写真:car min
地図を見るドイツの名物料理といえば、ソーセージや酸っぱいキャベツを思い出すのではないでしょうか?では、ドイツ人はレストランの食事でもソーセージばかり食べているのかというと、実はそうでもないんです。ドイツの子供から年配の方まで大好きなのがドイツ版とんかつ、洋風に言うとカツレツ「シュニッツェル」。
日本のとんかつと違うのはお肉を叩いて薄くのばし、衣をつけ、フライパンに少し多めの油を入れて揚げ焼きにしたもの。運ばれて来たお肉の大きさにビックリしてしまいますが、薄いので案外食べきれるかもしれません。
写真は「ウィーン風シュニッツェル」。一番シンプルな「シュニッツェル」で、衣にしっかり味が付いているのでそのまま何もかけずにいただけます。レモンを絞るタイミングはお好みで!「ウィーン風」は豚肉で「ウィンナー・シュニッツェル」は子牛肉なので注文をする時には注意してくださいね。
※「Wiener Schnitzel」(ウィンナー・シュニッツェル)
「Schnitzel "Wiener Art"」(ウィーン風シュニッツェル)
写真:car min
地図を見る「シュニッツェル」の種類は豊富で、料理本にも「7日間、毎日のシュニッツェル」などのタイトルがあったり、ドイツの料理サイトにも創意工夫を凝らしたレシピが満載で、レストランのメニューにも数種類が並んでいます。ソースがかかった物もあり、日本のとんかつソースの味わいとはまた違った洋食の味が楽しめます。
きのこのソースはホワイトソースとブラウンソースがあり「シュニッツェル」と合わせる代表的なソースです。写真は「Champignon-Rahmschnitzel/シャンピニオン-ラームシュニッツェル」でRahmがホワイトクリームを意味しています。
写真:car min
地図を見るブラウンソースの「Jaegerschnitzel/イェーガーシュニッツェル」(猟師のシュニッツェル)は、きのこ、玉ねぎ、ベーコンなどが入っていて、隠し味に辛子を使うお店もあるそうです。
その他にも「Zigeunerschnitzel/ツィゴイナーシュニッツェル」(ジプシーのシュニッツェル)も定番で、こちらはパプリカパウダーとカイエンペッパー(チリパウダー)で味付けされた少しピリッとしたソースが特徴です。
写真:car min
地図を見る肉の中にハムとチーズが巻き込まれていて、そのハーモニーがとてもいいのが「Cordon Bleu/コルドン・ブルー」です。フランス語で「青いリボン」を意味するコルドン・ブルーですが、なぜ「シュニッツェル」にこの名前が使われるようになったのかは、最初に肉を巻くのに青いリボンを使ったとか、16世紀のフランスの精霊騎士団の名前から付けられたなど諸説があります。
中に具材を巻いているので通常の「シュニッツェル」よりは小さく厚みがあります。熱々が来たところにナイフを入れると、溶けたチーズが流れ出し、見た目と香りだけで既に美味しく感じられます。
付け合せの定番といえば、やはりドイツ名物じゃがいも!ほくほく、もっちりした味わいでついつい食べ過ぎてしまいます。付け合せの中でもフライドポテトとの組み合わせが多く、ドイツ語でフライドポテトは「Pommes frites/ポム フリット」。知った料理でもドイツ語表記になると、いったい何が出てくるのかとドキドキしてしまいますね。
揚げ焼きしたじゃがいもをベーコン、玉ネギと一緒に炒めた「Bratkartoffeln/ブラートカルトフェルン」(ジャーマンポテト)も人気です。その他クロケッテと呼ばれる俵型のシンプルなコロッケが付いたり、茹でただけのじゃがいもが付いてくることもあります。付け合せは「シュニッツェル」の横についてくるものと別皿で用意されるパターンに分かれます。
「シュニッツェル」で使われるパン粉は日本の物より粒が小さく、日本の食感がカラッとしたサクサクに対し、ドイツのものはしっとりしたサクサク感を味わえます。スーパーで「Paniermehl」や「Semmelbroesel」の名前で売っているのでお土産にしてはどうでしょう。ただし、箱の中に直接パン粉が入っているので、スーツケースに入れる際にはナイロン袋などに入れて荷造りをすることをお勧めします。
今回ご紹介した「シュニッツェル」は定番のもので、他に鶏肉や七面鳥を使ったり、山盛りの玉ねぎや目玉焼きが乗ったものなど、各レストランで独自のメニューもあります。また場所によっては地域の伝統的なソースのものやパン粉が付いて無いものまで多彩です。
外国でレストランに入るのは少し勇気がいるかもしれませんが、ドイツのレストランでは入口にメニューを掲示するようになっているので、そこで「Schnitzel」の文字を見つけたら、是非熱々を召し上がってみてくださいね。
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(2024/4/19更新)
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