸がアメリカに向けて出港したのは万延元年(1860年)のこと。96人の乗組員の内、水夫が50人。塩飽出身の水夫が実に35人もおり、この内14人が本島出身となっています。

塩飽勤番所跡に残されている水夫たちの品々。この脇差と皿は広島県出身の水夫の物ですが寄贈されています。

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約160年前の品々。それにしてもサンフランシスコからのお土産品は、当時としては貴重なものだったことでしょう。そして現代では歴史の証拠品としてとても価値の高いものです。この女性が横たわるインクスタンドは、今の視点で見てもおしゃれだと思いませんか?

写真:大里 康正

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塩飽水夫の1人、石川政太郎(本島泊地区)の航海日記が残されています。咸臨丸の航海はサンフランシスコまでの37日間、ほとんどが雨交じり、嵐という難航海であり、晴れた日は5、6日しかなかったとされます。あまりに過酷であったことから、サンフランシスコでは水夫3人が病院で亡くなっているのです。

昔の航海図

写真:大里 康正

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他にも塩飽勤番所には、今でいう航海図とも言える古海図が残されています。細かな書き込みが多く残され、多くの人はこの海図を参考にしたことでしょう。

写真:大里 康正

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なお、塩飽勤番所跡の正面左側には昭和五十七年に時の皇太子殿下がご訪問されており、その記念碑が残されています。腰掛けられるベンチもありますので、休憩にいかがでしょうか。

最後に

潮の流れが速く複雑な塩飽で、長い間政所とされた塩飽勤番所跡には、貴重な歴史遺産があります。本島はアート巡りも有名ですが、歴史に触れてみるのも価値ある旅ではないのでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/11 訪問

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