福祉センターにイイ湯あります!山梨・田野温泉は知られざる名湯

福祉センターにイイ湯あります!山梨・田野温泉は知られざる名湯

更新日:2017/02/10 11:06

八岳木 流泉のプロフィール写真 八岳木 流泉 温泉ライター
山梨県東部の甲州市。塩山や勝沼の町が合併して生まれたこの市には、温泉が多く存在しています。なかでも、田野(たの)温泉は知る人ぞ知るいで湯です。町の福祉センターに併設されるため、温泉の看板などもほぼ皆無。しかしそこにはイイお湯が!こここそ秘湯と呼べるでしょう。

冬は積雪、夏は爽風

冬は積雪、夏は爽風

写真:八岳木 流泉

地図を見る

田野温泉が湧く甲州市の大和町地区は、百名山のひとつ「大菩薩嶺」へ通じる道にあります。そのため、夏には爽やかな風が吹きますが、冬には凍結と積雪があります。

車でアクセスする場合は、中央自動車道の「勝沼」インターを降ります。そこから国道20号線で笹子方面へ向かい、「景徳院入口」交差点を左折。そこから始まる県道218号線で山を上れば、田野温泉は近いです。

電車の場合は、JR中央本線「甲斐大和」駅からバスが出ています。

冬は積雪、夏は爽風

写真:八岳木 流泉

地図を見る

信玄の隠し湯としても知られていた田野温泉。その歴史は非常に深いとされています。かつては2軒の旅館がありましたが、相次ぎ廃業。その内の1軒を再利用し、市の福祉センターが開業しました。

そこで湧いていた温泉もそのまま利用。「田野の湯」として日帰り入浴を受け付けています。県道から一段下がった場所に入口があり、建物も福祉センターを思わせる外観。少しわかりにくいですが、緑色の暖簾を目印に訪ねます。

冬は積雪、夏は爽風

写真:八岳木 流泉

地図を見る

福祉センターが全面に出ていますが、誰でも入浴できます。午前9時30分から午後4時まで営業しており、市内の大人300円、市外者は600円です。

広く知られていない施設ですので、利用者は福祉センター利用の人か、地元の人が大半。平日の午前中などに入れば、貸切状態で楽しめそうです。

純粋な源泉も

純粋な源泉も

写真:八岳木 流泉

地図を見る

浴室は、男女別の内湯と露天です。内湯はタイルで広々と、露天は石で少し小さめです。

泉質は単純硫黄冷鉱泉。加温循環での利用ですが、内湯に源泉が出る蛇口があります。そちらをひねると、僅かに硫化水素の匂いがして、まさに源泉です。

なお、こちらの源泉は持ち帰ることができませんので注意してください。

露天風呂は寒気のなか

露天風呂は寒気のなか

写真:八岳木 流泉

地図を見る

湯けむりが立ち込める内湯を抜けると、寒気の露天に出ます。循環利用ですが、少しトロリとした感触が残り、実に入り応えのある温泉です。

Ph(ペーハー)の数値が10以上と非常に高い、アルカリ性の泉質ですので、ツルツルと心地の良い入浴が楽しめます。この高いPhは、田野温泉の近くにある別の温泉でも確認できるため、それらを総じて"大和高アルカリ温泉郷"などとも呼ばれます。

露天風呂は寒気のなか

写真:八岳木 流泉

地図を見る

露天風呂からの眺めはあまり期待できませんが、目の前の小さな庭園に雪が積もり、雪見の風情を感じることができます。

露天風呂は寒気のなか

写真:八岳木 流泉

地図を見る

目線を上げれば、澄んだ青空と常緑の木。そこへ樹氷のような雪が付着して、さながら梅の花が咲いたようです。

甲府の市街や東京の多摩地域からも近い田野温泉。知られざる山あいで静かな湯浴み。何とも贅沢な旅路です。

隠れた名湯でゆっくりと

いつも比較的空いている田野温泉。福祉センターに併設され、宣伝や広告をあまりしない点に、空いている要因があるようです。ならばそれを活かさぬ手はありません。空いている温泉でツルツルの良泉を独り占め。それこそツウの旅ですね。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -