信州高山村に春を告げる「和美の桜」と「五大桜」

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信州高山村に春を告げる「和美の桜」と「五大桜」

信州高山村に春を告げる「和美の桜」と「五大桜」

更新日:2017/03/05 20:29

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

秋の紅葉で有名な松川渓谷や湯つづきの里・信州高山温泉郷で知られる信州高山村は、善光寺平の東端に広がる山里です。村には老樹のしだれ桜が点在し、「しだれ桜の里」として毎年4月中旬から下旬にかけて桜まつりが開催され、県内外からの花見客が絶えません。村内には約20本ものしだれ桜があり、その内半数が樹齢200年を越し、桜それぞれに個性が感じられるほどです。気品ある姿を求めて桜巡りを是非楽しんでみてください。

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信州高山村の春は「和美の桜」から

信州高山村の春は「和美の桜」から

写真:和山 光一

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信州高山村の古木の中でとくに水中のしだれ桜、坪井のしだれ桜、赤和観音のしだれ桜、中塩のしだれ桜、黒部のエドヒガンザクラは、その見事さから『高山五大桜』と呼ばれています。そして最近樹形が美しいことから五大桜に迫る勢いで人気なのが写真の「和美の桜」です。

この桜は高山村役場のすぐ近く、役場前の道路の反対側、民家の畑の中にあります。以前は「役場上のしだれ桜」と呼ばれていましたが、村制施行50周年を記念して「和美(なごみ)の桜」と命名されました。樹齢は100年ほどで村内では若いだけあって樹勢があり、樹形も美しい桜で存在感が大きいです。この桜の前には毎年アップライトピアノが置かれていてタイミングがよいとピアノ演奏を楽しめます。もちろん空いている時は自由に弾くことができますよ。

高山村のしだれ桜の中では開花は早い方ですのでお見逃しなく。

樹下の地蔵がのどかな風景「中塩のしだれ桜」

樹下の地蔵がのどかな風景「中塩のしだれ桜」

写真:和山 光一

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五大桜の中で一番早く開花するのが「中塩のしだれ桜」です。リンゴやモモ畑に囲まれた阿弥陀堂の道端に立つ樹齢約150年、樹高約10mの古木。他の五大桜に比べると小ぶりな感じですが、樹勢が強く、枝張りが程よくまとまって、まるで滝のように下に垂れ、阿弥陀堂の赤い屋根を覆うように赤味が濃いあふれんばかりの花をつけています。

樹下には地蔵さんが安置されていて、毛糸で編まれた真っ赤な帽子がかわいく、田舎の懐かしさを感じる場所です。

名所の里に咲く高山村最古の桜「坪井のしだれ桜」

名所の里に咲く高山村最古の桜「坪井のしだれ桜」

写真:和山 光一

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中塩のしだれ桜の手前、山田神社からさらに奥まったところ大杉神社の先、山田の三郷地区坪井集落の中程の北方、坪井川が刻む谷の縁にあるのが、中島千波画伯が屏風絵に描いている「坪井のしだれ桜」です。開花時には谷の林を背にして際立ちます。村一番の老大樹で、江戸時代の寛永の年号が刻まれた墓石が根元にあり、精霊が宿った桜としてなかなかの迫力があります。樹高約10M、幹回り8M、樹齢600年の桜は石川県巨樹の会による「日本彼岸桜見立番付」で「西の小結」に選ばれています。親木とみれる二本の主幹、根元からその子が育ち、孫やひ孫が株立っていますよ。

名所の里に咲く高山村最古の桜「坪井のしだれ桜」

写真:和山 光一

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近くには「横道のしだれ桜」もあります。山田温泉の延命桜や大橋南のしだれ桜などを加えた「十大桜」と呼ばれる桜のひとつです。

昔を偲ばせるお堂が趣深い「水中のしだれ桜」「赤和観音のしだれ桜」

昔を偲ばせるお堂が趣深い「水中のしだれ桜」「赤和観音のしだれ桜」

写真:和山 光一

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JA須高共選所の信号から案内に沿って進むと会えるのが「水中のしだれ桜」です。水中の山すそ、月生城跡の東麓字滝の入地籍に満開時には薄緋色の滝の如く咲き誇ります。高山村の五大桜のなかで最も人気が高く、吉永小百合主演の映画「北の零年」のロケ地としても使われました。映画の冒頭に淡路島で浄瑠璃の舞台が行われるシーンで威風堂々とスクリーンに登場しています。

