その佇まいも世界遺産!京都「上賀茂神社」聖なるパワースポット

その佇まいも世界遺産!京都「上賀茂神社」聖なるパワースポット

更新日:2021/10/19 15:00

小々石 曲允子のプロフィール写真 小々石 曲允子 昭和文化・レトロ旅愛好家、神秘の杜ナビゲーター
世界文化遺産に登録され、国宝と重要文化財の宝庫でもある上賀茂神社(賀茂別雷神社)。京都最古とされる歴史と格式を誇る神社で、京の春の風物詩である「葵祭」でも有名です。
同じ賀茂社である「下鴨神社」がパワースポットとして人気ですが、上賀茂神社も下鴨神社と同様に神秘に満ちた神社です。その歴史と、古代より霊験と御利益があるとされる神域・パワースポット等をご紹介します!

上賀茂神社とはどんな神社?

上賀茂神社とはどんな神社?

写真:小々石 曲允子

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上賀茂神社の正式名称は「賀茂別雷(かもわけいかづち)神社」。神社の創建は677年ですが、創祀は今から2600年以上前に遡り、神社の北北西に位置する神山(こうやま)に降臨したと伝わる賀茂別雷大神を御祭神としてお祀りしています。

京都最古とされる歴史を有し、山城国一宮、また特に霊験あらたかとされる名神大社の一社として古より皇族や貴族から厚く信仰され、下鴨神社と共に、伊勢神宮以外では唯一天皇家の斎王が奉仕した重要な神社でもありました。

上賀茂神社とはどんな神社?

写真:小々石 曲允子

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御本殿で奉斎される賀茂別雷大神は、下鴨神社の御祭神である玉依姫命の子で賀茂建角身命の孫にあたる神様でもあります。

御神名の通り、雷除け、また、この後でご紹介する「立砂」の由来からも強力な厄除けや災難除け、必勝、開運などの御神徳があるとされています。浄化や厄払いがしたい時、運を底上げしたり勝運を得たい時に参拝してみてはいかがでしょう。

「清めの砂」の起源は上賀茂神社

「清めの砂」の起源は上賀茂神社

写真:小々石 曲允子

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上賀茂神社の二の鳥居の正面に座す社殿「細殿」。皇族が御参拝前に装束等を整えるための御殿で、その前に円錐型に整えられた一対の盛り砂があります。

「立砂(たてずな)」というこの盛り砂は、賀茂別雷大神が降臨した神山の形を模したもので、立砂の頂には降臨する際の目印とされる松葉が立てられています。正面に向かって右の立砂には2本、左の立砂には3本の松葉が立てられ、その数により「陰」と「陽」を表したものと云われています。

尚、これより小さいものですが、実は同じ形状の一対の立砂が御本殿の座す内庭にも存在しています。受付で申し込めば、内庭に入っての特別参拝ができますので、その時に確認してみましょう。

「清めの砂」の起源は上賀茂神社

写真:小々石 曲允子

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さて、立砂の横には参拝者向けに用意された「清めの砂」が置かれています。実は上賀茂神社の立砂は、様々な神社で戴くことができる「清めの砂」や盛り塩の起源でもあるのです。

清めの砂あるいは盛り塩は住居や敷地の厄除けや浄化に用いられるものですが、上賀茂神社の清めの砂は特にその効果が高いとの話も。一般的には新築時に敷地の四隅に撒いたり、邪気を中に入れないために玄関や庭、鬼門方位などに置くと良いとされていますので戴いて帰ると良いでしょう。

神聖なるパワースポット「岩上」!

神聖なるパワースポット「岩上」!

写真:小々石 曲允子

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さて、御本殿へと通じる楼門の向かい付近に、生い茂る草木に囲まれて岩の座す一帯があります。社殿等はありませんが、周囲には神域であることを示す結界が張られています。ここが、上賀茂神社有数の聖域「岩上(がんじょう)」です。

案内板にはこう記されています。
『賀茂祭(葵祭)には宮司この岩の上に蹲踞(そんきょ)、勅使と対面し、御祭文に対して神のご意志を伝える「返祝詞(かえしのりと)」を申す神聖な場所である。(中略)この岩上は神山と共に賀茂信仰の原点であり、古代祭祀の形を今に伝える場所である。神と人との心の通路でもあり「気」の集中する場所である。』

神聖なるパワースポット「岩上」!

