写真:八岳木 流泉
地図を見る柳津の町を語るには、只見川は欠かせません。只見川を中心に栄え、賑わってきました。同町には柳津温泉と西山温泉があり、温泉目当ての旅行者も多いです。
西山温泉は地熱に恵まれ湯量も豊富。地熱発電所が築かれる一方で、柳津温泉への給湯も行っていました。昭和後期に柳津の独自源泉が掘削され、今では西山温泉、柳津温泉とそれぞれ独立した泉源を用いています。
柳津の町には赤い橋が架かり、川の対岸を結んでいます。宿も点在しており、日帰りでの入浴も可能です。柳津へ車でアクセスする場合は、磐越自動車道「会津坂下(ばんげ)」インターから国道経由。
公共交通機関の場合は、JR只見線「会津柳津」駅から徒歩約10分です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る柳津の町は、古くから門前町としても栄えてきました。町の内外から参拝者が訪れるのが、「福満虚空蔵尊 圓蔵寺」(以下、円蔵寺)です。こちらは807年に創建されたとも伝わる由緒正しい名刹で、茨城県の「村松山虚空蔵堂」、三重県の「金剛證寺」と並び、日本三大虚空蔵堂」に数えられます。
造りも非常に重厚で、只見川を覗き込むように建っています。付近の人々は柳津虚空蔵と呼び、丁重に祀ってきました。
首が上下に動く"赤べこ"は、柳津町の生まれです。べことは、東北弁で牛を指します。今では郷土玩具やマスコットキャラクターとして有名な赤べこですが、深いいわれがあったのです。
お寺の創建時、大量の材木を運搬する必要がありました。しかし、只見川を越えるには相当の苦労が。運搬の助けになった牛も、バタバタと倒れていきます。そこに突如現れた赤い牛。懸命に材木を運び、お寺は無事に完成します。
その時の牛を顕彰し、赤べこは作られたということです。今では、「子どもの守り神」や、「幸せを運ぶ牛」として、郷土玩具になるわけですね。円蔵寺の境内には、"撫牛"と呼ばれる牛の石像があるほか、人が乗れるほど大きな赤べこがいます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る写真:八岳木 流泉
地図を見る災害や円蔵寺の火災など、柳津の町は災いが多い町でした。そんな状況を憂う当時の円蔵寺の和尚が、もう災害に"あわ"ないようにと、粟(あわ)饅頭を作らせました。それをお寺に奉納し、町の無事を祈願したのです。
今では、柳津名物になった粟饅頭。土産物屋や和菓子屋など複数軒で、湯気を立てながら売られています。粟(あわ)の黄色が実に綺麗で、モチモチとした触感が魅力。粟の粒も舌に触って、餡の甘さが広がります。すべて手作業で作られ、日持ちもしない粟饅頭。一つ片手に食べながら、町を歩くのも一興ですね。
虚空蔵堂で参拝し、モチモチの粟饅頭をほおばる。赤べこの首を揺らしながら、厄払いと福来るを願う旅。宿泊ならば柳津か西山の宿で、日帰りならば入浴だけでも。とにかく楽しくためになる、柳津の旅をお勧めします。
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(2024/3/18更新)
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