丸亀「本島」に残る築百年の吉田邸!高度な建築と様々な美

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丸亀「本島」に残る築百年の吉田邸!高度な建築と様々な美

丸亀「本島」に残る築百年の吉田邸!高度な建築と様々な美

更新日:2017/03/05 19:49

大里 康正のプロフィール写真 大里 康正 写真家、旅ライター

香川県と岡山県のどちらからでもフェリーで行くことができ、随所に歴史が残されている香川県丸亀市「本島」の中で、特に見事な建築と歴史ある品々が残る吉田邸。ここは映画、ドラマ撮影でも度々使われる場所です。

築百年の歴史を誇りながら、襖や扉はまったくのくるいが無く、まるで新築のようにスーッと動くことからも、いかに高度な塩飽大工の家かが分かります。素晴らしき建築の工夫と、歴史的品々に迫ります。

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築百年の吉田邸は保存地区にあり

築百年の吉田邸は保存地区にあり

写真:大里 康正

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香川県丸亀市「本島」の中で、国の重要伝統的建造物群地区にあるのが吉田邸です。この辺りは笠島と呼ばれ、江戸から戦前までの名残を残す町並みがとても美しい場所。笠島の中心地付近にある「まち並保存センター」の十字路を尾上神社方向に進むと、左側に見えて来るのが吉田邸です。

当主の吉田稔氏は現在、別邸で生活をしていますが、こちらで生まれ育っており、祖父母から伝えられた様々な歴史を説明してくれます。なお、吉田氏は笠島まち並商工会の会長でもあります。

築百年の吉田邸は保存地区にあり

写真:大里 康正

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最初の玄関では見事な虎の衝立が迎えてくれます。二匹の虎はまるでこちらに飛び出してくるような迫力。時に和風建築で見られるものですが、これは複数の意味を持っています。一つは直接中を覗かれないため。また来客が一番先に目にすることから、その家の格式を表すとも言われていますので「美」が大切というのが二つ目。

築百年の吉田邸は保存地区にあり

写真:大里 康正

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玄関を入ってすぐ右側。扉を開くとそこは何と物置き。誰がそこに物置があると考えるでしょうか。発想そのものがお見事!今おさめられているのは数々の壺ですが、一つ一つが高価なものであるものの、展示場所が無いのでここに置いているのだそうです。

ちなみにこちらの玄関口は来客用で、日常生活では勝手口を使っていたそうです。住んでいた人ならではの面白いお話では。

入縁側と陶磁器のトイレ

入縁側と陶磁器のトイレ

写真:大里 康正

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玄関を上がると左に延びる入縁側。ここでは大正時代のガラスがそのまま残り、また、長さ12mで節のまったくない杉が使われています。杉は節が多いことで知られますが、それが無いのですからこれだけでもいかに高価な部材であるかが分かるのでは。

また、吉田邸ではあちらこちらに屋久杉が使われています。現在では希少材であり、手に入れることは困難な銘木です。

入縁側と陶磁器のトイレ

写真:大里 康正

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入縁側のすぐ左にあるトイレは陶磁器製。ここは来客用のトイレであり、通常使うことは無かったそうです。トイレの右側は見事な庭となっており、その景観が今でも保たれているのです。

室内の見事な工夫を見る

室内の見事な工夫を見る

写真:大里 康正

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「塵落とし」と呼ばれる建築方法で、障子の上部に使われています。下方向斜めにせり出す形で作られ、埃がたまりにくい作りとなっているのです。単なる障子と見逃さないようにして下さい。

室内の見事な工夫を見る

写真:大里 康正

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足元にも工夫があります。等間隔の節を持つ竹。なぜこのような場所にあるのでしょうか。それは日本人の生活様式に関係します。今ではイスが一般的ですが時代が古くなるほど、畳の上での生活です。畳に座ると目線は自然と低い位置になりますから、座った時にこそ分かる芸術。それがこの場所に竹が使われている理由なのです。

室内の見事な工夫を見る

写真:大里 康正

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欄間は美しい木目の中に、刀の鍔が埋め込まれているとても珍しいもの。実はこの中に一つだけまったく違った形の物があります。それは忍者が使った刀の鍔。それがどういうものなのか、ぜひ、現地で確かめてみて下さい。欄間の向こうには見事な床の間の部屋が広がっています。

美しき和の空間とロケで使われる部屋

美しき和の空間とロケで使われる部屋

写真:大里 康正

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塩飽大工の技が散りばめられた床の間の部屋。そこにある伊藤若冲(正徳六年−寛政十二年)の一対の掛け軸。見事な二幅が床の間を彩っています。また、ここに座して眺める庭。長い樹齢の松は様々な人を出迎えたことでしょう。ここが吉田邸の中でもっとも美しい和の空間です。

美しき和の空間とロケで使われる部屋

写真:大里 康正

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吉田邸では「映画」、「ドラマ」の撮影がよく行われています。そこに残されている総漆塗りのタンスは吉田氏の祖母が嫁入り道具として持ってきたものだそうです。中段の一部に使われているのは岡山のベンガラ。美しい朱色を見ることが出来ます。またタンスとしてもとても凝った作りをしており、歴史だけではなく細かな工夫が感じられることでしょう。

歴史ある展示品と部屋の隠し階段

歴史ある展示品と部屋の隠し階段

写真:大里 康正

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玄関口から一番奥に見える部屋に様々な調度品が展示されています。中には丸山応挙?と目される衝立や、大正時代のアコーディオン。アコーディオンは今でも当時の音色を奏でることが出来るのですから、精密な作りの高価な楽器だったことでしょう。

同じ場所にいつの時代の物なのか鉄兜も展示されており、観光に来た外国人の多くは喜んでかぶって写真を撮るそうです。それにしても、日本人の多くは歴史的な物を見たならば「触ってもいいのだろうか」と先に思いそうです。

歴史ある展示品と部屋の隠し階段

写真:大里 康正

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同じ部屋の中に二階に続く階段があります。ところが、見渡しても階段はまったく分かりません。さて、その場所はどこになるのか、ぜひ、現地で確かめてみて下さい。

また、隠し扉にも注目。吉田氏が手にしているのは扉の鍵ですが、鍵穴の場所は扉の下側になるのです。扉はきめの細かい桐で作られており、隠し扉と同時に日本の美も隠されていると言えるのでは。

歴史ある展示品と部屋の隠し階段

写真:大里 康正

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現在は香川県丸亀市の本島ですが、明治の頃は愛媛県だったという証拠が壁に展示されていますので、これだけでもとても貴重な歴史の資料です。

最後に

丸亀市「本島」の築百年の吉田邸は、長い歴史を現代に伝える貴重な場所。今回ご紹介した他にも様々な展示物があります。ぜひとも足を運び、皆さん自身で和の美しさと歴史の長さを体感してみてはいかがでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/11 訪問

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