ジブリ映画「耳をすませば」の聖地、聖蹟桜ヶ丘のいろは坂を歩いてみよう

ジブリ映画「耳をすませば」の聖地、聖蹟桜ヶ丘のいろは坂を歩いてみよう

更新日:2017/10/11 18:58

雲本 らてのプロフィール写真 雲本 らて 散歩ブロガー、坂道探検家
1995年に公開された、スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」で登場する風景は、実在する多摩市の聖蹟桜ヶ丘の街並みがモチーフになったことでも有名です。映画では聖蹟桜ヶ丘の高台地域にのぼる「いろは坂」をモデルにした坂道や階段が何度も登場します。今回はそんな「耳をすませば」の聖地でもある、いろは坂を中心に虚実入り交じった散策スポットを紹介してみたいと思います。

図書館に続く坂道

図書館に続く坂道

写真:雲本 らて

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「いろは坂」は、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅からさくら通りを南下し、大栗川を渡ったところから街の高台地域へと上る坂道のことをそう呼んでいます。映画では主人公の読書好きな女の子、月島雫が猫を追って駅前から坂の途中にある図書館に向かうシーンがあり、劇中登場する坂道が実際のいろは坂とそっくりに描かれています。 

いろは坂に徒歩で行くには、京王線聖蹟桜ケ丘駅が最寄り駅です。駅前の西口広場には、劇中登場した地球屋をモチーフにしたモニュメント「青春のポスト」も設置されてあります。自分の夢をカードに書き綴って投函する場所です。またモニュメントのそばには上映10周年を記念して設置された「耳をすませば モデル地案内マップ」の看板もあります。いろは坂に向かう前にぜひ確認しておきましょう。

図書館に続く坂道

写真:雲本 らて

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いろは坂は、山の上にあるとも言える桜ヶ丘の高台地域に上る坂道のため、距離も長く、勾配もキツメです。その分、緩やかなカーブを描いていたり、短い距離で急勾配な崖地をのぼるためのヘアピンカーブがつくられているなど、バリエーションも多く、車はもちろん歩いていても楽しい坂道です。

いろは坂という名前については、日光のいろは坂のように坂道の途中にヘアピンカーブが多く存在することからそう呼ばれたという説をはじめ、この他にも諸説あり、いまのところ確定できていないのが現状です。

坂道からの景色

坂道からの景色

写真:雲本 らて

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いろは坂の途中からは、聖蹟桜ヶ丘の街並みを一望できるポイントもあります。劇中でも月島雫が図書館に向かう途中の背景として登場しているほどで、現実の風景も魅力的です。現地ではすこし立ち止まってゆっくりと眼下の景色を眺めてみるのもいいかもしれません。

坂道からの景色

写真:雲本 らて

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坂の中腹あたりにいろは坂桜公園があります。公園内には街を見渡せる視界の開けた場所もあり、春は桜の名所としても有名な公園です。ただ映画では、この公園は描かかれず、この地に月島雫が足繁く通う図書館がある設定になっています。

ヘアピンカーブと階段

ヘアピンカーブと階段

写真:雲本 らて

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いろは坂桜公園からさらに坂を上っていくと、ヘアピンカーブが連続しているつづら折れの道になっているポイントにやってきます。都内の坂道でもこれほどのヘアピンカーブが続き、距離も長く高低差もある場所はお目にかかりません。いろは坂は坂道マニアにとっても楽しい場所ですが、実はそれ以上に自転車愛好家のヒルクライムのメッカともなっているそうです。

ヘアピンカーブと階段

写真:雲本 らて

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またつづら折れになっている坂道を突き刺すように階段が存在します。階段上からの景色は、気持ちよく、高低差もあることからこれまで歩いてきた坂道や眼下の街並みが眺められます。しかも、この長い階段も劇中で登場し、月島雫が自分で創作した物語を創造しながら一気に階段を駆け下りるシーンで印象的に描かれています。

ヘアピンカーブと階段

写真:雲本 らて

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さらにいろは坂の頂上付近には、映画で同級生の杉村が月島雫に告白した神社のモデルになったと言われる金比羅宮が存在します。なおこの神社は四国の金刀比羅宮からご神体を持ち帰り、社を建てたのが始まりだそうです。写真のとおり階段からならすぐの場所にありますので、立ち寄って映画の世界感にひたるのもいいかもしれないですね。

地球屋のあったロータリー

地球屋のあったロータリー

写真:雲本 らて

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いろは坂の頂上から、いろは坂通り沿いに南へすこし歩くと、大きな木々が中心に植えられているおしゃれな雰囲気のロータリーがある場所にやってきます。ここは、劇中で猫を追いかけて月島雫がたどり着くロータリーのモデルになった場所なのです。

なお、劇中でこのロータリーに面して建っていた天沢聖司の家でもある地球屋は実際には存在しません。ただ、ノアという洋菓子屋さんがロータリーのそばにあります。バロン人形が置かれ、カントリーロードがBGMに流れる店内には「耳すまロータリークッキー」など映画にちなんだお菓子も売っています。またスタンプラリーができる聖蹟桜ヶ丘の案内マップも店内で配布されています。桜ヶ丘ロータリーにやってきたならぜひ立ち寄ってみてほしいお店です。

映画だけではない史跡も立ち寄ってみよう

映画だけではない史跡も立ち寄ってみよう

写真:雲本 らて

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いろは坂の頂上からロータリーへと向かう途中のいろは坂通り沿いには、鎌倉幕府以来の物見台的城塞としての拠点であった関戸城の天守台があったそうです。現在は、「天守台(関戸城跡)」と書かれた案内板があるのみです。ただ、そばにはかつてここが武蔵野台地を一望できる絶勝の地であったことが感じられるものすごい高低差の崖地を下る階段があります。階段からの眼下の街並みの景色もすばらしいです。

「耳をすませば」を見てからの散策がおすすめ

今回はいろは坂を中心に「耳をすませば」の聖地を取り上げてみました。1995年の映画上映後、モデル地としての聖蹟桜ヶ丘を聖地巡礼する人がたえないそうです。そんなことからも「耳をすませば モデル地案内マップ」の案内板などが設置されるなど、聖蹟桜ヶ丘界隈は多摩市公認の虚実入り混じった観光スポットにもなっています。「耳をすませば」を見てからこの地を散策するとさらに楽しさが増すと思います。

また聖蹟桜ヶ丘駅前の「青春のポスト」に加えて、高台のロータリーにある洋菓子店ノアには、来店(聖地巡礼)したファンがメッセージを書き留める「耳すまノート」も置いてあります。もとは、劇中のラストで天沢聖司と月島雫が訪れた秘密の場所(耳丘)のモデルとなったという現存する丘に設置されていたものですが、現在はノアに場所を移して存続しているノートだそうです。訪れた際は、ぜひ思いを綴ってみてください。


<基本情報>
いろは坂
所在地:東京都多摩市桜ケ丘
アクセス:京王電鉄・聖蹟桜ヶ丘駅より徒歩5分

掲載内容は執筆時点のものです。

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