道路が…刺さってる!?高知「手結港」にそびえ立つ不思議な道路とは

道路が…刺さってる!?高知「手結港」にそびえ立つ不思議な道路とは

更新日:2017/02/06 09:36

岡本 大樹のプロフィール写真 岡本 大樹 原付旅人、アマチュア自然フォトグラファー
普段何気なく通っている道路。その道路がそびえ立っている場所が高知の手結港という場所にある、と聞くとどう思われるでしょうか?一見すると壁のように思えますが、中央線らしきものも書かれていて道路の様相。どう通るのか、何のために道路がそびえ立たなければいけないのか…その謎を紐解きます。

これは道路…なのか?

これは道路…なのか?

写真:岡本 大樹

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高知県の香南市には手結(てい)港という小さな港がありますが、そこには壁のようにそびえ立つ道路があります。

…は?道路が壁?と大抵の人はなるでしょう。ものの例えではありません。文字通りの壁道路です。写真を見ていただければ一目瞭然でしょう。

これは道路…なのか?

写真:岡本 大樹

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2016年には俳優の山崎賢人さんが出演するダイハツ車のテレビCMに使われたこともあり、多くの人がテレビの中でこの道路を目にしたのではないかと思います。あまりに不思議な光景に一瞬CGか何かかと思ってしまいそうですが、この道路は実際に高知に存在します。

ではこの道路はどうやって通るのか。というより、まず通ることができるのか、順を追ってご説明していきましょう。

そびえ立つ道路を別角度から

そびえ立つ道路を別角度から

写真:岡本 大樹

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いくら正面から見ていても壁道路の謎は解けそうにありません。では別の角度から見てみることにしましょう。

まずは横から。どう見ても道路として成り立っていません…道路というよりも少し傾いた壁ですね。

そびえ立つ道路を別角度から

写真:岡本 大樹

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では裏側から見てみましょうか。裏側から見ると…もはや道路の面影は全くありません。しかしながら、少し時間が経つとこの壁のすぐ下を船が通り始めました。

そう、これは可動橋

そう、これは可動橋

写真:岡本 大樹

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ここまでで察しのいい方ならもうおわかりかと思いますが、このそびえ立つ道路は可動橋。港から海への出口に設置されていて、決まった時間帯だけ道路になるという跳ね橋なのです。

CMの中でも、山崎賢人さんが「あ、橋なのね。」と言って車でスッと通り抜ける様子が映し出されていますので、ぜひ同じように通ってみてくださいね。

そう、これは可動橋

写真:岡本 大樹

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とはいっても、橋になっている時間帯では可動橋と気づかずに通りすぎてしまうかも。橋が降りている通行可能な時間帯は1日で7時間ほどと決まっていますので、手結港を訪問する際は事前にチェックしてから行きましょう。

通行可能時間は以下の通りとなっています(※2017年2月時点)
・6:30〜8:00
・9:00〜10:00
・11:00〜12:00
・13:00〜14:30
・15:00〜16:00
・17:00〜18:00

橋を通ってみたいという場合はこの時間に、逆にそびえ立つ道路を見たいという方はこの時間を外して行ってみてくださいね。

可動橋の見どころはやはり動いている姿

可動橋の見どころはやはり動いている姿

写真:岡本 大樹

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そびえ立つ道路の謎は解けましたが、時間が許すのであれば可動橋が作動して壁が橋に、橋が壁になる様子も見ることをオススメします。橋の手前にある操作室の上へは自由に上がることができ、橋がゆっくりと傾いていく様子をじっくり楽しむことができます。

動画:岡本 大樹

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可動橋が動いている時間は約6分間。ゆっくりと70°の角度まで上がっていきます。しかしながら、特に機械音もなく静かに静かに上がっていくので、初めて見る場合は少しの間動いていることに気づかないかもしれません。

こちらの動画は道路が立ち上がる際の2分程のもの。本当に静かなのでとてもシュールな動画ではありますが、その様子がよくわかると思いますのでぜひ一度ご覧ください。

可動橋の見どころはやはり動いている姿

写真:岡本 大樹

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また橋が架かるタイミングには裏側からその動きを見るのがオススメです。橋の長さは32m程なので、それほど大きな橋ではないと思うかもしれませんが、ゆっくりと迫るように降りてくる姿はなかなか迫力がありますよ。

手結港自体も見どころ

手結港自体も見どころ

写真:岡本 大樹

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こちらの橋の正式名称は「高知県手結港臨港道路可動橋」といい、その名前の通り手結港の出入り口として機能していますが、この港自体も歴史ある港なので、可動橋だけではなく港全体も見てみましょう。

この港の歴史はなんと江戸時代まで遡ります。1650年頃に土佐藩によって作られたこの港は日本で最初の本格的な掘り込み港。掘り込み港というのは、東京港や大阪港などの埋め立て式とは違い、海岸から内側に砂丘地帯を掘り込んで造る港のことを指します。

手結港自体も見どころ

写真:岡本 大樹

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現在の一般的な港から考えると小さいと思える手結港ですが、機械などない時代に人の手によって作られたと聞くとかなり大規模なものだということがわかると思います。

この写真の常夜燈を始め、港の大部分は当時の面影を残したまま改修され、現役港として利用されています。そのため歴史にそれほど詳しくなくとも、レトロな港は散歩するだけで楽しめます。

手結港で可動橋を目撃しよう

テレビCMで登場したこともあり、手結港可動橋は注目スポットとなりつつあります。壁のように立つ道路の姿は一度見ると忘れられない光景ですよね。
そして、可動橋だけでなく手結港自体も魅力ある港となっていますのでお見逃しなく。掘り込み港という形式が珍しいこともありますが、江戸時代に造られたということも知った上で見ると一際楽しむことができると思いますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/03 訪問

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