春の枝垂梅は必見!京都の寺院と間違えそうな町田「宏善寺」

春の枝垂梅は必見!京都の寺院と間違えそうな町田「宏善寺」

更新日:2017/02/06 11:08

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「宏善寺」は東京都町田市中心部から北へ約2km程離れた住宅街の中にある寺院で、一見、小さい寺院のように見えますが、実際にアクセスしてみると狭い境内には見所がたくさん詰まった寺院!特に春は境内の本堂前に植えられた枝垂梅が見事に咲き乱れ、訪問する人を和ませてくれます。また、京都の寺院を訪問しているかのような錯覚に陥ってしまうほど、和庭園が見事!都内でありながら早春の京都気分を味わいに行こう!

綺麗な住宅街の一角に突如現れる堂々たる総門!

綺麗な住宅街の一角に突如現れる堂々たる総門!

写真:木村 優光

地図を見る

「宏善寺」は元は真言宗の寺院でしたが、1271年に日蓮宗に改められたという、ちょっと変わった経歴を持つ寺院です。旧本山は身延山の久遠寺で甲州系。歴史上の戦火で度々焼失しましたが、江戸時代になって整備され現在に至ります。

「宏善寺」だけに言えることではありませんが、堂々たる総門(山門)を真正面から眺めていると、歴史的建造物としての風格が素晴らしく、一見入ってよいのか迷ってしまうほどの威圧感があります。しかし「宏善寺」は観光寺院ではないにもかかわらず拝観自由ですので、その点はお気になさらず、神聖な気持ちで入山してみましょう。

綺麗な住宅街の一角に突如現れる堂々たる総門!

写真:木村 優光

地図を見る

境内にお邪魔する前に、まずは総門越しに内部を眺めてみると、参道が意外にも長く感じます。この状態でここは本当に都内なの?と思ってしまうほど、総門をくぐる前から脳裏には京都情景がじわじわと浸透していきます。

上の写真で視線を左側に移せば、今時の住宅がたくさん建ち並んでいます。こんなところも京都の左京区あたりに似ていると思いません?ちなみに右の石垣も「宏善寺」の敷地で、桜の木が数本植えられています。梅の花が終われば桜の季節がやってきて、境内は桜一色となります。

JR東海のCMの見すぎ?いえいえ違います。ここは町田です!

JR東海のCMの見すぎ?いえいえ違います。ここは町田です!

写真:木村 優光

地図を見る

総門をくぐり途中の仁王門もくぐると、やっとの思いで境内庭園へと足を踏み入れることができます。途中、総門と仁王門を結ぶ参道は総門から見ると長く感じますが、距離的には約40mと意外に短く、さらには綺麗に手入れされているため、ついつい参道途中で立ち止まって写真をパシャリ!なんてのも良いでしょうね。そんなこともあり境内庭園へ足を踏み入れるまでが少し時間を要するでしょう。

仁王門から境内を眺めてみると、左手前側には鐘楼、正面には赤塗りが特徴的な本堂があります。その間に枝垂梅が植えられていて、両側の歴史的建造物に挟まれている様子は、春の和の雰囲気を十分に感じさせてくれるもの!しばし仁王門前で見とれてしまいます。

JR東海のCMの見すぎ?いえいえ違います。ここは町田です!

写真:木村 優光

地図を見る

仁王門前で少し角度を変えてみると、右端の奥側には庫裏が見え、手前に白砂庭園があるため、和庭園の素晴らしい様子を見ることができます。このアングルビューもしばし仁王門前で見とれてしまうこと間違いなし!したがって時間に余裕がある方は、仁王門前から境内の隅々までじっくりと見渡してみましょう。素晴らしい発見があるかもしれません。

なお、「庫裏」とは寺院に住まれている住職さんとその家族が住む居住で、中には寺務所として機能している寺院もあります。読み方はこれまた難しく「くり」と読みます。

参拝後は本堂を背にして境内庭園を眺めてみよう!

参拝後は本堂を背にして境内庭園を眺めてみよう!

写真:木村 優光

地図を見る

やっと本堂の前までたどり着くことができましたね。まずは本堂に向かって参拝を済ませましょう。その後は数段高くなったお賽銭場から境内庭園を眺めてみると、目の前に枝垂梅の木、そしてその背後に鐘楼、仁王門と、これまた素晴らしすぎるアングルとなっています。

それだけ「宏善寺」の魅力があちこちに点在して、見所多すぎ!と感じることでしょう。狭い寺院さんだからといって侮ってはいけません。中には「宏善寺」のように魅力要素がぎっしりつまった寺院さんもあるわけで。

参拝後は本堂を背にして境内庭園を眺めてみよう!

写真:木村 優光

地図を見る

枝垂梅の花や枝にピントを合わせて、仁王門から総門までの参道を圧縮効果で狙うのも、境内の雰囲気を1枚に納める方法として効果的な撮り方ですので、望遠レンズをお持ちでしたらチャレンジしてみるのも良いでしょう。

なお「宏善寺」の枝垂梅はその年の気象条件により咲く時期にかなり変動があるため、咲き始めが最速で2月初旬、再遅で3月初旬とかなりのばらつきがありますので、梅の花の開花情報を参考にして訪問する日程を決めると良いでしょう。

境内のさまざまなアングルで梅を撮影してみよう!

境内のさまざまなアングルで梅を撮影してみよう!

写真:木村 優光

地図を見る

こちらは本堂の目の前にある石灯篭と白梅とのコラボレーションです。「宏善寺」は上で紹介した枝垂梅が有名ですが、境内には白梅なども植えられているため、同時に見ることができます。

梅だけでなく、白砂や苔類、そして低木などと組み合わせて撮ると、尚一層その場の雰囲気がよく分かるだけでなく、さらに和の雰囲気を出すことができます。このほかにさまざまな構図を狙うことができるため、いろいろとチャレンジしてみましょう。

境内のさまざまなアングルで梅を撮影してみよう!

写真:木村 優光

地図を見る

上で紹介した構図の反対側から撮ったものがこちらになります。背後は本堂の赤塗りを交えた1枚ですが、手前の白梅を強調しているため、本堂の赤塗りがアクセントとなって、お寺さんの境内であることがよく分かる1枚になっています。

梅だけでなく他にもさまざまな花が咲く「宏善寺」の境内庭園

「宏善寺」は梅の季節が終わると、すかさず桜の季節がやってきます。境内には桜の木も非常に多いため、花見するのには最高の寺院!しかもかなりの穴場寺院ですので、訪問する人は多くありません。ただし、境内で場所取りや宴会は厳禁となっています。

また所々に植えられる四季の花も忘れてはいけません。手入れが行き届いた境内に植えられた花は周りの建造物とマッチして、ここが本当に京都であると錯覚してしまうほど素晴らしい寺院です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/28−2017/02/05 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -