春色満載な昭和の世界へ出発進行!「小湊鐵道」撮影スポット5選

春色満載な昭和の世界へ出発進行!「小湊鐵道」撮影スポット5選

更新日:2017/03/14 09:04

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「小湊鐵道」は千葉県市原市の五井駅を起点とし、大多喜町の上総中野駅を結ぶ鉄道路線。都心からアクセスが容易であることや、懐かしい車両が走っていることから、鉄道ファンには絶大な人気を誇っています。車窓から見える風景も四季折々に素晴らしいものがあり、日本の原型を見ているかのよう!春ともなれば満開の桜や菜の花が咲く中、懐かしいカラーリングの車両が走る姿は昭和の残像!そんなオススメスポットを紹介します。

子供の頃に見たかのような駅周辺風景に感極まる!「月崎駅」

子供の頃に見たかのような駅周辺風景に感極まる!「月崎駅」

写真:木村 優光

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まずは五井駅から14個目の「月崎駅」の紹介です。山深い場所にある「月崎駅」はどことなく寂しい情景が漂いますが、春先は駅周辺に桜の木と菜の花が咲き乱れ、ため息が出るほど美しい空間となります。最高の構図と言えば、駅北側から見る「月崎駅」周辺!駅舎の隣には大きな桜の木が植えられているため、満開の時に列車が到着すると最高の絵になります。

かつては日本全国のあちこちで見ることができた当たり前の風景ですが、現在はこのような情景を見ることができるのも限られた路線のみ!したがって「小湊鐵道」の存在価値の高さが非常によくわかるシーンです。子供の頃にこのような光景を見たことがある方は、感極まって涙するでしょう。それだけ感動深い光景です。

子供の頃に見たかのような駅周辺風景に感極まる!「月崎駅」

写真:木村 優光

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なお、駅構内には現在は使用されていないホームがあるのですが、こちらは列車が来ない時間帯にホームへアクセスすることができます。このホームからの構図がまた絶妙で、駅舎南側の桜の木と周辺に咲き乱れる菜の花を同時収めることが可能!

なお、線路内に立ち入っての撮影は厳禁!特に桜の時期になると沿線での撮影者人口が非常に多くなり、それに比例するように撮影者のモラルが問われます。決してモラルを欠いた行動は起こさないようにしましょう。昭和レトロさが貴重な「小湊鐵道」での撮影が禁止になってしまったら残念ですよね?

子供の頃に見たかのような駅周辺風景に感極まる!「月崎駅」

写真:木村 優光

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「月崎駅」の駅舎は木造の味のある昭和レトロタイプで、現在の鉄道駅に見慣れた方にとっては衝撃的でしょうね。自動改札なんてもちろんありません!エレベータもエスカレータもありません!1面のホームがあるだけ!そういったところがローカル線の雰囲気を十分に感じ取ることができる要素なのです。

駅ホームには周辺住民や「小湊鐵道」の職員の方によって綺麗に植えられた花が咲き乱れていて、列車から降り立った瞬間はなんとも言いようがない心地よさが体の隅々まで浸透していきます。

春色満載の中の交換シーンは必見!「里見駅」

春色満載の中の交換シーンは必見!「里見駅」

写真:木村 優光

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「里見駅」は上総牛久駅以南で唯一交換設備がある駅!数年前までは交換が行われておらず、上総牛久駅以南は一列車のみしか入線できませんでしたが、現在は日に数本、交換が行われています。日本ではかなり珍しくなったタブレット交換も行われ、昭和時代の名残を平成の今にも残しています。

そんな「里見駅」にも春がやってくると、駅舎東側に植えられた桜の木が満開になり、さらには駅周辺は黄色い菜の花が咲き乱れます。こんな光景を見るベストポイントとして、駅北側の踏切付近がベストポイント!春色の背景にレトロカラーの車両が入線してくると写真のようになります。どうです、生でみたくなりました?

春色満載の中の交換シーンは必見!「里見駅」

写真:木村 優光

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駅北側のベストポイントも最高ですが、逆に駅南側からの眺めも最高です。太陽の向きも関係しますので、写真を撮る場合は時間帯で順光になる方角を選択せざるを得ませんが、「里見駅」の駐車場の南端から駅ホームを見ると写真のようなアングルになります。

南側からですと手前に菜の花が咲き乱れているため、それらをぼかして撮ると良いでしょう。乗務員の方と乗客とのやりとりがよく見えるため、ローカル線特有の情景を体感することができます。

春のローカル線のイメージにぴったり!「里見駅〜飯給駅」

春のローカル線のイメージにぴったり!「里見駅〜飯給駅」

写真:木村 優光

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「里見駅」から県道81号線を南へ歩くこと5分弱、「小湊鐵道」の線路が県道に近寄ってくるポイントがあります。線路と道路の間にはわずかながら緑地帯があり、そこからS字を走る「小湊鐵道」を撮影することができます。線路の左手には神社がある関係で鳥居があるのですが、ちょうど鳥居が見えなくなったあたりがベストポイント!

