「幻の温泉郷」といわれた福島の名湯!会津・芦ノ牧温泉めぐり

「幻の温泉郷」といわれた福島の名湯!会津・芦ノ牧温泉めぐり

更新日:2017/05/09 18:29

安藤 美紀のプロフィール写真 安藤 美紀 おこもり温泉宿探求家、おいしいもの探検家
福島県南会津の「芦ノ牧温泉」は、深い渓谷の断崖絶壁に温泉旅館が点在するという温泉郷。ここはかつて千数百年も昔、旅の老僧によって発見されたという伝説があり、地理的に袋小路の奥に位置していたことから「幻の温泉郷」と言われたミステリアスな歴史があります。また湯治場らしく、温泉も素晴らしい!「芦ノ牧温泉」でとことん非日常感を味わいながら、静かに…そしてゆっくり、絶景と温泉のコラボを満喫してみましょう!

「芦ノ牧温泉」の歴史、アクセスは?

「芦ノ牧温泉」の歴史、アクセスは?

提供元:芦ノ牧温泉観光協会

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「芦ノ牧温泉」は「東山温泉」と肩を並べる会津の人気温泉地。しかし、かつては行き着くのが困難だったことから「幻の温泉郷」として伝えられてきました。

昭和20年台頃までは地元の人に「痔」によく効くと知られたものの、わずか2〜3軒の宿しかない小さな湯治場。当時「芦ノ牧温泉」へは渡し船で往来し、対岸にきたお客さんは「おーい!」と番頭さんを呼んで舟を出してもらう。こんな日が続いていたそうです。その後、本格的な温泉開発が始まり、昭和43年には大橋が開通。さらに、会津鉄道や吾妻スカイラインの開通などにより、関東地方や東北地方から気軽に行けるようになりました。

「芦ノ牧温泉」の魅力は、自然の深さを肌で感じられること。奥会津の大自然に囲まれた温泉地で、迫りくるような山岳の谷間を大川の清流が蛇行する、見事な渓流美を楽しむことができます。ここへ来たら、ちょっと視線を遠くへ…。豪快な渓流美、緑の山の匂いにたっぷり癒やされます!

「芦ノ牧温泉」の歴史、アクセスは?

写真:安藤 美紀

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続いては「芦ノ牧温泉」のアクセスについてご紹介しましょう。
東京から電車で行く場合、会津への玄関口「浅草」から東武鉄道(東武鬼怒川線会津経由)の快速に乗るのが一番便利です。快速なら、福島県の「会津田島」まで乗り換えなし!「会津田島」に着いたら会津鉄道に乗り換え、最寄り駅の「芦ノ牧温泉」で下車。約3時間50分で「芦ノ牧温泉」に到着します。

さらに2017年4月21日からは、東武鉄道の新型特急車両500系「リバティ会津」が新しく導入!これによって快速だけでなく、特急でも「浅草」から「会津田島」まで電車1本で行けるようになりました。「リバティ会津」のダイヤは、1日8便(上り下りで各4本)。この特急列車を使えば、浅草から「芦ノ牧温泉」へは、約3時間半で行くことができます。

ただし、ここで要注意。「芦ノ牧温泉」と言っても温泉街まで約2kmほどあり、歩いて行くには遠い…。各お宿へは「芦ノ牧温泉」の到着時刻を事前に伝えて、迎えに来てもらいましょう。

さて「芦ノ牧温泉」に来たら、ねこ駅長の存在は欠かせません。ここは全国的にも珍しい「猫がはたらく駅」。列車が到着すると、2代目駅長の「らぶ」が小さな帽子を頭につけて、乗客のお見送りをしてくれるのです!

出発進行〜!小さな体で見送ってくれる健気な姿は、旅の疲れを忘れさせてくれる究極の癒し。思わず「可愛い!」と声が出てしまいます。駅舎内では、駅長グッズが売られていたり、カフェとしても営業しています。小休憩にぴったりですよ。

「芦ノ牧温泉」の歴史、アクセスは?

