JR中央本線・上諏訪駅から徒歩約8分、中央自動車道諏訪I.C.より約7km。諏訪市美術館のすぐ隣にあるのが片倉館です。日帰りの温泉施設として、1928年(昭和3年)に竣工して以来80年以上、地域の住民や観光客に親しまれてきた歴史ある温泉大浴場です。
広い敷地内はイチョウや桜が植えられており、季節ごとに表情を変えます。散策するだけでも気持ちがよいので、諏訪湖を訪れるなら必ず立ち寄りたいスポットの一つです。
片倉館を建てたのは、シルクエンペラー≠ニ呼ばれる地元の名士・片倉財閥の二代目の片倉兼太郎。大正11年〜12年にかけて北中南米からヨーロッパへ視察旅行に出かけた時に、ヨーロッパの農村で見かけた厚生施設の充実ぶりに感銘を受け、「日本でも地域住民のために施設を作りたい」と思い建築に着手したそうです。
建築したのは台湾の宮廷を多く手がけた森山松之助氏。レリーフやステンドグラスなど、各国の様々な時代の様式を取り入れた設計で、○○形式、とくくれないのだとか。
2011年に会館、浴場、渡廊下が国の重要文化財に指定されました。
写真は2階のバルコニーから。
提供元:財団法人・片倉館
地図を見るレトロな外観のみならず、浴場内も昭和ロマンが漂う美しいデザイン。総タイル張りで、彫刻やステンドグラスが施され、古代ギリシャや古代ローマの浴場のようです。
100人が一度に入れると言われる千人風呂は幅4m、長さ7.5m、深さ1.1m。他にジャグジー浴室も併設されています。歴史ある浴場ですが、洗い場も十分備えられており、清潔で快適。浴室はデザイン、広さともに男女同じです。
提供元:財団法人・片倉館
地図を見るこの千人風呂は見た目が美しいばかりではありません。浸かってみるとかなり気持ちのいいお風呂です。
理由の一つは、1.1mの深さ。腰をかけるための2段の段差がありますが、深い方に腰をかけると水面すれすれに顔が出るくらい。全身がすっぽり湯に包まれる快適さは深い浴槽ならでは。温度は少し熱めで、じっくり体が温まります。
泉質はph7.9の弱アルカリ性の単純温泉。循環しているものの、源泉をかなり投入しているらしく、浴槽からざばざばとお湯が溢れていました。
底には玉砂利が敷かれており、足裏に適度な刺激を与えてくれるのも気持ちがよく、何度も出たり入ったりしながら、温泉と玉砂利の感触を楽しみました。
2階の大ホールには食堂と売店が併設されており、諏訪産コシヒカリや凍み豆腐など地元食材を使った食事やピザやらーめん、お酒類もそろっています。
広い休憩所や貸切の個室もあるので、旅の疲れを温泉で癒して一休みという使い方もよいでしょう。
諏訪湖周辺には諏訪大社をはじめ、この写真を撮影した岡谷湖畔公園など、気持ちのよい見所がたくさんあります。
ぜひ旅の途中で片倉館に立ち寄ってみてください!
諏訪湖畔という抜群のロケーションと昭和ロマンが薫る、重要文化財の大浴場。泉質も上々ーー。こんなに条件のそろった温泉施設、なかなかないのではないでしょうか?
しかもお値段も600円という手軽さ。「地域住民のための厚生施設を」という片倉兼太郎氏の志に我々も感謝です。
上諏訪には他にも日帰り温泉や旅館がありますが、片倉館は温泉好きにはイチオシの施設です!
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(2024/4/20更新)
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