まるでライブ会場!品川「DAVID BOWIE is」の見どころガイド

まるでライブ会場!品川「DAVID BOWIE is」の見どころガイド

更新日:2017/03/03 20:04

成瀬 亜希子のプロフィール写真 成瀬 亜希子 ユニークホテルライター、トラベルライター
伝説的なロックスターでありながらファッション・アイコンや映画俳優としても、現代のクリエイターに多大な影響を与えたデヴィッド・ボウイ。2017年1月8日、ボウイの誕生日にスタートした大回顧展「DAVID BOWIE is」ではボウイの貴重な所持品300点以上に加えて、日本で撮った映画作品などオリジナルの展示も話題になっています。今回は展示内容の見どころから前後の楽しみ方まで余すことなくご紹介します!

ボウイ展に着く前からワクワクする企画も!

ボウイ展に着く前からワクワクする企画も!

写真:成瀬 亜希子

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2013年にイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)で開催されて以来、世界9都市を巡回した「DAVID BOWIE is」。ボウイ直筆の歌詞、ライブ映像、実際に着用した衣装など300点以上を展示し、各国のファンを惹きつけました。アジア初の開催国となる日本では、日本で撮った映画作品などオリジナルの展示も話題になっています。

会場はりんかい線・天王洲アイル駅から徒歩5分の所にある寺田倉庫。駅の改札を出る前には、こちらのボウイポスターを忘れずに撮影して下さい(改札外にも似たポスターはありますが、対象はこちら1枚なので要注意です!)

会場1階にある引換所で写真を見せると、5種類のボウイステッカーをランダムでプレゼントしてくれるキャンペーンを行なっているのです。それぞれ「DAVID BOWIE is…」に続く言葉が違うので、どれに当たるのかワクワクしますね。

ボウイ展に着く前からワクワクする企画も!

写真:成瀬 亜希子

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会場の目印はボウイの大型パネル!それぞれの面にメインビジュアルやメッセージボードが飾られています。特にペイントアーティスト・さとうたけし氏が描いたアルバム「ヒーローズ」のジャケット写真は必見。展示の前後はこちらで記念写真を撮るファンも多いようです。

チケットは販売サイトで入場時間を指定して購入。2時間ごとで区切っていますが入替制ではないので自由に見学できます。全体をサッと見て1〜2時間、パネルの詳細を読み込むなら3〜5時間が目安です。2017年2月時点では平日の夕方に行くと比較的ゆっくり見学できますよ。トイレは1階にありますが混雑しますので、天王洲アイル駅の方に行っておきましょう。

ボウイ展に着く前からワクワクする企画も!

写真:成瀬 亜希子

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会場デザインや音響・映像監修は、2012年のロンドンオリンピック開会式の演出に関わった「59プロダクションズ」。その先鋭的でユニークな手法は、展示の随所に活かされています。例えば、会場の入り口で渡されるへッドフォン。各セクションに行くと、自動的に展示にまつわるボウイの曲や言葉が聞こえてくるので、ボウイと一緒に展示を見ているような気分に!

最初の展示は、ボウイと親交のあったデザイナー・山本寛斎氏による斬新な形のジャンプスーツ「TOKYO POP」で、日本開催にふさわしい幕開け。ボウイは無名時代、山本寛斎氏のコレクションに手が届かず、成功後に派手な衣装を注文したというエピソードも。間近で見ると改めてウエストが細いこと、実は横にボタンがついているなど、様々な発見がありますよ。

売れない時代を経て華やかなロックスターに

売れない時代を経て華やかなロックスターに

写真:成瀬 亜希子

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次はボウイの原点となるセクション。1947年、イギリスのロンドンに生まれたボウイ(本名:デヴィッド・ロバート・ジョーンズ)。音楽好きな父親の影響もあって、子供の頃からアルト・サックスを習うように。特にサックスを片手にした16歳のボウイの写真は存在感があり、ロックスターの片鱗を覗かせています。

ボウイが初期のバンド時代に作ったセット・スケッチや衣装、ポスターなど展示されてますが、ソロ転向にあたって「デヴィッド・ボウイ」に改名した時の貴重な資料も。これはデヴィッドの愛称・デイヴィーが、人気絶頂だったバンド「モンキーズ」のデイヴィー・ジョーンズと混同するのを避けるためだと言われています。

