神社仏閣だけじゃない!モダン建築が並ぶ京都「三条通」でノスタルジックな街並み散策

神社仏閣だけじゃない!モダン建築が並ぶ京都「三条通」でノスタルジックな街並み散策

更新日:2017/01/27 13:55

京都市街を東西に走る「三条通」は平安京の三条大路。鴨川にかかる「三条大橋」は東海道五十三次の終点で、明治時代には京都のメインストリートとして栄えました。今も尚レトロな近代建築と町屋が数多く残り、最近はそれらを利用した人気ショップも増えて、そぞろ歩きを楽しむのにピッタリ。お寺や神社のイメージが強い京都ですが、それだけじゃない!ちょっと違う京都らしさの「三条通」でノスタルジックな街並み散策はいかが!

なぜ京都にモダン建築が多いの?

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明治に入り、琵琶湖疎水が完成すると京都の近代化は一気に進みました。岡崎では内国勧業博覧会が開かれ、当時メインストリートだった「三条通」には数多くのモダン建築が建てられたのです。

しかしその後再開発が進むにつれて、道幅が狭く建物が密集した「三条通」から「四条通」へと町の中心は移っていきました。そのおかげでレトロな洋風建築の多くが創建当時の姿のまま残っており、「三条通」はモダン建築や京町屋、おしゃれなショップの混在した魅力的な街並みになりました。

今回は「三条通」のレトロな建物を、烏丸から河原町に、東から西に向かって紹介していきます。

まず最初は「みずほ銀行京都中央支店」旧第一銀行京都支店。烏丸三条交差点にあります。明治39年に、東京駅の設計で有名な辰野金吾の設計により建てられました。「古いわりになんだかピカピカ‥‥」。実はここ、2003年にリニューアル工事をして、昔の姿を再現した新築なのです。辰野式と呼ばれる赤煉瓦に白帯のスタイルですが、ゴシックらしい装飾は控えめで、穏やかで上品な印象です。

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こちらは大正9年に建てられた「文椿ビルヂング」旧西村貿易会社。当時では珍しい木造の洋館です。国登録有形文化財に登録されていますが、2004年にリノベーションされ、人気のレストラン、雑貨や男性用着物、また京都でしか買えない物をそろえる店もあり、国内だけでなく外国人観光客にも人気のスポットになっています。

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「三条通」を東洞院まで進むと、辰野式とはまた違った雰囲気の赤煉瓦の洋館が見えてきます。市の有形登録文化財「中京郵便局」です。

明治35年、吉井茂則の設計によるネオルネッサンス様式のこの建物、白い隅石がアクセントになっていてとっても素敵。

今も郵便局として使われているこの建物、実は昭和48年に当時の郵政省は建て替えを発表しました。しかし、保存を求める声があまりに多かったので、全国で初めて外壁保存、内部建て替えというスタイルを採用したのです。郵便局の看板はとっても小さく分かりにくいのですが、建物自体が看板の役目を果たしています。レンガ造りの郵便局、素敵ですよね!

狭い「三条通」から見上げる迫力の「京都文化博物館別館」

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「中京郵便局」を過ぎるとすぐに現れるのは「京都文化博物館別館」旧日本銀行京都支店。「みずほ銀行」と同じ辰野金吾の設計で、明治39年に建てられたもの。こちらは創建時の姿をそのまま留めています。

赤煉瓦に白い帯のアクセントは「みずほ銀行」と同じですが、塔屋やドーム、玄関周りの装飾はとっても豪華!狭い「三条通」から見上げると迫力満点です。

こちらは府立の博物館の別館として、時々コンサートや展示会が行われていますが、普段は無料で内部の見学ができます。

狭い「三条通」から見上げる迫力の「京都文化博物館別館」
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内部は創建当時の豪華な内装がそのまま残っています。天井や壁に残る細かい装飾、シャンデリアが素敵です。長いカウンターや窓口は、当時銀行であったことを物語っています。

狭い「三条通」から見上げる迫力の「京都文化博物館別館」
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近代建築と町屋が仲良く並ぶ

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幕末創業の「分銅屋足袋」は、京町屋の老舗です。軒先に掛けられた昔ながらの看板も、なかなか風情があります。

レトロな西洋建築や京町屋、近代的なビルが混在しているのが、「三条通」の魅力です。何百年も続く老舗や最近できたばかりのおしゃれなショップも仲良く並んでいて、ウインドウショッピングも楽しめます!

近代建築と町屋が仲良く並ぶ
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「旧家邊徳時計店」は明治23年の建築で、三条通周辺の煉瓦建築の中では最も古い建物です。実は木造建築に煉瓦を張っている造りで、中央のアーチのデザインが凝っていて素敵です。当時は時計店らしく時計台もついていたということですが、今はそれも取り外され、おしゃれな衣料品店になっています。国の登録有形文化財に指定されています。

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大正3年に建てられた、ここ「旧日本生命京都支店」は市指定文化財に登録されています。辰野金吾と高岡安の設計によるものですが、辰野式の赤煉瓦建築とは全く雰囲気の違う、片岡安の色が濃い石張り建築です。今は東側部分のみが残っていて、アンティーク着物のお店が入っています。レトロな洋館にアンティーク着物‥‥新しい京都らしさです!

美しく、新しく、時代とともに生きるレトロ建築

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「1928ビル」はその名前が示す通り、1928年(昭和3年)に大毎新聞(現毎日新聞社)京都支社として建てられました。設計は武田五一。旧社章をかたどった星形の窓やバルコニーは、今見ても斬新!とっても素敵です。

最上階のアーチ型ホールは、当時から高いレベルの音響効果で、長い間演劇や講演会の会場として活用されてきました。市の有形文化財にも登録されていて、耐震改修を終えた今、また現役として活用されています。

高さ5メートルもある天井のこのホール、2014年からは京都発の感動エンターテイメントショー『ギアGEAR』の専用劇場となり、絶賛ロングラン公演中です。言葉に頼らない「ノンバーバルパフォーマンス」は外国人観光客にも大人気で、今や京都の新名所!是非一度体験してみてください!

美しく、新しく、時代とともに生きるレトロ建築
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こちら「1928ビル」の地下に続く階段。辰砂釉タイルのモザイクは芸術的でガウディを思わせます。地下はオープンなカフェになっているのですが、タイルのモザイクに誘われてついつい階段を降りて行ってしまいそうですね。

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地下にある「カフェ・アンデパンダン」は、剥落した漆喰壁画や床の辰砂釉タイルなど、先ほどの階段同様に当時のまま。

「三条通」はホットな京都を発信するレトロなスポット

いかがでしたか?「三条通」でのレトロな建築探訪。明治〜昭和にかけて建てられた数々の洋館が、当時の面影を残したまま、今の時代にマッチするように再活用されている‥‥。神社仏閣巡りに飽きてきたら、ちょっと違う新たな京都カルチャーを楽しんでみるのはいかがですか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/17 訪問

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