写真:東郷 カオル
地図を見る鎌達稲荷神社は東寺の西にある小さな神社。住所は「西寺」。ここは平安京造営の際に東寺と対になる同規模の伽藍が造られた場所なのです。ちょうど東寺と西寺の南を東西に走る九条通近辺には平安京の入口であった「羅城門」の地名が残っており、東寺・西寺が栄えた当寺を思わせます。
西寺は今ではその影もなく、今回ご紹介する鎌達稲荷神社の裏の唐橋西寺公園が西寺の講堂跡とされています。
写真:東郷 カオル
地図を見るサムハラの名が付く神社は大阪と岡山だけですが、サムハラの護符を授与する神社は各地にあり、ここ鎌達稲荷神社もその一つ。
鎌達稲荷神社は西寺跡に広がる住宅街にあるひっそりとした神社。御祭神は伊勢外宮鎮座の豊受大神と同一神とされる倉稲魂大神と、道開きの神様・猿田彦大神。
鎌達稲荷神社は伏見稲荷大社よりも歴史が古く、元稲荷とも伝えられています。平安朝以降は陰陽師・安倍晴明の子孫、安倍土御門家ゆかりの神社となっています。
もともとは梅小路にあった神社ですが、1911年、梅小路軌道拡張のため現在の地に遷御されたもので、現在の御社殿は1996年に新しくなっています。
写真:東郷 カオル
地図を見る鎌達稲荷神社の授与所は御社殿の右手にあります。
授与所には写真のような小さな箪笥が置かれており、引き出しを開けると、サムハラの御守りや御札、御朱印が用意されています。それぞれにいくらお納めすればよいか書かれていますので、不足のないように御社殿のお賽銭箱にお納めしましょう。
写真:東郷 カオル
地図を見るサムハラ御守りはこちらの「サムハラ 1体 800円」と書かれている引き出しに入っています。
「サムハラ」は漢字で表記することができない“神字”というもの。弾除け、厄除け、無病、無傷の護符とされており、古くは加藤清正が朝鮮出兵の折に「サムハラ」の4字を刀に刻んだと云われており、戦時中は千人針にも使われました。
こちらの授与所は無人のためお釣りが出ませんので、お釣り分はお賽銭としてお納めします。つまり1,000円なら200円分はお賽銭ということです。もし一万円札しかなければ9,200円がお賽銭ということになります…。御利益ありそうです。
写真:東郷 カオル
地図を見るこちらは先ほどの授与所の引き出しでいただける御朱印。無人のため日付は入りませんが、無人でもこのような形で授与していただけることは有難いことです。
※自宅撮影
写真:東郷 カオル
地図を見るこちらは「サムハラ」の御守り。金色の神々しいお守りです。鎌達稲荷神社の小袋に入っていて、片面は「サムハラ」ですが、もう一方は「鎌達稲荷神社」の文字となっています。「サムハラ」の4字が入っている御守りは「守られている」「これがあるから大丈夫」という不思議な安心感があります。
京都旅行中だが、大阪のサムハラ神社までは足を延ばせないという方は、是非こちらの鎌達稲荷神社でサムハラお守りを分けていただいて帰ってください。
※自宅撮影
写真:東郷 カオル
地図を見る境内には末社・白菊稲荷大神や浄僧貴所之塚もお祀りされています。浄僧貴所は平安朝比叡山の呪術僧で、亡くなった父親を祈祷で蘇生させたり、傾くと不吉とされた八坂の搭の傾きを真っ直ぐになおしたりと、かなり強力な呪術の持ち主であったようです。
陰陽師に、サムハラに、強力な呪術僧。幻の西寺跡に建つ神社は不思議なパワーに満ち溢れる、まぎれもないパワースポットです。
直接行くならJR西大路駅が便利ですが、時間があるなら東寺とセットでお参りしながら、今は存在しない西寺を思うのも良いでしょう。バスで東寺、徒歩で鎌達稲荷神社、徒歩でJR西大路駅。もしくはJR西大路駅から徒歩で鎌達稲荷神社、徒歩で東寺、東寺からバスで京都駅へ戻る、というルートがおすすめです。
鎌達稲荷神社は西寺前バス停が最寄りなのですが、バスの本数が少ないためおすすめできません。バスで行きたいなら、九条七本松で降りて、フレスコを曲がって七本松通を北上。左手に見えてくる公園が西寺跡の唐橋西寺公園で、鎌達稲荷神社は公園の北側にあります。
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(2024/4/27更新)
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