その後しばらくは売れず、舞踊家リンゼイ・ゲンプ氏のパントマイムを取り入れるなど様々なスタイルを模索する日々。しかし1969年、映画「2001年宇宙の旅」をモチーフにした「スペイス・オディティ」が出世作となって一気に知名度を上げます。

売れない時代を経て華やかなロックスターに

提供元:Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

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1972年、ボウイはBBCの音楽番組 「トップ・オヴ・ザ・ポップス」に出演。異星からやってきた架空のキャラクター「ジギー・スターダスト」としてパフォーマンスを披露しました。

音楽性の高さだけでなく、奇抜で妖艶な衣装を身にまとい、ギタリストのミック・ロンソンと肩を組むその姿は、当時保守的だったイギリスの視聴者には衝撃の連続でした。またこの時に子供時代を過ごしたミュージシャンにも大きな影響を与えたと言われています。

今回は当時の衣装を展示するほか、キラキラと輝く多面鏡の壁にミュージックビデオを上映。代表曲のスターマンには「僕は誰かに電話をせずにいられなくて君を選んだ」という歌詞があります。ボウイが「You!」と観客に向かって指差す瞬間、誰もが「わたし!?」と自分を指差したように見えるので、思わず興奮してしまいますよ。

売れない時代を経て華やかなロックスターに

提供元:Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

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独特のファッションセンスでも話題になったボウイ。山本寛斎氏デザインの「出火吐暴威(デヴィッド・ボウイ)」と刺繍された白いマント、デザイナーのアレキサンダー・マックイーン氏との共作によるユニオンジャックコートも展示しています。コートは肩パッドなど細部まで丁寧に作り込まれており、現役のスタイリストも学びにくるほどだとか。

ボウイは新たな言葉を生み出す才能にも長けていました。1974年発売のアルバム「ダイアモンドの犬」では、言葉をランダムに組み合わせる手法「カット・アップ」を用いて歌詞を作る様子も展示。PCに単語を入力すると自動で組み合わせてくれるシステムを導入するなど、常に新しい試みにチャレンジした様子が伺えます。

映画俳優としても活躍、ベルリン移住時代へ

映画俳優としても活躍、ベルリン移住時代へ

写真:成瀬 亜希子

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ボウイを映画で知ったというファンも多いですよね。1976年の初めてのメジャー主演映画「地球に落ちて来た男」を皮切りに、俳優としても才能を発揮しました。映画「ラビリンス/魔王の迷宮」でゴブリンの王・ジャレスを演じた時のポスターや小道具も展示。ボウイの出演映画のダイジェストを流している部屋もあるので、映画ファンにはたまらないですね。

映画俳優としても活躍、ベルリン移住時代へ

写真:成瀬 亜希子

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1983年に公開された大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」。英軍少佐役だったボウイの演技に心奪われた方もいるのではないでしょうか?こちらでは共演者の北野武氏、坂本龍一氏が、撮影当時の様子を語った貴重なインタビューを流しています。日本オリジナルのコンテンツですのでお見逃しないように!

映画俳優としても活躍、ベルリン移住時代へ

提供元:Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

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ボウイは精力的に活動する一方でドラッグ中毒に悩んでいました。その治療も兼ねて1977年、ドイツのベルリンに移住。このセクションでは、最後のキャラクターとなる「シン・ホワイト・デューク」の衣装が出迎えてくれます。これまでの派手な衣装から一変しますが、モノトーンの落ち着いた雰囲気も似合っていますよね。

こちらで注目したいのが、ボウイ自ら描いた三島由紀夫の肖像画。独特なタッチと色使いで鬼気迫るものを感じさせます。「ステイション・トゥ・ステイション」ツアーのステージ照明も手がけるなど、演出の細部までこだわりました。多彩な活動を経て制作された「ロウ」「ヒーローズ」「ロジャー」は後に「ベルリン3部作」と呼ばれ高い評価を受けるのです。

ライブを全身で体感できる!「ショウ・モーメント」

ライブを全身で体感できる!「ショウ・モーメント」

写真:成瀬 亜希子

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ボウイ展最大のハイライトが「ショウ・モーメント」。部屋全体にボウイのライブパフォーマンスが映し出されており、まるでライブ会場にいるような感覚に…!その時着用した衣装も展示するなど、シンクロする見せ方もユニークですよね。「ボウイのライブに行ってみたかった!」というファンの夢を叶えてくれる、素晴らしい体験になるのではないでしょうか。

ライブを全身で体感できる!「ショウ・モーメント」

写真:成瀬 亜希子

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「ショウ・モーメント」を出るとそろそろ終盤。前出のアレキサンダー・マックイーン氏などが手がけた華やかな衣装が並んでいます。こちらには写真家ハーブ・リッツ氏によるボウイの撮影風景も。よく見るとボウイが「ヒーローズ」の写真をバックに演奏するという貴重なシーンなのです。ボウイ展初公開の展示なのでこちらも要チェックです!