写真:小々石 曲允子

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つまり、この岩上は御祭神が降臨した神山と共に上賀茂神社の信仰の原点となる場所で、古代より重要な祭祀が行われ、神聖な「気」が集中している場所であるということ。また「この土地の気の発生源で、最も強いパワーがある」と言う方も多数。

岩上の後方にある禁足地の小山も含め、自然崇拝的な神域感が漂う一帯ですのでご注目下さい!

龍の棲む池から出土した「願い石」

龍の棲む池から出土した「願い石」

写真:小々石 曲允子

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二の鳥居から東、右手の方向にある「渉渓園」。ならの小川に杯を流しながら平安装束の歌人が歌を詠む賀茂曲水宴の祭事が行われる場所で、自然な趣の庭園ですが、この庭園内にも古よりのパワースポットが存在します。

龍の棲む池から出土した「願い石」

写真:小々石 曲允子

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それが「願い石」。陰と陽とが極まり融合した姿で「陰陽石」とも称されるこちらの石は、遥か昔にここにあった龍の棲む池の底から出土したという霊石です。

願い石に両手で同時に手を触れ、その力を頂いてから、傍に鎮座する摂社の賀茂山口神社にお参りすると良いとされていますのでお試しあれ!立砂も然り、こうしてみると「陰陽の融合」が上賀茂神社の神秘力の肝なのかも知れませんね。

尚、願い石のすぐ傍にあるのは拝殿で、そこから細い小川をまたいだ先に鎮座するのが賀茂山口神社の御社殿です。

紫式部も通った縁結びの社!周辺の景色にもご注目を

紫式部も通った縁結びの社!周辺の景色にもご注目を

写真:小々石 曲允子

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最後に、摂社の片山御子神社(片岡社)をご紹介します。御本殿前の楼門近くに鎮座する片岡社の御祭神は、賀茂別雷大神の母神・玉依姫命。玉依姫命が夢のお告げ通りに葵の葉でカズラを編んで祭を行うと、天に上った賀茂別雷大神が神山に降り再会できたという神話から、人の縁を結ぶ御神徳があると云われています。

因みに、上下賀茂社の御神紋である双葉葵はこの神話が由来で、葵=あふひ=逢う霊(ひ)で「神様に逢う」という意味があるとのこと。双葉葵は上賀茂神社の境内に今も自生しています。

片岡社は上賀茂神社の摂社の中で最も位が高く、神社の祭典時にはまず先に祭祀が行われる重要な社。あの紫式部も通ったと伝わる縁結びの古社で御利益を戴いて帰りましょう!

紫式部も通った縁結びの社!周辺の景色にもご注目を

写真:小々石 曲允子

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上賀茂神社の歴史とパワースポットをご紹介してきました。

一般的に神社の摂社・末社というのは同じ区域に並列して鎮座している場合が多いのですが、上賀茂神社の境内では、摂末社の社殿がどれひとつとして同じ向きを向いておらず場所もバラバラであり、これは古代の神社の形態を今もとどめているためとされています。このような千数百年前からほぼ変わらぬ境内の様相も、世界遺産に登録された理由です。

紫式部も通った縁結びの社!周辺の景色にもご注目を

写真:小々石 曲允子

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片岡社や須波神社付近から、清涼なならの小川に沿って賀茂山口神社辺りに至るまでの摂末社の佇まい、幽玄さ漂う景色も見所ですので、パワースポットと共にこのような景色にも注目して巡ってみて下さいね!

上賀茂神社(賀茂別雷神社)の基本情報

住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
アクセス : JR京都駅、阪急大宮駅、京阪出町柳駅などより京都市バスに乗車し、「上賀茂神社前(御薗口町)」下車、徒歩1分。もしくは「上賀茂御園橋」下車、徒歩約3分

2021年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/28−2021/07/20 訪問

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