写真:安藤 美紀

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「芦ノ牧温泉」に来たら、歴代女将が暖簾を守る人気店で、会津グルメを堪能してみませんか?

「芦ノ牧温泉駅」から歩いて3分の場所に、芦ノ牧温泉を代表する有名な定食屋「牛乳屋食堂」があります。ここは昔、普通の牛乳屋さんでしたが、現在は定食屋さんとして営業。休日にもなると、他県ナンバーの車がずらりと並ぶほど人気です。

「牛乳屋食堂」のウリは、会津ラーメンとソースカツ丼と餃子。中でもソースカツ丼は、第2回全国丼グランプリで金賞を受賞した実力の逸品です。なかでもオススメは、会津ラーメン&ソースカツ丼&オリジナル牛乳が1本ついてくる「牛乳屋ミニセット」。会津グルメを一気に味わえて、お得感満載です!

非日常を味わえる「芦ノ牧温泉」おすすめのお風呂と泉質

非日常を味わえる「芦ノ牧温泉」おすすめのお風呂と泉質

提供元:丸峰観光ホテル

http://www.marumine.co.jp/marumine/onsen.html地図を見る

現在、「芦ノ牧温泉」には大川沿いに宿泊施設が11軒、日帰り入浴施設が8軒あります。どこも素晴らしい名湯揃いですが、特に素晴らしい!と感動するお風呂を3つご紹介します。

最初にご紹介するのは、「丸峰観光ホテル」。客室数126部屋、収容人数695名という「芦ノ牧温泉」の中でも大きい部類の温泉旅館です。お宿の顔は、長さ約30mという一面ガラス張りの内風呂!ここは大川の渓流美と森の緑が本当に見事!ほわっとした湯気に包まれて、身も心も思いっきり開放されます。 お風呂の種類も多く、樹齢2000年の檜風呂も風情があっておすすめ。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」もてなし部門と総合部門の2つに入賞しているだけあって、接客もピカイチ。

ちなみに「芦ノ牧温泉」全体の泉質は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。群馬県で有名な川底から湧く温泉「尻焼温泉」とよく似た泉質です。浴槽に浸かっていると、はじめはサラサラ…後から少しヌルっとした肌触りになります。塩化物泉と硫酸塩泉、2つの泉質をもつ温泉なので、じっとしているだけで体はポカポカ。湯上り後はすべすべになる美人の湯です!

非日常を味わえる「芦ノ牧温泉」おすすめのお風呂と泉質

提供元:大川荘

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続いてご紹介するのは、「芦ノ牧温泉」最大の客室数&収容人数を誇る温泉旅館、「大川荘」。ここは宿泊者だけでなく、日帰りのみの利用も受け付けています。

階段状になった棚田形式の露天風呂は、景色が最高!一番下の段まで降りてみると、すぐ下は川!ドキッとするくらいの断崖絶壁で、非日常を味わうにはもってこい。温泉だけでなく、男女ともに種類が違う岩盤浴を楽しめるのも、おすすめのポイントです。ここも「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」総合部門に入賞した実力派。

非日常を味わえる「芦ノ牧温泉」おすすめのお風呂と泉質

提供元:仙峡閣

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3つ目にご紹介するのは、芦ノ牧温泉の隠れ家的な温泉旅館「仙峡閣」。ここは日本秘湯を守る会会員。そして明治32年建立の武徳殿を移築した、昔ながらのお宿です。

昔ながらのひなびた廊下を進んでいくと、シンプルで素朴な内風呂と露天風呂が現れ、透明度の高いきれいなお湯がたっぷり注ぎ込まれています。そう、この宿の最大の魅力はお湯!芦ノ牧温泉で唯一自家源泉を持っているのが「仙峡閣」なのです。

「芦ノ牧温泉」はもともと川岸の石や砂を掘ると、こんこん自噴してくるワイルドな温泉でした。自噴する温泉と川の水が混ざり合うため、川泳ぎと温泉が両方楽しめる豪快な野天風呂だったとか!天然モノだった温泉を利用するため、温泉開発時に村が4本の源泉をボーリング。現在は村が源泉を集中管理していて、各旅館へ温泉を供給しています。