このポイントは晩秋ですと黄金色に輝く銀杏の木が有名ですが、春先ですと写真のように、線路端にはぎっしりと植えられた菜の花が咲き乱れ、素晴らしいとしか言いようがありません!まるで自然そのままの姿が残っているかのようで、温かい気持ちになりますよね。

里山に囲まれた駅ホームは春色の空間!「飯給駅」

里山に囲まれた駅ホームは春色の空間!「飯給駅」

写真:木村 優光

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「飯給駅」は里山に囲まれた集落の山側に位置する小さな駅で、駅舎などは存在せず片側一面ホームとそれに付随するかのような待合室があるのみ!そんな殺風景の駅施設ですが、春ともなると線路の築堤沿いに植えられた桜と、周囲の畑に植えられた菜の花が一斉に咲き出し、沿線でも一番春色を感じることができる駅です。

「小湊鐵道」の列車が走ってこなくとも、上の写真のように花が咲き乱れる春先は非常に絵になりますが、ここへ列車が走ってくるとさらなるレトロな雰囲気が積み重なり、色彩も足されることで完成度の高い絵になります。

特にオススメなのが、駅ホームとその両側の築堤に咲き乱れる桜、菜の花など全てを同時に見ることができるポイント!「飯給駅」ホームの南側に切通があるのですが、そちらの緩やかな斜面から撮影すると下の写真のようになります。

どうです?まさに春一色といった感じでしょう?列車は「飯給駅」をゆっくりと発車して、真横を通り過ぎ、養老方面へと突き進みます。小さい頃に真横を発車していく列車に手を振ったことを思い出したりして、懐かしさがこみ上げてきませんか?これこそが小湊マジック!

なお、線路と斜面との境目には柵などは一切ありませんので、線路に近づきすぎないように十分に注意しましょう!そして撮影場所は緩やかな斜面で、足場はそれほど悪くありませんが、雨上がりなどは滑りますので十分に注意です。

里山に囲まれた駅ホームは春色の空間!「飯給駅」

写真:木村 優光

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里山に囲まれた駅ホームは春色の空間!「飯給駅」

写真:木村 優光

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「飯給駅」の西側は田圃が広がる関係で、桜が満開になる4月中旬頃には田圃に水が入ることもあります。「飯給駅」のホームは田圃よりも少し高い位置にあるため、列車が到着すると写真のように田圃に張った水に列車が鏡対称で映り込むことも!

まさに昭和レトロの世界がもう一つ存在しているかのようで、色彩コントラストも含めると、ため息が出るほど素晴らしいです。桜の木の位置も絶妙で、2両編成の車両に対して左右対称、そして上下対称で完成度の高いシンメトリーとなって表れます。

春も深まる4月下旬は蓮華の花が一面に咲き乱れる!「上総久保駅」

春も深まる4月下旬は蓮華の花が一面に咲き乱れる!「上総久保駅」

写真:木村 優光

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「上総久保駅」といえば、駅ホーム背後の大銀杏の木が非常に有名で、晩秋の頃には黄金色に染まった銀杏と「小湊鉄道」のコラボレーションは非常に美しく、カメラマンには人気の撮影スポットです。

しかし、4月下旬も忘れてはいけません!稲の苗を植える直前の休耕田一面には、蓮華の花が咲き乱れ、隠れた名所となっています。晩秋は黄金色の銀杏も4月中旬はみずみずしい新緑が芽生え、青空の下、「小湊鐵道」の列車が走ってくれば色彩も申し分なし!昭和時代では当たり前に見ることができた1枚の絵が完成します。

写真は休日昼間の閑散時ですので、乗客が一番少なく列車も1両編成で、写真の収まりの面でも絶妙ですが、これが2両編成になるとまたイメージが変わってしまいます。背後の駅ホームが隠れたり、銀杏の木も下側が隠れてしまったりと、印象がだいぶ変わるでしょう。その辺はズーム域を上手いこと利用して、淡白な1枚にならないようにすると良いでしょう。

桜の咲く「小湊鐵道」沿線は週末の混雑が予想される

昭和時代の名残がたくさん残っている「小湊鐵道」沿線ですが、春先の週末になると、桜の咲く昭和レトロな風景をひと目見ようと、全国から多数の撮影者が訪問します。

週末に有名撮影地を訪問すると、撮影者が多くて構図取りにかなり苦労しますが、平日の早朝ですと比較的人が少ないため、構図の取り方も多岐にわたることが可能!しかし週末しか訪問できない場合は、他の撮影者と譲り合う心がけが必要です。皆で心地よい小湊鉄道の撮影を行いましょう。

なお、沿線の桜の見頃ですが、千葉県でも山間部を走る「小湊鉄道」ですので、毎年4月の第二週付近に満開になることが多いです。さらに周辺の桜開花情報も参考にして、訪問日を決めるとよいでしょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2009/04/10−2014/04/25 訪問

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