江戸時代の寛保2年(1742)に起った水害「蛇抜け」の後、屋敷神である鹿島神を祀り、その際に水害に遭った人々の魂を鎮めるために植えられた桜だといいます。地域では鹿島神社境内にあるので「鹿島のしだれ桜」とも呼ばれています。樹齢約260年、樹高22m、幹周4mの大樹でのどかな田園風景にのびのびと枝を広げる姿は、遠くの冠雪を残す北信五岳を借景にまるで一枚の風景画のようであり、見応え充分なしだれ桜です。社殿には「糸さくら隠れ平家の神に咲く」ー蒼風の句が懸っていたとのこと。桜の見頃は、4月中旬から下旬までで、約2週間にわたって濃淡さまざまな色調で目を楽しませてくれます。

昔を偲ばせるお堂が趣深い「水中のしだれ桜」「赤和観音のしだれ桜」

写真:和山 光一

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「水中のしだれ桜」へ向かう途中、高社神社がある分岐点から標識にしたがって向かうと、山中の観音堂の登り口に立っているのが「赤和観音のしだれ桜」です。赤和観音は、400年余りの歴史を持ち、本堂は亀原三代和太四郎により改築されました。樹高15M、樹齢200年余で比較的花々の赤味が濃く、駐車場から桜の上にある観音堂の赤い屋根とともに眺める角度が美しい。山寺の雰囲気が魅力です。

桜の横からお堂までゴロゴロした石の階段を登ります。写真で見ると近い感じがしますが歩いて登るとかなりも高低差があります。お堂までの途中にあるあずまやから見下ろすと、桜は斜面に斜めに立っています。崖の上に佇み、支柱で支えられながら山側に伸ばした太い根を地面に張り、その踏ん張る姿に生命力を感じますよ。

この赤和地区には他にも「赤和集落センターのしだれ桜」「篠原家のしだれ桜」があるので見逃せません。

高山村五大桜唯一の「黒部のエドヒガンザクラ」は最後に咲く

高山村五大桜唯一の「黒部のエドヒガンザクラ」は最後に咲く

写真:和山 光一

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最後に咲くのが「黒部のエドヒガンザクラ」です。黒部は樋沢川扇状地の扇頂部の山間の里。古村跡ともいわれる集落の南の水田地帯の一画にあります。傾斜のある水田地帯の中に孤立した樹なので孤高の気高さがあり、遠目にも気品のある姿がよくわかります。案内板のある
正面から写真に撮ると綺麗な半円形をしています。

五大桜唯一のエドヒガンザクラは花びらの赤味が濃く、黒みのある二つの幹が分かれて一本は垂直、他は斜めに伸びて枝がはうように広がり、こんもりとした姿は盆栽のような雰囲気を醸し出しています。見物人気も高く、樹齢は約500年、樹高約13m、幹周約7m、樹下にはかつて集落の人々が祀った十二神宮跡の石碑が建っています。

タイミングがあえば菜の花の黄色と桜のピンクの競演が楽しめますよ。

小林一茶が愛したしだれ桜の里・信州高山村

小林一茶の記念館の開館記念に作った句碑マップに桜の名所も表示したことにより全国的に有名になった信州高山村。50基にのぼる句碑や歌碑があります。村内を巡るには細道を辿るルートが多く車は必需品です。まずは村役場で桜マップをもらいます。要所要所にある案内板と照らし合わせながら進み、桜めぐりの旅を楽しみましょう。高山の五大桜の開花時期にはさくらまつりが開催され、五大桜を回るトレッキングやスタンプラリーなどが開催されます。

山里たっぷりの桜の地・信州高山村は、松川渓谷沿いに蕨温泉をはじめとする8つの温泉郷が並びます。開湯800年の歴史ある山田温泉や天候によって湯の色が変わるという五色温泉、秘湯の趣を残す七味温泉などいずれもが味わい深い名湯揃いです。湯の湧く山懐まで分けいれば新緑の5月の上旬には松川渓谷にオオヤマザクラも色濃咲き、霞のように山肌を彩ります。桜めぐりに疲れたあとは、ゆったりと温泉に浸かれる楽しみも味わいたいですね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/12−2016/04/19 訪問

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