写真:LUI
地図を見る哲学の道とは京都市の北東部、東山のふもと、左京区・若王子神社から銀閣寺に至る、疏水に沿った約1.5キロの散歩道です。その名の由来は、哲学者の西田幾多郎が散策、思索にふけったことから、この名がついたといわれていて、日本の道百選にも選ばれています。
春には疏水沿いの桜の木が一面一杯に咲き誇り、人々を楽しませてくれます。京都でも人気の観光スポットの一つで、今回の散歩旅の椿の名所は、この哲学の道沿い周辺にあります。南から上がるルートが最終ゴールが銀閣寺前で休めるところが多いので人気です。今回の見どころも南からのルートで紹介します。
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地図を見る哲学の道沿いの初めの椿の名所、霊鑑寺は654年に後水尾天皇が皇女を開基として創建した寺院です。書院には狩野派の作と伝わる華麗な障壁画に彩られており、代々皇女が入寺されたことから「谷の御所」とも呼ばれた尼門跡寺院です。
通常は非公開で例年、椿の咲く春と紅葉の秋に特別公開されます。
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地図を見る霊鑑寺は回遊式庭園は大文字山の裾野に広がり、江戸中期の作庭技法が用いられています。ここには約70種、150本ほどのツバキが植えられており、春には様々な種類のツバキが咲き誇る様を観賞できます。
特に、京都市の指定天然記念物にも指定されていた、後水尾天皇の愛した樹齢400年の日光椿が、見どころだったのですが、2015年秋に惜しくも枯死しました。しかし、根でつながっていた近くの日光椿が同じDNAを持つことから、指定天然記念物を引き継ぐこととなり、今も華麗な花を咲かせています。
日光椿は、おしべが小円形にまとまる「カラコ咲き」がその特徴です。
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地図を見る庭園には他にも散椿、白牡丹椿、舞鶴椿、黒椿、月光椿といった種類の椿も植えられています。(写真は舞鶴椿)
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地図を見るローゼフローラという品種の散った椿ですが、このように、苔むす庭園と散椿の織り成す美しさも楽しめます。
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地図を見る次なる法然院は、霊鑑寺から歩いて約10分のところにある寺院です。その名の通り、浄土宗の法然上人にゆかりのある寺院で、1680年に現在の伽藍の基礎が築かれたといわれています。
参道を歩いていくと、趣のあるこじんまりとした茅葺の山門が迎えてくれます。
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地図を見る入り口には「不許葷辛酒肉入山門(臭いが強く辛い野菜や肉などのなまぐさものを食べた者、酒を飲んだ者は、山門に入るのを禁止するの意)」と記された石碑がありますが、観光客入山禁止といったわけではないのでご安心ください。
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地図を見る山門をくぐると、美しく整えられた白砂壇が目につきます。これらは水を表し、間を通ることは心身を清めて浄域に入ることを意味します。白砂壇の砂紋はずっと同じものではなく、変化があるので砂紋に注目する面白さもあります。
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地図を見る法然院は知る人ぞ知る椿の名所でもあります。毎年春、椿の見ごろに伽藍内の特別拝観が行われます。
とくに見ておきたい椿が、本堂北側の中庭の三銘椿といわれる椿です。それぞれは五色散り椿・貴椿・花笠椿で、日の当たりにくい中庭でも、鮮やかな花を咲かせ、堂内を彩ります。
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地図を見る三銘椿のうち、五色散椿は一本の木から紅、桃、白、紅白、まだらと咲き分ける、なかなか見ることがない珍しい椿です。落花も普通の椿のように花ごと落ちるのではなく、花びらごとに落ちていきます。
貴椿は並んでいる真中の椿で、美しい白の花が咲かせます。
花笠椿はまだら模様の美しい花を咲かせます。
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地図を見る椿の花を手水鉢に浮かべるといった、椿を使った粋な演出がされているので、それらに注目して堂内をめぐるとより楽しむことができます。
哲学の道沿いには他にも、大河ドラマ八重の桜でも有名な新島襄と八重のお墓や、狛犬ならぬ狛ネズミがかわいらしい豊国神社、言わずと知れた銀閣寺こと慈照寺など見どころがたくさんあります。
この春は是非、桜だけでなく、椿に注目した哲学の道の散歩を楽しんでみてください。
各所アクセス
哲学の道の南始点 市バス宮ノ前町または南禅寺永観堂道を下車、徒歩約6分
霊鑑寺 市バス真如堂前を下車、徒歩約5分
法然院 市バス南田町を下車、徒歩約5分
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(2024/3/28更新)
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