ただし、「仙峡閣」だけは別格。自分たちでボーリングした源泉を持っていて、フレッシュなお湯を贅沢に楽しむことができるのです。「仙峡閣」は日帰り入浴のみもOK。秘湯好きな方は、ぜひ一度入浴してみてください。

自家栽培の会津米や郷土料理も!「芦ノ牧温泉」で味わう食事

自家栽培の会津米や郷土料理も!「芦ノ牧温泉」で味わう食事

提供元:渓山

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温泉に入った後のお楽しみは、おいしい食事!ここでは、会津グルメにこだわった人気のお宿を厳選して2つご紹介します。

最初にご紹介するのは、2種類の露天風呂を貸切利用できる渓流の宿「渓山」。古い宿ですが掃除が行き届いていて、とっても綺麗!リピーターが多いのも特徴です。ここの食事は、旬の素材や地元の素材を使った懐石料理。自分たちで会津米や無農薬の野菜を作っていて、素材の良さがしっかり分かります。お米も福島牛も地物の野菜も、どれも本当においしい!部屋で食べられるのも嬉しいポイントです。

自家栽培の会津米や郷土料理も!「芦ノ牧温泉」で味わう食事

提供元:大川荘

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2つ目にご紹介するのは、温泉でもご紹介した「大川荘」。夕食は、会津の郷土料理をふんだんに入れた会席料理とブッフェ、どちらか選ぶことができます。どちらも充実した内容で、1つ1つ丁寧に作られたものがずらり!「大川荘」は質の高いお料理の他に、ロビーで毎日三味線の生演奏をするなど、空間づくりにもこだわった旅館です。

「大川荘」には日本酒バーがありますので、こちらもオススメ。お米がおいしい福島県は、お酒の品評会で金賞を5年連続日本一になった日本酒王国。そして会津は金賞の受賞蔵が多いことでも知られています。会津に来ないと飲めないお酒も、日本酒バーなら飲むことができます。お酒が好きな方は、ぜひご賞味を。

温泉街のおすすめ散策スポット

温泉街のおすすめ散策スポット

提供元:芦ノ牧温泉観光協会

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続いては「芦ノ牧温泉」の周辺にある散策スポットを3つご紹介します。

まずは2015年11月にオープンした、足湯「かがやき公園」から。「芦ノ牧温泉」には、無料で入れる足湯が3箇所ありますが、ここからの見晴らしは最高!温泉街の入口に位置している公園で、温泉街を一望することができます。絶景とともに、源泉かけ流しの足湯でまったり…。視界を遮るものが一切なく、この爽快感は病みつきになりそう。足湯の隣には、さざえ堂をイメージしたモニュメントもあります。

温泉街のおすすめ散策スポット

提供元:芦ノ牧温泉観光協会

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2つ目にご紹介するのは、通称子宝の湯と呼ばれる金精神社の足湯です。

「芦ノ牧温泉」は塩分を含んだ泉質で、体を芯から温める効果が高いことから、子宝の効能があると言われてきました。金精神社に祀られているのは、子孫繁栄の神様です。神社で参拝した後は、天然の足湯でゆったり。神社と足湯のダブルの効果で、心も体もハッピーな気持ちになります。

「実際にこの足湯に入って子宝に恵まれました」とういうお礼の手紙が「芦ノ牧温泉」に届いたとか。…えっ、ホントに!?と思われるかもしれませんが、悩んでいる方には嬉しい子宝の湯。もしかしたら、ご利益をいただけるかもしれませんね。

温泉街のおすすめ散策スポット

提供元:芦ノ牧温泉観光協会

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大自然に囲まれた「芦ノ牧温泉」。温泉街の周辺は、春は桜、夏は森の緑、秋は紅葉、冬は銀世界というように、四季のフルコースを楽しむことができます。

桜が咲くシーズンにオススメなのが「桜坂」。ここは、約50本ほどのソメイヨシノが150mほどの間に渡ってトンネル状に続いています。見頃は、4月20日頃から連休初め頃まで。美しいピンク色の世界を、ぜひゆっくり味わってみてください。

江戸時代にタイムスリップ。宿場町「大内宿」へも近い!

