ドイツ・ダルムシュタットのシンボル「結婚記念塔」は不思議な形!?ロマンティックなモザイクも必見!

ドイツ・ダルムシュタットのシンボル「結婚記念塔」は不思議な形!?ロマンティックなモザイクも必見!

更新日:2017/01/27 15:10

car minのプロフィール写真 car min ドイツ在住旅行ブロガー
ドイツ南西部、フランクフルトから南約30kmのところに、ヘッセン州の都市「ダルムシュタット」があります。そこには100年前、当時の大公の庇護の元築いたユーゲントシュティール、フランス風でアール・ヌーボー(青年派様式)の芸術家村「マチルダの丘」があり、現在も数々の素晴らしい建築が残っています。そして、そこに立つダルムシュタットの象徴的存在「結婚記念塔」はちょっと不思議な形をしています。

マチルダの丘にそびえる町のシンボル

マチルダの丘にそびえる町のシンボル

写真:car min

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ダルムシュタット/Darmstadtの町の東側に、19世紀末から20世紀初頭にかけてヘッセン・ダルムシュタット大公のエルンスト・ルートヴィヒがドイツ各地から芸術家を呼び寄せて造った芸術家村「マチルダの丘/Die Mathildenhoehe」があります。その丘の中心となる場所に不思議な手の形をしたレンガ色の建物とロシア正教会がとても奇妙な調和をみせています。

この手の形をした建物は「結婚記念塔/Hochzeitsturm」と呼ばれ、1905年に結婚したエルンスト・ルートヴィヒ大公とエレオノーレ妃への結婚のプレゼントとして1907年から1908年にかけて建てられ、ダルムシュタット市民から寄贈されたものです。この5本の指がのびた手は結婚式での大公の宣誓した手をモチーフにしたと言われています。

現在も結婚式で使われる「結婚記念塔」

現在も結婚式で使われる「結婚記念塔」

写真:car min

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1993年よりこの塔にはドイツの戸籍役場、スタンデスアムト/Standesamtが入っていて、ダルムシュタット市民は市役所かこの「結婚記念塔」で結婚式をあげることができます。日本の市役所では婚姻届提出のみですが、ドイツでは必ずこの戸籍役場で担当者立ち合いのもと、お互いの意思の確認をし、婚姻証明書にサインをしなければなりません。その後、教会で式を挙げたり会食をするのがドイツスタイルの結婚です。

4Fの大公の間は戸籍役場に、5Fの大公妃の間は結婚式の部屋として現在使われていて、年間500組のカップルがこの部屋を使って伝統的な結婚式を挙げています。結婚式が無い時は1世紀前の壮麗な装飾をされた部屋を見学することもできます。

塔の南にはモザイクの日時計が

塔の南にはモザイクの日時計が

写真:car min

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ヨーゼフ・オルブリヒ/Joseph M Olblichによる個性的な「結婚記念塔」はその装飾も芸術性にあふれています。塔の南面には宇宙をイメージするように青いガラスモザイクに金色の星座が煌めき、その中心に黄金色の太陽が輝いている日時計が設置されています。またその下にはRudolf Bindingによる人生の儚さをうたった詩も記されています。

玄関ホールのロマンティックなモザイクは必見!

玄関ホールのロマンティックなモザイクは必見!

写真:car min

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玄関ホールに足を踏み入れると、とてもロマンティックなモザイクが目に飛び込んできます。「Der Kuss/口づけ」のタイトルのモザイクは真っ青な宇宙の中で男女の天使が永遠の愛を誓っているように見えます。

玄関ホールのロマンティックなモザイクは必見!

写真:car min

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玄関ホールの天井は黄金のアーチ型でその中に小さな星々が瞬いているように見えます。そして二人の天使と反対側の壁には、幻想的な天使が描かれ、その足元にはエルンスト・ルートヴィヒ大公とエレオノーレ妃の名前が記されています。このモザイクのタイトルは「Die Treue/誠実」で、大公と妃の結婚の象徴として変わらぬ心を表現しています。この2作品と日時計はF.W.Kleukenによるものです。

展望デッキからダルムシュタットの町を

展望デッキからダルムシュタットの町を

写真:car min

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7階の展望デッキへは玄関ホールで料金を払いエレベーターで昇ることもでき、ガラス越しですが33.5mの高さからダルムシュタットの町を眺めることができます。ドイツらしい赤やレンガ色の屋根の中に一際目立つ建物は、日本でも著名な建築家フンデルトヴァッサーの「森の渦巻き/Waldspirale」です。間近で見るのも素晴らしいですが、こちらから遠目に見る外観全体も印象的です。

マチルダの丘には芸術的な建物が多数

ご紹介した「結婚記念塔」以外にもマチルダの丘には展覧会場、芸術家コロニー美術館、そしてユーゲントシュテイール建築の家が残っています。周辺には緑も多く散策にも適しているので、ご自身のお気に入り芸術作品を発見してくださいね。

開館日等は季節によって異なるので、下記関連MEMOから確認して訪問されることをお勧めします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/28 訪問

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