写真:フルリーナ YOC
地図を見る道後温泉への旅は松山駅からスタート!駅に着いたらまずJR松山駅観光案内所で「坊っちゃん列車」の切符をゲットしましょう。待ち時間が長い時は、往路に市電かバスを使い復路で「坊っちゃん列車」に乗るといいでしょう。繁忙期は整理券が出されます。
坊っちゃん列車は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」で“マッチ箱のような汽車”と書かれた蒸気機関車がモデル。明治21年から67年間活躍した蒸気機関車は電化に伴い姿を消しましたが、2001年ディーゼルエンジンの列車として復活。この可愛らしい「坊っちゃん列車」、少々待っても乗りたいですよね!
写真:フルリーナ YOC
地図を見る「道後温泉」は3千年の歴史を持つ日本最古の温泉で、日本書紀や源氏物語にも登場し、聖徳太子も入ったといわれる由緒ある温泉。古くは「伊予の温泉(ゆ)」「熟田津(にきたつ)の温泉(ゆ)」と呼ばれていました。
道後温泉駅前にある広場「放生園」には、道後の湯で傷を癒した白鷺の足跡の残る「鷺石」、だれでも無料で楽しめる「足湯(AM6:00〜PM11:00)」、「坊っちゃんカラクリ時計」などがあり、列車等の待ち時間も有効に過ごせます。
この「足湯」も、もちろん道後温泉。明治期に道後温泉本館で使っていた湯釜から、かけ流しでアルカリ性単純温泉が流れます。女性がストッキングなどを脱げる「身嗜所(無料)」もあり便利。
足湯の横の時計台は松山名物「坊っちゃんカラクリ時計」!この時計台は道後温泉本館の「振鷺閣」をモチーフにしています。カラクリ時計は8:00から22:00の間、1時間ごとに上演。音楽が鳴り出すと「坊っちゃん」の登場人物たちが登場します(土日・祝日、3月・4月 8月・11月、年末年始・ゴールデンウイークは30分ごと)。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る道後温泉に着くと、重厚で風格のある「道後温泉本館」が目の前に!まずはチケット売り場へと向かいましょう。「道後温泉本館」は、入浴コースにより入る湯殿や料金が違います(コースの詳細はMEMO参照)。お勧めは何といっても「霊の湯三階個室」コース!
こちらは北側に面した「神の湯本館棟」。道後温泉本館の最も古い部分で1894年竣工。2階・3階には透かし彫りの「高欄」があり、夜になると光が透けて情緒満点。明治時代は、この北側が正面となっており、3つの入り口が玄関となっていました。
屋根の上には、赤いギヤマン硝子の「振鷺閣」。この「振鷲閣」は刻太鼓を鳴らす場所。朝6時・正午・午後6時に鳴らされるこの太鼓は「残したい日本の音風景百選」にも選定されています。「振鷲閣」の上に立つ白い鳥は、道後温泉発見にまつわる伝説の白鷲。
その伝説とは次のようなものです。
昔一羽の白鷲が岩の間から流れる水に傷ついた足を浸していました。その白鷲はやがて元気に飛び立ち、それを見た村人が白鷲が傷ついた足を浸していた水に手を入れると温かな温泉だったのです。
入浴券は入り口右のチケット売り場で購入。個室は混んでいると待つことになりますが、その時は待ち時間を利用して「道後ハイカラ通り」で、愛媛名産みかんのジェラートやジュースを楽しんじゃいましょう!おおよその待ち時間を聞いて、遅れることがないようご注意を。
休憩室付きのコースは色別に分けられているので、それぞれの色にしたがって歩いて行けばOK!わからない時には案内の方が詳しく教えてくれるので大丈夫。貴重品は入り口のコインロッカーや、脱衣室にある鍵付のロッカーに入れることが出来ます。
この写真は「神の湯二階席」の休憩室。55畳の大広間です。男性はここで浴衣に着替えてもOKですが、男女それぞれに脱衣所もあります。入浴後はここに戻り、おせんべいとお茶を頂けます。
「神の湯(男性)」の男性浴室は東西2か所あり、湯釜には「山部赤人」の歌が彫られています。「坊っちゃん」のように湯釜で泳ぎたい方もいるかと思いますが、残念ながら「坊っちゃん 泳ぐべからず」の木札がかかっていますので、湯釜で泳ぐのはあきらめましょう。
