メーラレン湖に浮かぶようにして立つ美しきストックホルム市庁舎。1923年に完成したこの建物は、ナショナル・ロマンティシズム建築の傑作とされています。赤レンガの壁と銅板を張った屋根、先頭に立つ黄金の装飾は美しいアーチを引き立たせています。この外観はヴェニスのドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)を参考に作られているのだそうです。
近づくととてもどっしりとした構えが伝わると思います。ヴェニスのドゥカーレ宮殿が見本になっていると上述していますが、それだけではなく様々な箇所もヨーロッパ中の素晴らしい建築物から多くのアイデアを受けており、ヨーロッパ建築の折衷型建築と言えます。
メーラレン湖に面して市庁舎は立っているので、中庭から外を見るとそこは湖が広がっています。そんなロケーションがまた素敵ですよね。
中の見物はガイドツアーでのみ可能です。大きなグループから個人的な小さなグループまで可能です。小グループの場合は事前の予約が必要です。さあ、中へ入って見ましょう。
市庁舎の中へ踏み込むと、そこにはもうノーベル賞晩餐会が開かれる「青の間」が広がっています。天井が高く、壁面のレンガは凹凸でデコレーションが施されています。赤レンガで覆われているのに何故「青の間」?とお思いの方もいるかと思うので説明しておきましょう。
もともと壁は青く塗る予定だったのだそうです。しかし100万個の赤レンガが作り出したその赤の色があまりにも美しかったので、当初の予定の青く塗るという計画を取りやめ、そのままレンガを残したのだとか。このレンガの作り出している凹凸は、光を反射させ、音の反響が良くなるように設計されています。シンプルなようで計算され尽くしています。
また、壁面を除いた「青の間」の床面と階段はねずみ色の石が敷き詰められています。晩餐会が開かれる割にはシンプルだな、という印象を受ける方もいるかもしれません。何故ねずみ色を基調にしているかというと、イブニングドレスに身を纏った女性が美しく際立つようにと考慮されてのことだそうです。周囲を煌びやかにするのではなく、ドレスを着た女性に的を合わせるところが、いかにも合理主義なスウェーデンらしいと思いませんか?
天井の木組みがとても特徴的な市議会場。ヴァイキングたちが築いてきた船の組み方を利用しているのだそうです。この大胆な発想にはびっくりですよね!スコーンと抜ける天井が気持ち良さそうです。
左右で与党と野党が分かれて座ります。議員の数は男女ともに同数、そこも女性も男性と同等なスウェーデンらしい所と言えます。上部には傍聴席とメディア席があります。議会は観光客であろうが、傍聴が可能ということです。皆さんも運良く議会が開会されていれば傍聴されてみては?!
プリンスのギャラリー、通称「鏡の間」は、市の表敬訪問の受付場所として使われます。プリンスのギャラリーという名前はユージン王子が柱のある壁にフラスコ画でこの窓から見えるストックホルムの街並みを描いたことから付けられた名前だそうです。
このプリンスのギャラリーでは、一般人も手短ではありますが、結婚式を挙げることができるんです。大変人気があり、長いウェイティングリストがあるそうですよ!
写真は、ユージン王子の描いたストックホルムの街並みのフレスコ画です。
フレスコ画の向かい側にはメーラレン湖が望めます。どちら側を見ても同じストックホルムの街並みを楽しめるという仕組みです。
青の魔の階段を上り2階に上がると、そこに広がるのは「黄金の間」です。これまでの部屋とは異質な感じがします。というのも、1900万枚の金箔のモザイクで装飾された壁面で覆われたキラキラと輝く煌びやかな大広間は、ローマのビザンチンから影響を受けているからです。黄金の間の真正面には、メーラレン湖の女王と呼ばれる女神が新大陸とアジア大陸の間に描かれてこの黄金の間の象徴とも言えるでしょう。
モザイクに使用されているタイルは、特殊な弘法が用いられており金箔の輝きは色褪せることは無いのだそうです。
この輝くような黄金の間では、ノーベル賞晩餐会のダンスパーティーが開かれます。陽の光が美しく差し込む間ですね。
ストックホルム市庁舎は、ストックホルムを訪れる観光客の間でも大変人気のあるスポットです。ノーベル賞の晩餐会が開かれる場とあれば、一度は見て見たいですよね。メダルの数々もたくさん展示されているので、皆さんもぜひストックホルム市庁舎に足を運んでみてください。
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(2024/4/24更新)
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