写真:たぐち ひろみ
地図を見る「近江町市場」の始まりは享保6(1721)年。袋町の魚市場に続き、犀川口(さいがわぐち)の市場が近江町に移り、新しくできたのが現在ある市場の原型です。京都に「錦市場」、金沢には「近江町市場」。「おみちょ」というニックネームで親しまれるこのアーケードは、実に300年近くもの間、「金沢の台所」として市民の食を支えてきました。
市場が活気づくのは毎日9時から18時ぐらいまで。ただし、営業時間は店舗ごとに異なり、水曜日は休業のお店が多いので要注意です。金沢駅から徒歩圏内、便利な街の中心部に位置していることもあり、週末ともなると午前中から買い物客でごった返します。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る「加能ガニ」という名前を聞いたことはありますか? 一年を通じて日本海産の魚介が満喫できる金沢で、冬の名物としてまず挙げられるのがカニ。「加能ガニ」は、その中でも石川県産のオスのズワイガニだけに付けられる名前です。全国的にも徐々に知名度を上げつつあり、今ぜひ注目したいブランドガニといえます。
「加能ガニ」の漁期は、毎年11月6日から3月20日まで。この時期に近江町市場を訪れると、青いブランドタグをつけたこのカニがあちこちで立派な赤い甲羅を並べています。地方発送もしてくれるので、ここは太っ腹にお買い上げ、といってみませんか?
ちなみに、加賀の「加」+能登の「能」で「加能」ガニ。名前にひねりはありません。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るもう1つ、金沢の冬を代表するのが「のど黒」です。正式には「アカムツ」と呼ばれる白身魚で、口の中が真っ黒なことからこう呼ばれています。日本海でしか採れないため、関東では高価な魚として知られる「のど黒」ですが、ここでは比較的手頃な値段で買うことができます。炙ってお寿司で食べるとこれが絶品! 市場内のお寿司屋さんでももちろん食べられます。
春は真鯛、夏は岩ガキ、ガスエビ、カマスと、季節を代表する味覚も目白押し。一年中目の離せない近江町市場です。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る冬の近江町市場では、生ガキもたくさん店頭に並んでいて、その場でも味わえるのが旅行者に人気です。他にも、エビ、ウニ、肉団子、名物の近江町コロッケ、カットフルーツなど、食べ歩きできる味覚が勢ぞろい。あちこちでつまみ食いしながらの市場見学なら、楽しさも倍増です。
魚市場のイメージが強い近江町市場ですが、実は魚介専門店の割合はせいぜい3割程度、実際には水産加工食品、青果、肉、和菓子、花、衣料品など、ありとあらゆるジャンルのお店が軒を連ねています。八百屋さんを覗けば、紫色をした金時草や加賀太きゅうりなど、加賀野菜と呼ばれる珍しい青物が店頭にずらり、旅行者にはこれも新鮮な風景です。旅行最終日なら、こんな地野菜をお土産に買うのもおもしろいかもしれません。
近江町市場には、アーケードのある地上のほか、わずかながら地下と2階にも店舗があります。うち、地下にある「能登里山里海市場」は能登の名産を集めた物産店で、ぜひ覗きたいお店の1つ。2階は飲食店専門街です。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る近江町市場には飲食店がなんと50近くもあり、観光とランチをまとめて済ませられる便利さが観光客に人気です。でも、なんといっても最大の魅力は、日本海の新鮮な魚介類を手ごろな値段で味わえること、それに尽きます。
短時間でさっと食事を終らせたいなら、多く見かける海鮮丼のお店へ、いろいろ少しずつ味わいたいなら回転寿司へ。他にも定食中心のお店、「廻らない」寿司屋、日本料理店、中華、フレンチなど、とにかくさまざまあり、正直チョイスに困ります。
週末は混雑するので、どのお店でも並ぶこと必至。そんな中、ねらい目は午前中早めの入店です。または、穴場の2階飲食店街へ。ここは構造上目立たないせいか、あまり混雑しません。落ち着いた雰囲気なので、ゆっくり腰をすえて食事したい人にもおすすめです。
新しい土地を訪れたら、その場所ならではの日常を味わってみたいもの。ここ近江町市場は、古都・金沢の日々の暮らしを体感できる貴重なスポットです。あなたの旅のプランに、ぜひ加えてください。
住所:石川県金沢市上近江町50
電話番号:076-231-1462
営業時間:店舗により異なります
定休日:店舗により異なります(日曜日は4割、祝日は3割が休業)
アクセス:金沢駅から徒歩で15分。または6〜9番のバスで5分、「武蔵ヶ辻」下車。小松空港からは、空港バスが金沢駅経由で「武蔵ヶ辻」まで直行
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/24更新)
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