写真:かのえ かな
地図を見る沼久保駅は富士駅から甲府方面へ約30分の場所にあります。路線は富士川流域を走る人気のローカル線・身延線です。
沼久保駅の開業は1929年(昭和4年)。静岡県公式ホームページによると、平成26年年度の乗車人員数は11人となっています。
写真:かのえ かな
地図を見る沼久保駅は秘境駅ランキングに入っていませんが、鉄道ファンの間では身延線の中で特に秘境感がある駅として愛されています。といいますのも、沼久保駅は静岡県内の身延線の駅の中では稲子駅と並び、乗車する人が最も少ない駅だからです。ちなみにほかの駅は最多で2,000人以上、平均しても400〜700人程となっています。全然違いますね。
駅出口は二手に分かれており、片側はそばに県道が通っていますが、もう一方は写真の通り、野性味あふれる山道となっています。地図を見ても行き先が分からない山道です。
こういった点から実際に足を運ぶと「これは秘境駅だ!」と感じてしまいます。鉄道ファンにとっては、途中下車した甲斐のある駅であること間違いなしです。
写真:かのえ かな
地図を見るそんな沼久保駅は、当然ながら無人駅。駅舎はなく、ホームにあるのはこちらの小さな待合室のみです。
写真:かのえ かな
地図を見る沼久保駅のホームに降り立つと、富士山がきれいに見えることに驚かされます。高台に線路が敷いてあるので、絶景を遮るものがありません。鉄道と富士山のツーショットが撮影できるというのも嬉しいですね。
しかも秘境駅なので人で混み合うこともなく、自分のペースでゆっくりと撮影を楽しむことができます。まさに富士山撮影の穴場スポットです。
ちなみに写真は、踏切を歩くときにサクッとコンパクトデジカメで撮ったものです。構図とか気にしなくても、一瞬で駅と富士山のツーショットが撮れちゃいます。
みなさんも撮影されるときは、線路立ち入りや駅内での三脚を使用した写真撮影は行わないよう、気をつけながら写真撮影を楽しんでくださいね。
こちらは沼久保駅周辺から撮影した富士山です。富士山の足元に広がる集落の、のどかな風景とのツーショットも良いですね。運がよければ、縁起が良いとされる「笠雲」をかぶった富士山を撮影することができます。
写真:かのえ かな
地図を見る県道に続く側の沼久保駅の出口も秘境感ある駅らしく、改札は設置されていません。駅前には、高浜虚子ゆかりの地を記念する句碑と沼久保椿寿園があります。
写真:かのえ かな
地図を見るこちらの句は1958年(昭和33年)、下部(しもべ)温泉で知られる山梨県の身延町下部へ向かう途中に残したといわれています。
「とある停車場富士の裾野で竹の秋」「ぬま久保で降りる子連れ花の姥」と書かれており、「とある停車場」や「ぬま久保」という言葉から、高浜虚子も沼久保駅で下車したことがうかがえます。
高浜虚子もここから見た富士山に感銘を受けたのかと思うと、より一層、景色が美しく感じられます。
写真:かのえ かな
地図を見る沼久保椿寿園は小さな駅の椿園なのでこぢんまりとしていますが、花が咲く時期には椿の花のじゅうたんも見られます。
写真:かのえ かな
地図を見る沼久保駅に立ち寄ったら、ぜひ周辺も歩いてみましょう。駅前にある下り坂を歩くと、
高浜虚子の句にある「裾野で竹の秋」にふさわしい竹林があり、その先に集落が広がります。
ぽつりぽつりと並ぶ民家と広がる田畑、そしてそのすき間を縫うように富士川の支流が流れます。写真は近くにあるお寺「本妙寺」の名前がついた本妙寺橋から見た景色です。
写真:かのえ かな
地図を見る路地には一風変わった神様も。名前は疣神(いぼがみ)さん。穴のあいている石に水が溜まり、その水をイボにつけて帰ると、イボが消えるという言い伝えがあるのだそうです。
疣神さんはかつて別の場所にあり、道路の拡張によってここに運ばれてきました。水が溜まらなくなったきっかけもこの移動にあり、といわれています。この説が正しいとしたら、穴のあいた石が大地の水を吸収していたということになります。なんとも不思議な現象ですね。
写真:かのえ かな
地図を見るお茶の名産地・静岡県らしく、茶畑も見られます。沼久保駅周辺は急な坂道が多いため、茶畑も斜面に沿って広がっています。深い緑の茶畑が階段状に広がる景色もまた美しいですね。
身延線随一の秘境感あふれる駅・沼久保駅はいかがでしたか?大規模な観光スポットはみられませんが、1人占めできる富士山の絶景がここにはあります。ぜひ、ぶらり途中下車の旅を楽しんでみてくださいね!
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(2024/3/29更新)
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