西海国立公園の中でも最も美しいとされる九十九島。多島リアス式海岸の代表的景観でその絶景が「九十九島八景」と云われています。九十九島八景はいずれも佐世保市で、弓張岳展望台、展海峰、鵜渡越展望台、石岳展望台、船越展望所、高島番岳、冷水岳公園、長串山公園の8箇所からの眺めを指します。今回は、中でも特に人気の石岳展望台・展海峰・船越展望所の3つのスポットをご覧頂きます。
ご存知映画「ラストサムライ」冒頭シーンのロケ地になったのが有名な石岳展望台。アカデミー賞撮影監督賞受賞者として著名なジョン・トール氏を始めとする撮影チームがベストショットを撮るために1週間程滞在したとの事。日本の代表的な自然景観として世界に紹介された光景を心行くまで堪能致しましょう。
石岳展望台が映画の印象のように動きのある画像をイメージするのに対し、船越展望台から眺める夕陽はとても物静かで情感豊かな光景が広がります。柔らかい光に包まれ、まるで絹擦れの音が聞こえて来そうな表情の海、島に落ちる斜陽の陰影と筏の模様がとても印象的で心に強く残ります。そして何より船越展望所は他の展望台に比べ海への距離が近く、繊細な表情がより身近に感じるところから夕陽を目的に通われる方も多いのです。
この光景に帆船が軌跡を描くように遊覧していると、まるで南蛮文化が入り込んで来た当時の長崎佐世保に戻ったような不思議な感覚。九十九島八景はそんな旅情も感じさせてくれる素晴らしいエリアなのです。
九十九島八景の一つでありながら展海峰は他の展望台と比較して街中から遠くアクセスが悪かった為、中々開発されなかったようです。しかし近年になって駐車場や売店、トイレなどの整備。そして季節の花を植えるなど観光客の誘致に傾注したのが徐々に浸透し、ついに佐世保市で最も人気の高い展望台となりました。
この深い青さ!異国情緒たっぷりの長崎ですが、この光景は異国そのもの。展望台の眼下に広がる180度の大パノラマ。山や雑木などの障害物はほとんど感じられず、見晴らしは最高!
深い深い青さが目立った九十九島の海も西に大きく陽が傾き出すと海風が気になり始めます。せっかくですので赤く染まった夕景を心に刻んで帰りましょう。季節によってはかなり気温が下がります、特に冬季の防寒対策はしっかり取って下さいね。
元々、九十九島八景の中心的な展望所だった弓張岳展望台。しかし九十九島までの距離があり過ぎ、島影も手前の山に遮られほとんど見えず、あまり評判が良くなかったようです。
この画像は弓張岳中腹にある弓張の丘ホテルから臨んだ佐世保市街地の夜景。こちらのホテル、九十九島側と佐世保市内側に向いた部屋が選べます。上手く予約が取れれば、部屋から絶景を堪能することも出来るんですね。弓張岳展望台からの眺望に比べ、雑木などの障害物も綺麗に処理されている為、見晴らしが良いんですよ。
日本三大夜景、長崎市の夜景に比べるとかなりコンパクトになりますが、港湾都市佐世保市街の滲む灯りが旅愁をかきたててくれます!ホテルのラウンジでグラスを傾けながら眺めるのも素敵。カフェ・バーラウンジ ノース33°がお薦め、とても良い雰囲気ですよ。
大小様々な島が織りなす九十九島の風景!180度の視界に高台からのアングル、圧倒的な迫力のあのハリウッド映画「ラストサムライ」の冒頭シーンを思い出される方も多いはず。各展望台からの眺めは好みがありますが、総じて甲乙付け難いです。お時間の許す方は一通り制覇してみてはいかがでしょう。
素晴らしい景色はもちろん空気の澄む青空の広がった時に訪れたいものです。ただ、春は快晴の日でも霞む日が多く、大陸からの黄砂などの影響で楽しみが半減したなんて事も多くあります。やはり空気の澄み切った冬が一番のお薦め。さあ、特大の自然スクリーンで迫力のあるスペクタクルの世界へ出掛けましょう!
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索