ライブを全身で体感できる!「ショウ・モーメント」

写真:成瀬 亜希子

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最後に絶対見逃してほしくない映像が「DAVID BOWIE IS A JOY FOREVER」。ボウイが2002年発売のアルバム「ヒーザン」の取材で、日本のファンにメッセージを求められた時のこと。ボウイは少し考えた後に「お誕生日おめでとう。これを毎日流してごらん。いつか君の誕生日にあたるよ」とユニークな返しをしたのだとか(笑)。

今回の展示がボウイの誕生日にスタートしたため「お誕生日おめでとう」の流れのみ上映することになったそう。期間中に誕生日を迎えるファンにとっては嬉しいサプライズですね!

ボウイ展の余韻を味わえるカフェとグッズコーナー

ボウイ展の余韻を味わえるカフェとグッズコーナー

写真:成瀬 亜希子

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ボウイ展の後は、1階特設カフェ「DAVID BOWIE is Cafe」でひと休みするのもおすすめ。人気店「BROOKLYN RIBBON FRIES」「good hood food」とコラボしたカフェで、フィッシュ&チップス、ロンドンジントニックなど、ボウイの出身国イギリスの定番メニューを揃えています。ちなみにドリンク1杯頼むとボウイのコースターをプレゼントしてくれますよ!

ボウイ展の余韻を味わえるカフェとグッズコーナー

写真:成瀬 亜希子

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「BROOKLYN RIBBON FRIES」の自家製ジンジャエールは、生ショウガと数種類のスパイスをブレンドしたシロップを使用。ほんのりした甘みがあるので飲みやすいです。コリアンダーカレーは本格的な味わいで、キーマカレーの辛さとパクチーの爽やかさが絶妙なバランス。夜はロンドンジントニックを飲みながら、ボウイの曲にじっくり耳を傾けるのも良いですね。

ボウイ展の余韻を味わえるカフェとグッズコーナー

写真:成瀬 亜希子

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カフェやグッズコーナーはチケットがなくても入場が可能。世界の大回顧展で人気だったトートバッグやTシャツをはじめとした様々なアイテム、ボウイの関連書籍なども販売。日本では会場限定のアナログ・レコード、稲妻柄のポーチが人気ですのでお見逃しないように。

特に山本寛斎氏デザインのジャンプスーツ「TOKYO POP」をモチーフにした特製バッグとポーチにも注目です。他のグッズに比べると高額になりますが、自分へのご褒美として思い切って購入するファンもいるようですよ。

驚きと発見に満ちあふれた大回顧展「DAVID BOWIE is」

今回の展示は、伝説的なロックスターのデヴィッド・ボウイを、より身近な存在として感じられる内容になっています。さらに「オーディエンスを楽しませるのが好きなんだ!」というボウイの言葉を尊重するような、驚きと発見に満ちあふれたユニークな展示にも注目です。

ボウイファンはもちろんですが、初めて興味を持った人やクリエイティブな仕事する人にも、新たなヒントが生まれる場所になるかもしれません。この機会に濃密なボウイ・ワールドを堪能してみてはいかがでしょう?

【DAVID BOWIE is デヴィッド・ボウイ大回顧展】

期間:2017年1月8日(日)〜4月9日(日)
休館日:毎週月曜日(但し1/9、3/20、3/27、4/3は開館)

会場:寺田倉庫G1 ビル(天王洲)
住所:東京都品川区東品川二丁目6番10号

開館時間:10:00〜20:00
毎週金曜日は21:00まで。入場はいずれも閉館1時間前まで。
※入場時間枠等に関する詳細は公式サイトをご覧ください。
※3月29日(水)は都合により17:00に閉館となります(最終入場16:00)。

一般料金 : 2,400 円(2,200 円)
 中高生 : 1,200 円(1,000 円)
( )内は前売り、小学生以下は無料。
詳細は公式サイトのチケットページをご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/01 訪問

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