江戸時代にタイムスリップ。宿場町「大内宿」へも近い!

写真:安藤 美紀

「芦ノ牧温泉」に泊まったゲストが行く定番の観光スポットといえば、日本昔話にでてくるような茅葺屋根が並ぶ「大内宿」。ここは、1981年に重要伝統的建造物群保存地区に指定された宿場町。江戸時代には会津と日光を繋ぐ西街道の宿場町として、多くの旅人で賑わいました。

現在は、江戸時代と同じ茅葺屋根の家が500mに渡って並び、約40店舗の飲食店や会津の民芸品店などが軒を連ねています。芦ノ牧温泉を拠点に観光するなら、「大内宿」は絶対外せません。

「大内宿」へのアクセスは、「芦ノ牧温泉」からは車で25分。「芦ノ牧温泉駅」からは車で30分。「芦ノ牧温泉駅」から「大内宿こぶしライン号」に乗っても行くことができます。電車の方は、会津鉄道に乗り3駅先の「湯野上温泉駅」で下車、そこからタクシーで約10分です。

江戸時代にタイムスリップ。宿場町「大内宿」へも近い!

写真:安藤 美紀

「大内宿」は日が沈んでいく時間帯も美しい!昼間とはまた違った、落ち着いた風情があります。どこを切り取っても絵になりますので、素敵な写真をたくさん撮影してくださいね。

そして「大内宿」に来たら、ここでしか食べられないグルメもチェック。お箸の代わりにネギ丸ごと1本を使って食べるお蕎麦「高遠そば」は、ネギの根元で蕎麦をたぐる食べ方がユニークです。

それから、大きなマッチ棒のような形をした南会津地方の郷土食「しんごろう」もおすすめ。「しんごろう」とは、囲炉裏で1本1本じっくり焼かれた五平餅のようなもの。中に入っているのはうるち米で出来たお米。そこにじゅうねん(エゴマ)に砂糖や味噌などの調味料を入れて練り合わせたじゅうねん味噌を塗り、炭火で焼いていきます。

「芦ノ牧温泉」へ行ったら、湯めぐり手形でお得に楽しもう!

福島県の会津若松市には、「芦ノ牧温泉」と「東山温泉」という2つの素晴らしい温泉があります。会津若松市内から距離的が近い「東山温泉」に比べると、「芦ノ牧温泉」は大自然を丸ごと堪能できるのが魅力!

そして棚田の絶景温泉、大川に突き出たワイルドな岩風呂、大パノラマの内風呂、うっとりするような古代檜のお風呂など、温泉ファンを虜にする種類豊富なお風呂に入れるのも「芦ノ牧温泉」ならではです。

せっかくだから、いろんなお風呂に入ってみたい!という人は、「湯めぐり手形」がおすすめ。この手形を使えば、「芦ノ牧温泉」内にある3箇所の日帰り入浴施設がフリーパスになります。しかも、「湯めぐり手形」は1枚1000円と、かなりお値打ち(つまり1枚あたり約333円)。大きな声では言えませんが、「大川荘」の日帰り入浴は1回1,500円。「湯めぐり手形」を使えば、ここだけでも十分元が取れてしまうのです。温泉好き&お得なことが好きなら、「湯めぐり手形」はマストアイテムですよ。

「芦ノ牧温泉」は知る人ぞ知る人気の温泉地。あなたも源泉掛け流しの極上のお湯と大絶景を満喫する旅に、出かけてみてませんか?

【※この記事は 東山芦ノ牧温泉誘客協議会 とのタイアップです】

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掲載内容は執筆時点のものです。

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