「神の湯(女性)」は広い作りとなっており、エキゾチックな内装が素敵。湯釜の中には、道後温泉の伝説の神様、大国主命と少彦名命の像が立っています。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る「霊の湯」のコースには、3階個室を使う「霊の湯三階個室」と、24畳の2階広間を使う「霊の湯二階席」2コースがあります。お勧めはやはり「霊の湯三階個室」!「霊の湯三階個室」コースを選ぶと、風情ある木彫りの高欄が美しい一室に案内されます。ここで誰の目も気にせずにのんびりと浴衣に着替えましょう。個室には鍵付の押入れもあるので荷物も安心。
浴衣に着替えたら「霊の湯」に向かいましょう。こちらの写真は「霊の湯(男浴室)」。「霊の湯」は「神の湯」よりも小さいものの、浴槽に庵治石や大島石、壁かべには大理石を使った贅沢な作り。「霊の湯」の2コース共に「神の湯」にも入浴可となっているので、是非どちらにも入ってくださいね。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る温泉から出て個室に帰ると、坊っちゃん団子が朱塗りの菓子皿に、炭火で沸かしたお茶が天目台に載せられ運ばれます。小説「坊っちゃん」には『温泉は3階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて8銭で済む。その上に女が天目へ茶を載せて出す。おれはいつでも上等へはいった。』と書かれていますが、漱石の時代から変わらぬお楽しみ・・・ですね。(霊の湯二階はおせんべいとお茶になります)
写真:フルリーナ YOC
地図を見る道後温泉と言えば夏目漱石の「坊っちゃん」!漱石は「道後温泉本館」がオープンした翌年に松山中学に赴任し、道後温泉によく通いました。3階の「坊っちゃんの間」は、漱石がかつて使用していたと言われる一室。漱石の見合い写真や胸像なども飾られており、入館者は誰でも見学できます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこちらの「又新殿」は「霊の湯」入浴者は無料で観覧可。「神の湯」入浴者は別途260円で見学可。「又新殿」は皇室の方が道後に来られたときに入った温泉で、明治32年完成。「前室」「御居間」「玉座の間」と続き、横には警護の人が控える「武者隠しの間」もあります。この写真は「御居間」と「玉座の間」。浴槽も見学できます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこの素晴らしい「道後温泉本館」の礎を築いたのは、明治22年町村制実施により道後湯之町・初代町長となった伊佐庭如矢。当時老朽化していた湯屋改築にあたり「100年後までも他所が真似できないものを作ってこそ、初めて物をいう」と、反対する住人を説得しました。その言葉通り、120年たった今でも道後温泉本館は日本のみならず世界中の人々をも魅了しています。
如矢はまた、道後温泉本館のみならず、松山城廃城を阻止し、道後公園を整備し、松山と道後を結ぶ道後鉄道を作りました。如矢の大胆な発想と努力が、現在の松山市のまちづくりと観光に大きな力と影響を与えたのです。
如矢が礎を築いた松山・道後温泉は、その後も多くの文人たちにも愛され、名作「坊っちゃん」や「坂の上の雲」の舞台となりました。また「道後温泉本館」はジブリの「千と千尋の神隠し」に出てくる“油屋”のモデルの一つとなったと言われています。
いかがでしたか。日本が世界に誇る道後温泉。その詩情あふれる「道後温泉本館」は2017年秋の愛媛国体開催以降、適切な時期に、保存修理工事が始まる予定。一部営業を続けながら、文化財的価値に配慮しながらの工事となります。ぜひ保存修理工事が始まる前に、「道後温泉本館」を隅々まで満喫してみて下さい。それでは皆さん、すてきな旅を!
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(2024/3/29更新)
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